ラージマウスバスも日本では釣ったことのある魚だった。中学生の頃に最初はルアーで追いかけていたが、やがてあまりの釣れなさに、モエビを使ったエサ釣りに流派替えをした。その後はかなりの期間バスから離れていたが、カナダへ渡る少し前になってまたエサで釣ることが多くなった。

そんなわけで、ラージー (ラージマウスバスの愛称) には特段目新しさもなく、またスモーリー (スモールマウスバスの愛称) の方に圧倒的に魅力を感じていたので、ラージーをカナダで初めて釣ったのがいつだったか憶えていない。とりあえず最も古い記録を最初の一尾にしておく。

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カナダ公式初ラージー。2004 年。オンタリオ州グランドリバー流域にて。


バスはオンタリオ州では大変手厚く保護されていて、私の住んでいた南西部では6月の第四土曜日にならないと解禁しない。そして 12 月には禁漁となる。1年の半分近くは禁漁なのだ。産卵期に産卵床を守っているオスのラージーの釣れやすさを考えれば、しかもネイティブな魚なので当然と言えば当然かもしれない。だがアメリカと比べても解禁がかなり遅いし、6月に産卵床の近くにいるラージーを見たことがない。

ラージーに特段の思い入れはない私だったが、カナダでルアーフィッシングに再び目覚めてからは、その釣りスタイルというか、時間の過ごし方は大変気に入った。クラッピーフィッシングによく通ったグランドリバー近くの湖では、ラージーフィッシングも楽しんだ。昼間はラージーで夕マズメはクラッピーといった感じだった。インフレータブルボートを使い、誰も来ない対岸のスポットに行き、ランチを食べながら一日数尾出れば大満足といった釣りで、サイズは関係なかった。

ボウフィン狙いで通ったウインザーのデトロイトリバー支流のクリークも、ラージーのいいスポットだった。このクリークの横には住宅が並んでおり、ある日ボウフィンを狙っていると、対岸の家から男性が出て来て、おもむろに家の前に係留してあったボートに乗り込むと、ちょっとクリークを下り、バスフィッシングを始めた。これを見て私は、なんて贅沢なライフスタイルだろうと感動したのを憶えている。

またデトロイトリバーの本流では、一度キャンピングカーのオーナーから勧められて、バスのフライをごちそうになったことがあるが、とてもおいしかった。そのバスはオーナーが直前に岸壁のすぐ前で、チューブルアーを底でホッピングさせて次々と釣り上げたうちの一尾だった。これもまた贅沢なライフスタイルである。

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グランドリバーで 2004 年夏に釣ったラージー。グラスミノー使用。


スズキ目サンフィッシュ科ミクロプテルス属。最大全長 97 センチ。最大重量は 10.12 キロで、2009 年7月に琵琶湖で釣られたもの。ちなみにこのバスの全長は 73.5 センチだったという。97 センチのバスは痩せていたんだナ。

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2012 年7月にオンタリオ州グランドリバー河口近くでアジ用サビキで釣れた小さなラージマウスバス


2012 年7月にオンタリオ州のコテージカントリーでマスキーを狙っていた時にスピナベにヒットした良型のラージマウスバス


2013 年4月にテネシー州のテネシーリバーでスキップジャックへリングの外道として釣れたラージマウスバス



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2013 年4月にテネシー州のミシシッピー川水系でラパラのシャッドラップやX-ラップ、ハスキージャークで釣ったラージマウスバス


2013 年 10 月にノースキャロライナ州の渓谷でグラスミノーで釣ったラージマウスバス

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2013 年 10 月にサウスキャロライナ州のサバンナリバーで釣ったラージマウスバス

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2013 年 10 月にテキサス州のバーカー遊水池で釣ったラージマウスバス。白濁した水に棲んでいるため保護色で白化している。


ラージマウスバスの第一背びれ。後端はしっかりと低く落ちている。


2013年10月にテキサス州でスポッティドガー狙いの外道として釣れたラージマウスバス


2012年7月にオンタリオ州のシャロンクリークレザバーでブラックブルヘッド狙いの外道として釣れたラージマウスバス


2015年5月にミシガン州のデトロイトリバー支流でクイルバック狙いの外道として釣れたラージマウスバス


2015年5月にアイオワ州のセイラーヴィルレイクでターキーニンフを使ったギザードシャッド狙いの外道として釣れたラージマウスバス


2015年9月にジョージア州のフリントリバーでショールバスの外道として釣れたラージマウスバス



ラージマウスバスのハビタット


ラージマウスバスはアメリカンドッグの輪切りでも釣れるようだ。

2005年6月1日付けで、日本の環境省は本種を特定外来生物に指定したため、日本国内への輸入が原則禁止となり、また、日本国内で捕獲した場合の生きたままの移動も禁止となっている。