自分の会社が乗っ取られて、地位も職も収入も何もかもなくなってしまったことがありました。
当然に支払いは滞ります。
当時、カードなどで決済していた支払は毎月100万円近くありました。
他にも、固定経費などもろもろの支払いがありました。
支払能力は収入があったから出来たのは当然の話です。
しかし、会社を立ち上げて15年間積み上げてきた実績と、信頼・・・・全て失いました。
そんな経験をしたあの時は、自分で気が付かなかったのですが、完全に「うつ」だったと思います。
ある課題で「うつ」のレポートを書くことになり、自分の状態を当てはめると、まったく「うつ」だったのです。
https://www.cbtjp.net/qidsj/ 《「うつ」かどうかの簡単なテスト》
精神状態は自分では分からないことが多いものです。
デソシエイトして客観視出来るなら「うつ」状態もさほど重症にならないのではないかと言えるのですが、NLPを学ぶまでデソシエイトして自分を観るなんて出来ませんでした。
「デソシエイト」とはNLPの用語です。
※アソシエイトとデソシエイト(NLP用語集)
とは言っても重症の「うつ」の時は例えデソシエイトしたとしても、全くだめなんですよね。
私の症状は
睡眠障害になったり・・・・
食欲不振になったり・・・・
落ち着きがなく、目に生気がなく・・・・
やるきが出ないのです=無気力
3か月1歩も外に出られなかったのです。
電話にも出ないし、、、出られないのです。
朝、目が覚めて・・・・いつの間にか、夕方になり日が沈み夜になり
TVはただ点けているだけで観てる感覚はなく、ただぼーっと眺めているだけ。
当然、支払いの催促は来ます。でも支払えない。
迷惑も沢山かけました。
「死」についても考えました。
死の方法も考えました。
開き直って、何もない時間を楽しめるなんて心境ではありません。
そんな風にも思いましたが、「笑えない」のです。
お笑い番組もやっていましたが、「笑えない」のです。
肩から力が抜けて「脱力」状態でした。
風呂に入ったりシャワーを浴びても「爽快感」は感じないのです。
「病む」ってこういうことなんだろうと分かっていてもダメなんですね。
自分の中に「答え」はあるのです。
どうしたいのか・・・・・どうしたらいいのか・・・
でも一歩が踏み出せないのです。
電話が掛けられないのです。
心が折れる究極の状態だったんですね。
今、こうして文字にしていてもあの時の心理状態は思い出せます。
「やる気スイッチ」どこにもありません。
「いつやるの?」「今でしょう」・・・わかってます「はい」
でも、その状態の時は出来ないのです。
これまでの人生でたくさんスランプや壁にぶち当たってきました。
体育会や自衛隊の過酷な訓練や営内服務で厳しい指導状況も経験しました。
おそらく、一般の方よりも精神的にはタフだと自他共に認めていたと思います。
でも、あまりにも深い傷だったのです。
癒されるものは何もなかった
不思議と、欲がないんですよね。
食欲・睡眠浴=部屋にいるからいつでも寝れたからかも知れませんが
性欲も・・・・・
身近な人にこの状態を分かって欲しいという欲すら湧かないのです。
では、どうやって人生のどん底から脱出できたのか?
答えは「時間」なんです。
ジャイアントインパクト=月の成り立ちのひとつの説ですが、
『とてつもなく大きな想像を絶する衝撃』の意です。
このジャイアントインパクトから抜け出すには「時間」が必要なのです。
ですから、急がせたり、無理やりとか力づくでとかは逆効果なのですね。
2世帯住宅の2階に一人で住む私は、誰にも干渉されないで時間を過ごすことが出来ました。
自分と向き合い、振り返っる時間を持てました。
裏切った人を恨んだり、憎んだりしました。
悔しくて泣いて泣いて、その人への怒りの塊でした。
しかし、自分で出来ることは「やろう」という気持ちになれたのです。
死は最大の逃避です。
武道を歩んできた私は武士道を学んできました。
武士の生死感も理解しているつもりです。
「武士道とは死ぬこととみつけたり」葉隠の言葉です。
これは命を粗末にしろ言う事ではありません。
死なねばならないことが起きたとしたら誇りを捨てて死を選ぶ。
不正義の中に生きることを武士は選ばない。
いつでも死ねる「勇気」を持つことが武士の『正義』の中で生きる事なのです。
この通りに生きること・・・この心理状態に戻れたこと。
これが、きっかけとなって一歩を踏み出せることにつながりました。
武道では、足の裏の皮が血豆で破けても稽古を続け、
踏み込んで踵が割れても稽古をし、
38度の熱が出ても稽古でした。
そんな厳しい世界を体験し、武士道の本質を学んだ経験が
どん底の状態に役にたちました。
しかし、そこには「時間」が大切な要素だったのです。
体の傷も心の傷も「時間」が経過すると「癒される」のです。
恨み、つらみも長続きはしませんでした。
悲しみや苦しみは持続するのです。
しかし、それも「心の持ちよう」なのですね。
「考え方」ひとつで良くも悪くもなるのです。
天気は「晴れ」だけがいいとは限りません。
「雨」の恩恵はちゃんとあるのです。
間接的にめぐりめぐって自分にとって「必要」なこととして還って来るのです。
でも、自分には「晴れ」だけがいいと思っていると
「雨」の状態を受け入れられないのですね。
人は簡単に死ねます。
だからこそ、生きていることに意味があるのです。
自分の人生の最後をどんな形で迎えるのか、
それを自分で確認したいと思います。
それまでは、与えられた命の意味を考えないと。
時間とは全てを癒す薬なり、辛かったこと、やがて思い出となる!