旅力
『アウトライダー』の兄弟誌、グッド・ルッキン!な
カスタムバイクを扱う『ロードライダー』に
コラムを連載している。
連載タイトルは、「旅力」。
読み方は「タビヂカラ」でも「タビリョク」でも
どっちでも構わない。私の造語なので。
意味は、
1)ツーリングを経験することによって得た能力
2)ツーリングするときにあると便利な能力
というようなものだが、
連載も数えてみたらもう16回目で、
よくもまあこんなに続いたものだと思う。
(途中、空振りもたくさんありましたがね)
今回のテーマは、
「年々進化しているバイク本体に対して
なぜ荷かけフックだけはおざなりのままなのか」
というメーカーへの問いかけと、
「そんなバイクにうまく荷物を積むための
細引きで作ったループのご紹介」
である。
たとえばこんなふうに使うわけです(一例)。
こういう創意工夫もまた「旅力」であると。
一昨年の大阪モーターサイクルショーで
私が講師を務めた「ツーリング講座」の
内容をコラムにしたものだが、ホントにね、
どうして荷かけフックは使い勝手の悪いまま
ずっと放置されているのだろう。
荷物の積載がいい加減では
走行安定性だって損なわれるのに。
明日からロケだというのに天気予報の
降水確率は90パーセントだ。
ま、負荷が大きければその分だけ
旅力も鍛えられると考えることにしよう。
ん? 荷かけフックの使い勝手が悪いのは、
ライダーの旅力を鍛えんがために
メーカーサイドが与えた試練?
そんなわきゃないよなあ。
さて、明日の準備、明日の準備と。
CB223S
このCBは、いい意味で普通っぽいというか、
よくできた「単コロ」だなあと思った。
普通のものを作るというのは
突飛なものを作るよりも難しいことなのだと思っている。
「普通」は「普遍」に通じる。
コンパクトで扱いやすいし、キビキビ走る。
まあ、一般路をわずか一時間少々走っただけなので
あくまでも軽めのインプレッションなのだけれども。
フェンダーが樹脂という点が安っぽくて
いまいちだが、実際のところ価格は安く
抑えられているわけだし(それはいいことだ)、
足まわりに軽快さを与える意味もあったのだろう。
ただしこれまたXR230モタード同様、
高速巡航速度は110キロぐらいらしい。うーむ。
試乗後、開発陣に提案してみたのは
この速度のことと、デザイン上の、
たとえばフロントフェンダーを小型化し、
タンクのマークも小さな立体エンブレムにしたら
相対的にエンジンが大きく見えて
よりバランスのいい見た目になるんじゃないか、
質感が増すんじゃないかとか、
そういったことと、
あとはやっぱり荷かけフックの位置。
へなちょことはいえアウトライダー歴22年の私である、
この件に関しては非常にウルサイ。
画像は純正カスタム車。
なかなかやるじゃないかこのこの~、という感じ。
なんにせよ、一言で表現すれば
「好印象」の一台。
もしいま仮に自分が免許取立てだったら
欲しがるに違いない。
ほめすぎ?
XR230モタード
軽くコンパクトで楽に振り回せる。
ベースとなったオフ車のXR230よりも
キャスター角をやや立ち気味にしてあるから、
交差点などでヒラリと曲がる。
市街地では楽しいはず。
今回の試乗はツインリンクもてぎの
敷地内の一般路だったため、
高速道路でどうかは不明だが、
メーカーサイドに尋ねたところ
高速巡航速度は約110キロらしい。
遅いクルマを追い越すときのことを
考えればせめて120キロは出るといいのだが……。
でもまあ、小さな排気量でそこまで望むのは
酷というものだろう。
そのぶん一般路でキビキビ走るし、
燃費もいいらしいし、厳しい排ガス規制も
クリアしているのだ。
だいたい、価格もすごく安いのだ。
総合的に考えれば上出来だと思う。
ひとまず最高速に関してはメーカーサイドに希望し、
ついでに荷かけフックの位置の改良も頼んだ。
お願いしておけば、次につながるかも知れないので。