ジャン・チャクムルさんピアノリサイタル(2021.11.7)アクトシティ浜松 | 耳をすませば

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ピアニスト 牛田智大さんを応援しています。

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約7ヶ月ぶりに浜松に行ってきました。

 

 

浜松国際ピアノフェスティバル2021

2021年11月7日(日)~28日(日)

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コロナ禍で中止になってしまった、第11回浜松国際ピアノコンクールの代替イベントです。

 

 

初日のこの日は、ジャン・チャクムルさんのピアノリサイタル。

 

 

11月7日(日)14時開演

ジャン・チャクムル ピアノ・リサイタル。

アクトシティ浜松(静岡県)

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そう。トルコ出身のチャクムルさんは、第10回の浜コンの覇者。

 

 

 

 

 

2位、3位は我らが牛田智大くんと、韓国のリ・ヒョクくん。

 

 

 

 

 

くるくるヘアをなびかせて、いつも柔らかく微笑んでいるチャクムルさん。

 

登場した瞬間から音楽を纏っているような彼のピアノは聴く者を幸せにしてくれます。

 

 

 

 

 

 

彼の演奏を聴くのは2年半ぶり。

 

 

↓その時の記事

 

 

 

 

 

 

 

東京駅で駅弁を購入。

 

 

やっぱり気になるのは「牛」。(〃∇〃)

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牛しぐれ、うんまっ!(≧▽≦)

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新幹線の窓から見える富士山は、雪帽子をかぶってます。

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浜松駅構内のピアノは、ショパンコンクールでも牛田くんが演奏したヤマハCFX。

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早くも飾られているクリスマスツリー。

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コロナの影響と建物の改修工事で

 

アクトシティの施設内は営業していないお店も多く、ちょっと寂しい雰囲気でした。

 

 

 

 

 

会場には、素敵なドレスとマスクを身につけた小川典子先生のお姿も。

 

 

 

 

 

ホール前のロビーにある、この印象的な大きな木のスプーン。

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彫刻家 小清水漸さんの作品『スプーン一杯の音色』。

 

 

 

 

 

 

 

プログラム

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♪ シェーンベルク:3つのピアノ曲 Op.11-2

 

♪ シューベルト:ピアノ・ソナタ 第20番 イ長調 D959

 

~ ~ 休憩 ~ ~

 

♪ シューマン:暁の歌 Op.133

 

♪ 川島素晴:Hama-Con-Plex(第11回浜松国際ピアノコンクール委嘱作品)

 

♪ シューマン:ピアノ・ソナタ 第2番 ト短調 Op.22

 

 

 

 

私の知らない曲ばかりでした…。

 

 

 

ピアノはシゲルカワイ。

 

 

 

久しぶりのチャクムルさん。

 

元気かなあ?変わってるのかなあ?

 

 

 

登場しました。

 

 

あ、なんか雰囲気が違う!

 

 

トレードマークのくるくるフワフワヘアーが、ちょっと短くなってる。

 

元々細かったのに、さらに痩せた?

 

そして、うっすらとお髭…?

 

 

メガネをかけて、手にはiPad(?)。

 

 

すごく痩せて見えるせいか、お髭のせいか、はたまたヘアスタイルのせいか、

 

苦労人のブロッコリーみたいになってる…。

 

 

 

衣装は黒いスーツとワインレッドのシャツ。

 

メガネをかけてます。

 

 

 

 

 

 

 

ピアノの上にiPadを置いて、弾き始めたシェーンベルクの「3つのピアノ曲」。

 

 

 

 

すみません…。

 

もともと無知な上に、勉強不足のワタクシ、今回ほとんどレポが書けません(-_-;)

 

 

 

不穏に始まった音楽。

 

このところ、耳心地のよいショパンばかり聴いていた私には

 

どう捉えればよいのか

 

どう理解してよいのかわからず…汗

 

 

 

けれども柔らかい音色のせいか

 

耳慣れない曲のせいか

 

早くもお舟をこぎ出す人達の姿もちらほらと。

 

 

弾き終わるとメガネをはずしてピアノの上に置き

 

iPadを椅子の横の床に静かに置きました。

 

 

リサイタルで、1曲目から楽譜を見るのって、ちょっと珍しいです。

 

暗譜が間に合わなかったのかな…?

