とうとう始まりましたね。浜松国際ピアノコンクール。

 

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牛田くんの出番のある11月10日(土)、

 

朝5時過ぎに起きて、浜松まで行ってきました。

 

8時3分東京発の新幹線に乗り、今日行きたくても行けないファンの方達の分もしっかり聴いて来ようと心に決めました。

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ピアノの街浜松。 駅構内にピアノが置かれています。

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会場のアクトシティ浜松。

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30分以上前に着いたのに、既に長蛇の列。

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(浜コンHPより)

 

 

席は自由席です。

 

 

ロビーには入賞者が受け取るメダルや

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一次予選の演奏順一覧

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出場者のパネル

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牛田くん、どこにいるか分かりますか?

 

 

 

はい。左下にちゃんといましたよ。

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この日牛田くんが演奏するのは、リストの「超絶技巧練習曲第1番『前奏曲』」とプロコフィエフの「ピアノ・ソナタ第7番」。

 

 

ピアノ・ソナタ第7番。いわゆる「戦争ソナタ」は恩師、中村紘子さんに捧げるつもりで演奏するとのこと。

 

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11月9日の中日新聞の夕刊の一面に!

(K茶さん、ありがとう!)

 

 

ここ、浜松アクトシティは、牛田くんが中村紘子先生と出会った原点ともいえる場所。

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(月刊『ショパン』2012年4月号より)

 

 

2016年2月、ここで開催された浜松国際アカデミー設立20周年記念コンサートで演奏するつもりだったけれど、体調不良で倒れてしまい、中村先生に聴いてもらえなかったプロコフィエフとラフマニノフのソナタ。

 

「先生へささげるプログラム。先生が育てたコンクールで、あのコンサートと同じホールでしっかりと演奏し、また成長してきたい」

 

 

 

約3年前、牛田くんが演奏中に倒れた時、私は最前列で演奏を聞いていました。

 

闘病されていたとは思えないくらいお元気で美しい中村先生の挨拶に感激して涙腺が緩み、

 

演奏する牛田くんの様子が途中からおかしくなって、袋小路に迷い込んだような演奏になり、

 

まるでスローモーションのように椅子から崩れ落ちていったあの瞬間を、今でもはっきり覚えています。

 

 

その後、チョ・ソンジンさんの演奏を聴きながら、

 

久しぶりに中村先生に成長した自分の演奏を聴いてほしかっただろうに、どんなに無念で悔しいだろう。

 

牛田くんの気持ちを想うと、あとからあとから涙が溢れてきました。

 

そんな私の何百倍も、牛田くんは悔しい思いをして、心にリベンジを誓っていたのですね。

 

 

 

さて、開演時間になり、舞台左に置かれた小さなスクリーンに演奏者のエントリー番号が映し出されました。

 

まだ一次審査だからでしょうか?コンテスタント達は、フォーマルすぎない、少しラフな服装で演奏しています。

 

 

それにしても、さすが世界的なコンクール。

 

みんなうまい!

 

素人の私などからしたら、文句のつけようがない!

 

 

3番目。スクリーンに「79」の文字が映し出されました。

 

 

79番  牛田智大  日本  19歳

 

 

ピアノはヤマハ。

 

登場した牛田くん。

 

黒のジャケットに黒のハイネック。黒牛田スタイルです。

 

おお、これは!

 

6年前の浜松国際ピアノコンクールを聴きに来た幼い牛田くんも、同じような服装をしてましたよ。

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手には水色のタオル。

 

いつものコンサートと違って、コンクールだからガチガチに緊張してるかな、と思いきや、とても柔らかな表情で挨拶しました。

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(ライブ配信を見ていたファン智さんより。Iさん、ありがとう!)

 

よかった。牛田くんはやっぱりいつもの牛田くんだ。

 

拍手をしながら「頑張れっ!」と、心の中で大声で叫びました。

 

 

椅子に座ると、わりと長い時間をかけて、椅子の高さを調整。

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かと思いきや、間髪入れず、といった感じで弾き始めたリストの超絶技巧。

 

 

この音色いい!

 

 

それは、指と指の間から、さらさらと金色の砂がこぼれ落ちていくように

 

きらめきをまき散らしながら滑り落ち、駆け上がり、

 

これから聴衆をいざなう自分の世界、自分の時間の幕開けを宣言するように、

 

あっという間に終わりました。

 

 

会場は既に牛田くん色です。

 

 

続く戦争ソナタ。

 

とっても繊細に始まりました。

 

キレがあって、知性に溢れ、一音一音を丁寧に磨き上げたような完成されたソナタ。

 

軽すぎず、重すぎず、しっかりとメリハリがあり、牛田くんがこの曲とどれだけ真摯に向き合ってきたのかを感じる演奏でした。

 

インスタで、コンクールに臨む自分の並々ならぬ決意を聞かせてくれた牛田くん。

 

家のピアノのハンマーが2本も折れたと言っていたけれど、

 

演奏を聴いて、なぜかそのことがとっても納得出来ました。

 

雑にしたり、むやみに鍵盤を叩きつけたりしたから折れたのではなく、

 

