久々に日本民藝館へ。

 

柳宗悦が甲州へ朝鮮の磁器を見に行った際のこと。

 

焼き物ではなく、二体の木彫にくぎ付けになってしまう。
それが木喰上人との出会い。

(もくじきしょうにん・野菜や米を食べず、木の実や果物だけを食する行を行う僧のこと。それだけで生きていけるなんて驚きだ。)

 


木食上人を「発見」した柳は、地蔵菩薩を手に入れ

 

「私はそれに見入り見入り見入りました。」

 

ひどい風邪を引いていたにもかかわらず、地蔵菩薩の笑みを眺めているとその辛さもふっとんだという。
その出会いといれこみよう、研究の旅とドラマは柳のエッセイ「蒐集物語」に収録されている。

推しの、推しに会えるんだ?!しまった行かねば!!というわけで、行ってきた。

しかして木食仏はもう、なんというか・・・太陽がそのまま仏になったような、光と熱。


きっと柳先生これをこのまま抱きしめだろうと、断言できる。愛しい器は胸に抱いた人だから。

こんな抱き枕みたいな形状の木彫、重そうだけど絶対抱きしめてるはずだ。



珍しく木喰上人の作品のみOK。感無量。方向を変えて何枚も何枚も撮影してみたけれど、ガラスに光が反射しちゃって難しかった。

 

木喰上人の自分像だという。見るからに好々爺。

 

酒瓶らしきものをぶらさげて。

 

木喰上人が作仏を始めたのは、なんと80歳。全国を行脚して、仏を作っては置いていったそうだ。

しばし逗留し、酒を飲み飲み仏を彫って、ぽん、と置いていったのだろうか。

 

観音様

 

あたたかみがある・・。

 

炎の中の不動明王。熱い。炎と怒りと強い熱を感じる。今にも動き出しそうだ。

 



他にも「白樺」の表紙を飾った彫刻や各国のお面が。

 

どんな場所でどんな風に出会って連れて来たんだろうなぁ、柳先生。そんなことを考えながら見て回る。

 

 

円空の仏も初めて見た。小さいながらも忘れられない造形。

限りなく線を省略して荒々しく掘った仏様は前衛的でモダン!

 

「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」(2023.10.6–12.3@東京国立近代美術館)の前に、棟方志功の作品も何点か展示中。どれも素晴らしいので、予習に!



2023年9月6日まで!



図書館で借りて読んだ柳先生の本や柳先生が打ち込んだ木喰上人についての研究。民藝の雑誌など。
しっかり読んで学びを深めていきたい。

 

玄関前の鉢には睡蓮が。

夏草に囲まれた庭の石仏。

 

 

 

 

閉館間際に日本民藝館を出て駅まで歩いて帰る。

 

 

夕暮れ時、暮れていく空に浮かぶ白い三日月がとてもきれいだった。

 

 

 

 

 

(柳宗悦との出会いはこの番組で↓恥ずかしながらそれまでよく知らなかった。)