 

 

 

 

 

2曲目のシューベルトは、1曲目よりかなりとっつきやすかったです。

 

 

軽やかで、柔らかで

 

春の菜の花の周りをひらひらと舞うモンシロチョウのよう。

 

ジャン!と何度もアクセントを付けたり、穏やかだったり

 

ちょっと不思議な曲でした。

 

 

踊るように、歌うように、そして歯切れ良く。

 

チャクムルさんの演奏には、独得の品があると思います。

 

 

演奏後が終わって立ち上がり、ニッコリ笑って挨拶する様子は相変わらずチャーミングで

 

この人の持つ天性の愛されオーラを感じます。

 

 

初めて彼の演奏を聴いた友人も

 

「可愛い。この人絶対性格いいよね!」

 

と。

 

 

 

 

 

休憩後のシューマン「暁の歌」。

 

角のない音色。

 

柔らかな余韻。

 

軽やかで、深刻にならないピアノ。

 

 

リ・ヒョクくんの演奏を聴くと、「天使的だな」と思いますが

 

チャクムルさんの演奏は、「妖精みたい」と感じます。

 

昔観た、絵本のページをめくっているみたい。

 

それも、どこかヨーロッパ的で、

 

たとえて言うなら、安野光雅さんの絵のような。

 

 

 

演奏するチャクムルさんの様子も優しげで

 

小鳥になって空を飛びまわったあと

 

柔らかそうな彼の髪の毛に戻って羽を休めたい…。

 

 

 

 

 

川島素晴さんの「Hama-Con-Plex」(印象的なタイトル!)。

 

今度もチャクムルさんはiPadを持って登場し

 

それを譜面立てに立てかけて、譜めくり係ならぬスワイプ係の女性が隣に座りました。

 

 

 

きっとコンクールで課題曲になるはずだった曲ですね。

 

第10回の浜コンでいうなら「SACRIFICE」。

 

小説&映画『蜜蜂と遠雷』でいうなら「春と修羅」。

 

その解釈を、それぞれのコンテスタントに任せ

 

奏者一人一人の個性や発想がもっとも発揮される曲。

 

きっと難解で一筋縄にはいかないでしょう。

 

 

と、思って身構えていたら…

 

 

なんか好きな感じかも。

 

あ、なんで好きなのか分かった!

 

ズン・チャッ・チャッ、で始まる三拍子が、私の大好きなチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番にそっくり!

 

 

と、思ったら、やっぱり一筋縄ではいかなかった。

 

単純明快なチャイコフスキーはいきなり複雑に。

 

プロコフィエフ3番っぽくなったり

 

おどろおどろしくなったり

 

ダイナミックになったり

 

コチョコチョしたり

 

次々と表情を変えていきます。

 

 

ワーオ!


 

 

弾き終わったチャクムルさん

 

チャーミングに挨拶をしたと思ったら

 

2階席に向かって両手を高く上げて拍手をしました。

 

 

振り返って2階席を見ると、

 

黒いマスクをした一人の男性が立ち上がっています。

 

 

この曲を作った川島素晴さんですね!

 

 

聴衆も川島さんに向かって大きな拍手を贈りました。

 

 

コンテスタントが演奏する機会を失ってしまったこの曲。

 

チャクムルさんが初披露してくれたんですね。

 

演奏後に作曲家にリスペクトを込めて真っ先に拍手を贈ったチャクムルさん。

 

やっぱり彼は素敵です。

 

 

プログラムに、この曲に関する紙が挟まれていたので

 

あとでじっくり読みました。

 

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おおっ!やっぱりチャイコン1番、プロコ3番の要素が入っていたのか!

 

それだけじゃない。これまでの全10回の浜コン本選で演奏されたピアノ協奏曲のうち、上演回数が多い10曲の楽想に基づいているのだそう。

 

A)チャイコフスキー/第1番

B)リスト/第1番

C)ショパン/第1番

D)シューマン

E)ブラームス/第1番

F)モーツァルト/第20番

G)ベートーヴェン/第5番

H)プロコフィエフ/第3番

I)ラフマニノフ/第2番

J)ラヴェル/ト短調

 

すごーい!なんて盛りだくさんで贅沢で難しい作品。

牛田くんが第10回の本選で演奏したラフマ2番も、譜読みを始めたというブラームス1番も入ってます。

 

私達が今日ここで聴くだけなんてもったいない。

 

これ、いろんなコンテスタントの演奏で聴いてみたかったなあ。。。

 

 

と、思ったら、フェスティバル期間中、コンクール応募者の演奏がWEB配信されているそうですよ!

