(続き)
福島記念を制したパンサラッサは、次走グランプリ・有馬記念に向かったが、流石に
相手も揃っていて、13着に敗退。
(幾度か戦う事になる、同型のタイトルホルダーも強靭な先行馬)
明けて2022年。二度目の中山記念(GⅡ)に、吉田豊騎手と共に出走する。
再び5F 57.6秒の大逃げを披露したパンサラッサは、結果2馬身半の差で完勝。
ローエングリン以来、15年振りの同レースでの逃げ切り勝ちを収めた。
「さて、次走はどこに」と思っていた矢先、陣営は果敢にドバイ・ターフを選択。
外枠の染分帽のパンサラッサは、それほど離して逃げているようには見えなかったが、
2番手の馬が残り300mで脱落していたように、かなりの激流ペースだったのだろう。
ロードノース、ヴァンドギャルドとの間でレース史に残るデットヒートとなり、
長い判定の末、
ロードノース号との劇的な同着で、世界のGⅠを制した。
(出資馬が、ドバイ・ターフを・・。深夜、TVの前でホロっと来た)
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帰国初戦は宝塚記念(GⅠ)となったが、ここは絶頂期のタイトルホルダーの前に完敗。
続く札幌記念(GⅡ)では円形のコースを逃げたが、ジャックドールに差されて2着。
海外にもまして、国内の強豪達との戦いは相当に厳しかった
しかし、7番人気で臨んだ2022年の天皇賞・秋。
スタート後に二の脚を使い、5F 57.4のラップを刻んで後続をぶっちぎる。
魂の逃げが、府中のスタンドを大いに揺らした。
惜しくも2着に敗れたが、当時イクイノックスの斤量が56kgに対し、パンサラッサは
古馬58kg。堂々と渡り合った。
上位2頭の上りの3ハロンが32.7秒と36.8秒。競馬史に残る劇的な一戦だった。
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天皇賞のパフォーマンスで改めて世界に知れ渡る事になったパンサラッサだったが、
逃げ馬は徹底マークで潰しに来られると、本当に辛い競馬になる。
次走にて挑戦した香港Cでは、逃げたが直後にレイパパレ等にガッチリと付けられ、
馬場も重たかったため、10着に失速した。
但、この5歳シーズンは中山から始まり、ドバイ→阪神→札幌→東京→香港まで、
海外を含むGⅠ・GⅡでの厳しい戦いを、一生懸命に走り続けてくれた。
(続く)