植竹です!
今回はインドのエローラーの石窟寺院群を紹介します!
公式テキストキャッチフレーズ
3つの宗教が共存する聖地
エローラーの石窟寺院群
インド
登録年…1983年
拡張年…ー
危機遺産登録…ー
英名…Ellora Caves
仏名…Grottes d'Ellora
位置…インド中西部マハーラーシュトラ州アウランガーバード
経緯…N20 1 35.004 E75 10 45.012
面積…??
登録区分…文化遺産
登録基準…(1)(3)(4)
登録ID…243
公式テキスト分類…アジアの宗教遺産
公式テキスト掲載ページ…第①巻111p
公式サイト…
ユネスコ本部(英語)概要エローラーの石窟寺院は山地に南北2kmに渡って仏教・ヒンドゥー教・ジャイナ教の石窟寺院が立ち並ぶ石窟寺院群です。
構成第1~12窟
南端にあたり、7、8世紀頃につくられた仏教寺院。
狭い導入部と広い洞窟内という構造です。
第10窟のヴィシュヴァカルマ窟は唯一のチャイティヤ(祠堂)窟となっていて、仏倚座像を配した巨大な仏龕があります。
それ以外は全てヴィハーラ(僧房)窟です。
第13~29窟
9世紀頃につくられたヒンドゥー教寺院。
初期の物は仏教窟と同様の閉塞的な空間ですが、中期以降は窓などがつけられたものもつくられました。後期になると、掘り下げられて、完全に寺院が外に出ているものや中庭を有するものも出てきました。
第16窟のカイラーサ寺院は須弥山をイメージしてつくられたと言われ、石窟寺院群の中でも最大(幅46m、奥行き80m、高さ34m)でその大きさはパルテノン神殿以上。一つの岩を彫ってつくられた「石彫寺院」です。玄武岩の巨大な冠石、鑿と槌で彫られた『マハーバーラタ』や『ラーマヤーナ』に登場する神々や悪魔などが特徴です。
第30~34窟
最も北に位置し、8~10世紀頃につくられたジャイナ教の寺院。
カイラーサ寺院にインスパイアされて、ジャイナ教徒がつくり始めた石窟寺院ですが、多くの寺院が未完成のままです。中でも完成度が高いものは第32、33窟と言われ、重層構造になっています。
歴史7世紀頃に
仏教窟がまず彫られたと言われています。
9世紀頃までには
ヒンドゥー教窟が彫られました。
9世紀には
ジャイナ教徒がこの地にやってきて石窟寺院をつくり始めました。
アジャンタと大きく異なって、
この地はそれからも常に巡礼者を
集め続ける聖地であり続けました。
1983年には
文化遺産として世界遺産に登録されました。
特徴3宗教が共存していて、各時代ごとに北上して建てられていった石窟寺院ですが、それぞれ、宗教や年代ごとに若干の様式の違いが生まれています。
これらの石窟寺院は全ての世界遺産の中でも特に人を魅了し、インドの石窟寺院=エローラーと言われるくらいの地位を得ています。
逸話・伝説・カイラーサ寺院のモデルはカイラス山(須弥山)ですが、実はアンコール・ワットも、ボロブドゥールもこの須弥山をモデルにしていて、広島の厳島神社にある山も須弥山と名付けられています。
・岩をまるごと彫刻して寺院に仕立て上げる方法はマハーバリプラム(1984年、インド)のラタからヒントを得たと言われています。
登録基準詳細(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
抱える問題危機遺産として登録解除関連用語ヒンドゥー教 インドやネパールで多数派を占める民族宗教である。ヒンドゥー教徒の数はインド国内で8.3億人、その他の国の信者を合わせると約9億人とされ、キリスト教、イスラム教に続いて、人口の上で世界で第3番目の宗教である。
仏教 インドの釈迦(ゴータマ・シッダッタ、あるいはガウタマ・シッダールタ)を開祖とする宗教である。キリスト教・イスラム教と並んで世界三大宗教の一つで、一般に仏陀(目覚めた人)の説いた教え、また自ら仏陀に成るための教えであるとされる。
ジャイナ教 仏教の開祖釈迦とほぼ同時代のマハーヴィーラ(ヴァルダマーナ、前6世紀-前5世紀)を祖師と仰ぎ、特にアヒンサー(不害)の誓戒を厳守するなどその徹底した苦行・禁欲主義をもって知られるインドの宗教。「ジナ教」とも呼ばれる。仏教と異なりインド以外の地にはほとんど伝わらなかったが、その国内に深く根を下ろして、およそ2500年の長い期間にわたりインド文化の諸方面に影響を与え続け、今日もなおわずかだが無視できない信徒数を保って いる。
仏倚座像 椅子または台座に座った仏が両足を垂れ下げた像。
仏龕 仏像や位牌を安置する場所。厨子。
関連遺産アジャンターの石窟寺院群(1983年、インド)
マハーバリプラムの建築と彫刻群(1984年、インド)
ボロブドゥールの仏教寺院群(1991年、インドネシア)
アンコールの遺跡群(1992年、カンボジア)
☆☆植から目線コメント☆☆
その宗教や年代ごとに様式や外観も異なってきている事から
それぞれのスタイルだけでなく、
建築様式の変遷も
見てわかるような遺産です。
植竹でした。