弾き込んで 弾き込んで

 

突き詰めて 突き詰めて

 

練習を重ねてきた結果なののでしょう。

 

折れたハンマーは、牛田くんの勲章です。

 

 

こんこんと湧き出る命の泉のように

 

溢れ出してくる音たち。

 

今マッチを近づけたら、突然発火して大きな火柱が上がるのではないかしらと思うような迸る情熱。

 

渾身の演奏。

 

 

誰よりも聴いてもらいたかった中村紘子先生のために。

 

 

誰かを想って弾くピアノ。

 

それはなんと強く 優しく 美しいのでしょう。

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さなぎが羽化する瞬間を見ているように

 

私、今凄い瞬間を目の当たりにしている。

 

牛田くんの背中にあるたたんだ羽を、大きく大きく広げる瞬間を。

 

 

 

それは「感動」を超えて「驚愕」でありました。

 

 

牛田くんは、とうとう本当に世界に羽を広げ始めたんだ…。

 

なんだか魔法にかかったみたいに 身動き一つできませんでした。

 

 

とうとうその時が来た。

 

断崖絶壁に1人で立っているような

 

心細さと足のすくむような感覚。

 

 

きっと牛田くんが覚悟を決めたように、ファンにも覚悟が必要なんだと思います。

 

世界に羽ばたいていく牛田くんの背中が遠く小さくなっていくのをを見守る覚悟が。

 

鳥かごの扉を開けて、大空に放ってあげる覚悟が。

(なんか偉そうでごめんなさい)

 

 

 

あれ?なんかこれ書いてたらこみ上げてくるものが…。

 

 

牛田くんのこの演奏。こめられた思い。

 

聴衆や審査員だけでなく、中村紘子先生の胸にも響いたはず。

 

3年前のアクシデントをものともせず、あの時の苦い思い出を見事に払拭した牛田くん。

 

おめでとう。牛田くんは勝ったんだね。自分自身に。

 

 

 

 

激しい演奏に、温度が上がったかのような会場。

 

フィニッシュ!

 

 

立ち上がって「ブラボー!」と叫びたかったのは、私だけじゃないはずです。

 

 

牛田くんが舞台から姿を消しても拍手は鳴りやまず、

 

休憩に入るため照明がつくまで続きました。

 

こんなにも拍手が続いたのは牛田くんだけです。

 

 

 

帰りの新幹線はとても遅い時間だったので、時間の許す限りコンテスタント達の演奏を聴きました。

 

世界は広い!

 

この中で2次予選に進めない人なんているの?と思ってしまうくらい。

 

魔術師のように超高速で指が動いたり、

 

まだ十代なのにしっかりと自分の世界観を持っていたり、

 

スケールの大きさにただただ感嘆したり。

 

全曲の演奏が終わるまで拍手できないのですが、

 

1曲終わるごとに拍手したくて困りました。

 

「ブラボー!」と叫びたくて困りました。

 

 

牛田くんのCDにも入っているリストの「ハンガリー狂詩曲 第12番」を演奏した方が2人いて、

 

同じ曲でも弾く人によってこんなに違うのか!とびっくりしました。

 

サラッと歌うような大人の演奏もいいし、

 

力強いリズミカルな演奏もいい。

 

でも私は、青々とした草の香りがしてくるような13歳の牛田くんの演奏が、

 

弾きながら口笛を吹くように唇を尖らせていた牛田くんが、

 

恋しくて懐かしくて なんだか涙が出そうでした。

 

 

 

 

この日演奏した方で、私が気に入ったのは49番のナイル・マヴリュドフさん。

(舌噛みそう。これ、声に出して読めます?)

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大海原を連想させる、スケールの大きな演奏でした。

 

 

あと、個人的に気になったのは、53番のアントニウ・ナギさん。

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17歳でこの髭って、なんかすごいな、とプログラムを見て思ってたら、

 

登場した本物はもっと髭ボーボーで、髪の毛と繋がってました。

 

17歳がこんなにボーボーだったら、19歳の牛田くんのお髭ってどうなっちゃうのかしら?

 

何日も練習に没頭して、ふと気が付いたら無人島で暮らす人みたいにお髭ボーボーになってるのかしら?

 

ヤダン、見てみたーい(〃▽〃)

 

…と、少々聴くのに疲れてきて、こんなことを考えてしまうゲス野郎なワタシ。

 

 

あとね、16歳でもすごく貫禄あるコンテスタントもいました。

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かと思えば14歳でエントリーしてる方もいらっしゃるんですね!

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グッズ販売所では、コンテスタント一人一人の演奏を収録したものが売られていました。

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すごいスピードで商品化されるんですね。ディズニーランドのアトラクション直後の写真みたい。

 

 

79番。当然売り切れてました。

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でも、ご安心を。会場に申込書があるので注文できますし、オンラインショップでも販売するそうですラブラブ

 

 

 

さてさて、一次の審査結果が出るのは13日の夜7時。

 

79番、当然勝ち上がってくるでしょう!

 

 

 

引き続き、ありったけのエールを牛田くんに送りますラブラブ