一昨日の天皇賞・秋について、少しだけ補足しておきたい。
ジャックドールの騎乗について。
ジャックドールは前走の札幌記念でパンサラッサに完勝していた。一昨日は先行して
パンサラッサを捕まえるだろうと、多くの方にも予想されていたかもしれない。
但、ジャックドールの藤岡佑騎手的には、非常に悩ましい状況だったと思っている。
それは、ジャックドールの「馬キャラ」が理由である。
2月東京・白富士S
3月中京・金鯱賞
8月札幌・札幌記念
ジャックドールは、前半をスロー59秒台で行って、先行のアドバンテージをある程度
取って、後半57秒台で纏めるレースが勝ちパターンなのである。
札幌記念の場合は、洋芝でHペース判定となっているが、それでも3~4番手で自分の
ペースで行き、パンサラッサを捕まえた。
札幌は円形競馬場のため、当日も内、前を行った馬が基本有利。だから、この日は
パンサラッサを唯一の目標にして狙う事が出来たため、乗り易かったのである。
一方で、パンサラッサは違うタイプの逃げも打てるスピード馬だ。
昨年11月福島・福島記念
3月中山・中山記念
菱田騎手が暴走気味に前半57.3秒で行って、4馬身差で勝ちきったのが福島記念。
中山記念でも前半57秒台で行き、ローエングリン以来の逃げ切り勝ちを決めている。
これを一昨日の天皇賞・秋に当てはめてみると、
10月天皇賞・秋 ラップ
ジャックドールの立場からすれば、前にプレッシャーをかけていけば、ひょっとすると
勝てるかもしれないが、そもそもの「馬キャラ」に合ったペースではない。
それと、3番人気の自身が動いた時に、間違いなく後続も一気に動いて潰れる可能性の
方が高くなる。
だから騎手は、他の馬と一緒に、実質スローからの直線勝負に賭けざるを得なかった。
春の白富士Sや金鯱賞では、1分57秒台で走っている裏付けもあったから。
(最近の天皇賞秋は、前半5ハロンで59~60秒台のラップから、後半5ハロンにおいて
57秒台の激烈ラップに突入している。後続の一団は、近年のトレンドにも近かった)。
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結果は4着で、パンサラッサに残されてイクイノックス、ダノンに差されてしまったが、
一昨日は「展開と組み合わせのアヤ」の影響もあったと思う。
また3歳勢が56kgで、パンサとジャックは58kgを背負っていた。
(個人的には)この写真の差であれば、上手く乗っていた方ではないか、と感じている。
余談でした。