カムルチーも日本第1〜50種目の魚で専用のページはなかったので、新たに作ることにした。

 

ナマズと同様にカムルチーも中学の頃に狙い始めた。多摩川の河原にあったワンドで万能竿を使ってポカン釣りの要領でクチボソに背掛けし、抽水植物の藻穴に入れたのだが、よそ見をしている時に水面を漂わせていたエサが喰われ、すごい力で植物の間に潜ってしまってバレてしまった。一度も姿を見なかったのでカムルチーだったかどうかは今もってわからないが。

 

その後も別のワンドでチャレンジは続いた。今度はクチボソをぶっ込みして置きリール竿で狙った。アタリがあり、すごい引きなのでてっきり初カムルチーが来たと思ったのだが、なんとそれはコイで、コイも生きた魚を食うことをこの時初めて知ったのだった。

 

その後、網で20センチ台の小さな個体を採って飼ったりしていたが、初めて釣ったのは、狙い始めてから六年ほども経った1984年のことで、福岡市西部の溜池でだった。それほど東京で釣るのは難しいことだった。

 

初めて釣ったカムルチー、約60センチ。茶色のハリソンスーパーフロッグ使用。乾いた砂の上に置いてしまっているが、三十数年前のことなのでご勘弁を。

 

 

1984年頃に福岡県内で釣ったカムルチー、88センチほど。ハリソンスーパーフロッグ使用。

 

1980年代後半に福岡県内でバスを狙っていてスピナーにヒットした自己最高92センチのカムルチー

 

同じ池でやはりバスをモエビで狙っていて外道として釣れた小さなカムルチー

 

1984年頃に釣った別の個体、70センチほど。

 

自己最高の92センチを偶然釣って以降、かれこれ三十年ほど全く釣っていない。日本に帰ってきてから大小様々な個体を時折見かけるものの、あえて釣ろうという気にはならない。特に理由はなく、むしろカナダでのマウンテンホワイティや日本のたなごのような、釣り続けている魚の方がずっと少ないだけだ。

 

カマツカの群の近くを悠然と泳ぐ大きなカムルチー。2016年11月、福岡県内。

 

ところで先日タイリクバラタナゴやスジエビを釣っている時に、2.5センチほどの子カムルチーの群が岸のすぐ前を泡を立てながら通り過ぎることがあった。濁っていたので気づかなかったが、きっと下にはママライギョがいたのだろう。

 

後日同じポイントでやはり同じ時刻に回遊してきたので、5月に琵琶湖近くの上州屋で買って冷蔵庫でまだ生きていたアカムシを使ってみたが、食いつかなかった。蛹になりかけの硬い大きなアカムシで、しかも半分ほど体液がなくなっていたせいかもしれない。その他、マルキューのヤマベチューブハエも試してみたが、やはり食いつかなかった。新鮮なアカムシで試せる機会があったら、また確かめてみよう。

 

カナダにはいないが、アメリカにはカムルチー (ノーザンスネークヘッド)がいる。これは食用にアジア系スーパーで生きたまま輸入され売られていたものが野生化したもので、東海岸のポトマック川などにしっかり定着してしまっている。また近年はアーカンソー州でも見つかっていることから、ミシシッピー川づたいにアメリカ中部全体に広がるのは確実と見られている。割りを食うのはやはりボウフィン(アミア)かな。

 

ちなみに、カムルチーという名前は、朝鮮語での本種の名前に由来しているそうだ。

 

2018年10月に筑後川支流で見かけた40センチ台のカムルチー(同一個体)

 

遠賀川水系で見かけた、50センチほどのカムルチー。2018年11月。

 

冬眠中のカムルチー。2018年12月、筑後川水系。

 

60センチほどのカムルチー。筑後川水系。2019年5月。