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2014年の春に、カワヒガイゼゼラを探して筑後平野を歩き回っていた時に、ソウギョが10尾ほども群れている水路を見つけていた。

 

10月中旬、久しぶりにこの水路を再訪した。車を停めた所から上流に向かってチェックしたが、季節の違いのせいか、ソウギョの魚影はなかった。

 

そうこうしているうちに、堰まで来てしまった。別の場所へ行こうかと思いながら、ふと堰の上流側を見ると、大きな魚の4、5尾の群れがゆっくりと対岸側から中央の方へ動いていた。偏光グラス越しによく見ると、背びれが確かに短く、ソウギョだった!堰が上限かと思っていたので嬉しい誤算だった。

 

堰の少し上流に腰をすえ、カナダでチャムサーモン(シロザケ)を60本以上仕留めたウキフライタックルのフライを食パンに替えたものとほぼ言っていいものを、堰の少し上流の中央あたりにキャストした。第一投はアタリなし。

 

第二投目は、目の前から流してみた。すると少し下流側で魚影が突然現れ、ドレナンフロートが消し込んだ。

 

だがこれは60センチ台のだった。ごついタックルなので難なくネットインしたが、それでも場荒れが心配だった。

 

超芳醇ロールをチヌ10号に新たに付け、少しウキ下を伸ばしてキャスト。堰と自分の中間あたりの対岸寄りに届いた。

 

少しすると、ウキの少し上流の対岸のすぐ前に数尾の群れが見えた。上流から回遊してきたらしい。場荒れの心配は杞憂に終わったようだ。

 

そのまま岸沿いに進むのかと思ったが、1尾がウキの方に方向を変えたので、クラッチを戻して身構えた。緊張がみなぎる。

 

と、その時、まだその1尾がウキの下までたどり着いていないのにウキが左に消し込んだ。意外な展開に虚をつかれたので、ワンテンポ遅れてアワセた。

 

ずっしりとした手応え。亀じゃないと確信した。ソウギョだ!

 

下流へ上流へとぐいぐいドラグを引っ張る。サーモンロッドが弧を描いていた。

 

やがて浮いてきた。水中ではそれほどではないと思ったが、浮くとその大きさに驚いた。アリゲーターガーの時を思い出した。

 

寄ってきたのでネットを深く差すと、驚いて向きを変えて一気に下る。まだまだ疲れていないことがわかったので、持久戦を覚悟した。

 

何度も何度も上へ下へと逃げる。上流へ向かう時は流れもあって水がそれだけエラを通るので、回復を助けているような気がしたので、なるべく浮かせて空気を吸わせるようにした。

 

やがて、上流側で浮かせた時、下顎を上に向けたので、疲れてきたなと思った。それでもその後もぐるぐると大きなループを描いていた。すごいスタミナだ。

 

結局15分はファイトしていたと思う。最後は浮いた後でロッドの動きに従うようになったので、ネットを構え、誘導するとすんなり入った。すぐにロッドを握ったまま右手も添えて両手で支えたが、それ以上暴れることはなかった。

 

ネットの枠の上端を左手で持ち、引き上げた。重い!なんとか岸に上げ、コンクリ斜面を登るが、重くて少し引きずらざるをえなかった。道の反対側の枯れ草の平地にネットごと置き、ゲーム終了。大きな安堵に包まれた。

 

初めて釣ったソウギョ、1メートル

 

タックル
ロッド:シマノコンバージェンスCVC-L106M2B、 3.18 メートル、スローアクション
リール:シマノシティカ 201G6
ライン:ラパラ Sufix 832 40 lb PEライン
フロート:ドレナンフロート
シンカー:2グラムのガン玉3個をビニールテープを巻いたラインに噛ませた
ターミナルタックル:大型スイベル、22ポンドPEライン(Gソウル X8 アップグレード)約45センチ、モリゲン超人環付チヌ10号
ベイト:ヤマザキ超芳醇の耳を除いて縦に1/4に裂いたものを薄く延ばしてロールにしたもの(水中では膨潤してハリを見えなくしていたと思われる)

ランディングネット:プロックスのギガランディングネット(88x87センチ)

 

初ソウギョ別影

 

タックルと共に

 

別の角度から

 

初ソウギョの口。アシの葉を噛み切る口はどんなものだろうと思ったが、鋭利な部分はなかった。奥の咽頭歯で噛み切るのかな。

 

初ソウギョの近影

 

初ソウギョの俯瞰。こんなに大きくてもミノーに分類されるソウギョだが、確かに上から見るとミノーらしい体型だ。

 

元々、サーモンシーズンに日本に帰国している間にサーモンの代わりに釣ろうと思っていたソウギョ。わざわざアメリカから取り寄せたロッドと大枚叩いて買った巨大なネットを、ようやく使う機会が訪れたというわけだった。

 

ソウギョのファイトは、意外にもチャムやキングサーモンに負けず劣らずだった。確かにサーモンほどの瞬発力はなかったが、20ポンドは超えるであろう巨体と、その大きな尾びれから繰り出されるパワーと持久力はサーモンに引けを取らないと感じた。

 

ただ難点は、その目立ちすぎるファイトと巨大なランディングネットだ。なので、どこか誰も来ない、ビーチングができるスポットが見つかるまでは二尾目のソウギョはおあずけだ。

 

記録によれば、1996年を最後にそれ以降はクリーク各地への放流は行われていないので、いずれは福岡・佐賀からは消える運命のソウギョ。間に合ってよかった。

 

 

 

筑後川の支流出口の浅場で見つけた、背びれと尾びれを出して佇むソウギョ。2019年4月。

 

ソウギョのハビタット、筑後川水系

 

筑後川支流で見かけた、産卵遡上中と思われるメートル級のソウギョ3尾。2021年4月下旬。

 

ちなみに、少なくとも小さな個体はミミズでも釣れるようだ。

https://www.youtube.com/watch?v=XULlG-mr_28

https://www.youtube.com/watch?v=mwLCObu7N8g

 
また、シチュエーションによってはクランクベイトにヒットすることもあるようだ。
 
小さな個体のみならず、中型の個体もミミズで釣れるようだ。