 

 

↓こちら

 

 

 

 

 

最後のシューマンソナタは、大平原を疾走する馬車のようでした。

 

どんなにダイナミックでも、「優しさ」「柔らかさ」「品」を感じるチャクムルさんのピアノ。

 

ピカピカに光る黒い靴。

 

やっぱりどこか、妖精みたいだなあ、なんて思いながら聴きました。

 

 

 

 

 

アンコール曲は、ピアノの前に腰掛けると

 

客席に向かって、マイク無しで日本語で紹介してくれました。

 

「シューベルト、リスト、マオウ!」

 

 

おおっ。

 

少年智大がかつて演奏していたシューベルト&リストの「魔王」。

 

やっと私の知ってる曲ガー!笑い泣き

 

 

振動のように小刻みに動く右手。

 

旋律を歌い上げる左手。

 

 

夜の森の中を、馬にまたがりマントを翻して掛けていく父と小さな男の子。

 

囁きかける魔王の声と闇に溶ける笑み。

 

ドラマチックな飛び出す絵本を開いているみたい。

 

 

ここまでずっと、牛田病を発症せずに来たというのに

 

最後の最後になって発症してしまった…(T T)

 

 

 

幾度ものカーテンコールのあと

 

もう一度ピアノの前に座ってくれたチャクムルさん。

 

今度は英語で何やら喋ってくれたけど

 

私に聞き取れたのは「シューマン」と「ハママツ」と「ピアノ」ぐらい。えーんうう…

 

 

 

紡ぎ出された音色が

 

あまりにも優しくて、美しくて…。

 

 

それは、傷ついた心に

 

見ないふりをしながら、そっと寄り添ってくれているようで

 

どこかちょっぴり悲しくて。

 

 

短いけれど、さりげないけれど、音楽が持つ本来の美しさ。

 

温かな涙が溢れてきました。

 

 

 

ショパンコンクールの二次選考通過者の発表の日から

 

音楽を聴くのがなんだか怖くなっていた…。

 

 

痛みがかさぶたになりかけた頃に公表された採点表。

 

被害者でもないのに、多分勝手に傷ついていた…。

 

 

 

いいんだよ。

 

美しいものはやっぱり誰がなんと言っても美しい。

 

人の心に寄り添う音楽は、さりげなくて尊い。

 

好きなものは好き。

 

それでいい。

 

 

そうだよね。

 

そうなんだよね。

 

 

ありがとう、チャクムルさん。

 

大切なことを教えてくれて。

 

思い出させてくれて。

 

 

 

(T^T)゚。

 

 

 

 

 

 

この曲の名前は、

 

シューマン「ミルテの花」より「おわりに」。Op.25-26。

 

「献呈」で始まる曲の最後の小品です。

 

 

ピアノ演奏が見つけられなかったので、歌でどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぶらあぼ」より。

現在来日中のチャクムルさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リサイタル終了後に、ショパンの丘に行きました。

 

 

そびえ立つアクトシティはやっぱりかっこいい。

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青空とショパン像。

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違う角度から。

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近付いて、ショパンの表情をよく見たら、頬を涙が伝っているように見えました。

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浜松国際ピアノ・フェスティバル2021。

 

最終日の11月28日のフィナーレには牛田くんも登場し

 

ショパンピアノ協奏曲第2番を演奏します。

 

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3階席が追加発売されているようですよ!

 

 

 

 

 

 

夜、3年前の浜松国際ピアノコンクールのことをいろいろと懐かしく思い出し

 

久しぶりにプログラムや報告書のページをめくりました。

 

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第10回浜松国際ピアノコンクールの時の記事です。

 

新しい牛田ファンの方、ご参考になれば…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浜コンの牛田くんを密着取材したドキュメンタリー番組を紹介した記事。

 

 

 

 

 

 

今思い返しても、本当に特別な18日間でした。

 

 

 

 

 

 

 

ああ…

 

 

 

 

早く牛田くんのピアノが聴きた~いっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな牛田くんは、りお姫とイチャイチャ。

 

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お日さま色のシャツを着て

 

りおちゃんの手足を持って、なかなか大胆に遊んでる。

 

一瞬見える、嬉しそうな笑顔の口元。

 

組まれた白く美しい指。

 

 

りおちゃんにいっぱい必要とされて

 

幸せそうで、楽しそう。

 

 

(*^.^*)

 

 

 

BGMは「猫になりたい」ですって?!

 

 

それは私のセリフだわ!(///∇//)

 

 

 

 

 

 

 

 

では皆さま、素敵な1週間を!

 

(^-^)ノ~~