ここんとこ空気圧ネタがうえしまの周りには多いんだ。
どんな話かと言うと、大体がJATMAからETRTOにした際の空気圧設定の話。
なんのこっちゃ?と思う人多いよナ。
「JATMA」
「ETRTO STD」
「ETRTO XL」
これ、何かというと、タイヤ本体の強度の規格の話。
乗用車用タイヤは、あまり知られてないみたいだけど、【タイヤの規格がおおまかに3種類存在する】んだ。
そもそものハナシをすると、【タイヤ本体の強度+空気圧(空気バネ)】で、タイヤはクルマを支えているんだ。
考えてみりゃ当たり前。支えないなら空気など要らない。
でも、タイヤペチャンコで走るのは無理。すぐバーストするよな。
「指定空気圧」と言うんだけどコレ、そのクルマを運用するのに最低限の空気圧を指定しているんだ。
最低限。ここ大事なトコな。
つまり、「指定空気圧より高圧にすれば、タイヤ本体の負荷能力は高まる」んだ。
性能が上がる訳じゃ無いけどね。大荷重が掛かっても潰れにくくなる。
で、「最低限を下回る」と、
・異常な摩耗
・バースト
などを引き起こし易くなるワケ。
タイヤは要するに「風船」だ。
風船だから、時間が経てばしぼむ。
しぼむ。つまり空気圧が下がる。
「純正指定圧」つまりそのクルマを支える最低限の空気圧から低下すれば、タイヤの負荷能力つまりキャパシティが下がるので、
3ヶ月に1度程度は空気圧をチェックして、低下していたら空気圧補正をしなくてはならない。となる。
また、欧州の車輌などはその「指定圧」が、【乗車人数】【荷物の重量】で細かく設定されているものもある。
乗車などで車輌重量が増えれば、タイヤ空気圧を高めて空気バネを強くし支えようという、合理的な指示があるのだ。
「指定空気圧は最低限」「空気圧低下は危険」
これが解ったら次の段階だ。
タイヤの強度規格には、大きく2種類。
そこからおおまかに【計3種類】のタイヤ規格が存在する。
まずは日本製タイヤのみの規格【JATMA】(ジャトマ)。
それ以外の世界共通規格【ETRTO】(エトルト)。
まずはこれを知っておかなければならない。
世界共通の基準ETRTOに対し、日本国内のみのガラパコス進化を遂げたタイヤ規格がJATMA。
何が具体的に違うかと言うと、タイヤのサイズなどの記号が同じでも、JATMA規格のタイヤの方が【頑丈】なんだ。
頑丈だから、ETRTO規格のタイヤより、「同じ負荷能力を与えるなら空気圧を低く設定出来る」となるワケ。
純正指定タイヤサイズは185/60R14
そのタイヤの荷重指数は82
そのタイヤの速度記号はH(210km/h)
そこに対するメーカーでの指定空気圧は180kpa
勿論、これは純正指定タイヤがJATMA規格を採用しているので、【JATMA規格タイヤでの指定空気圧】だ。
JATMA規格での荷重指数82のタイヤを、180kpaの空気圧で運用するなら、
負荷能力は400kgとなる。
(タイヤ1本分で400kg 4本分で1,600kgの負荷能力となり、車重1,000kg程度のロードスター に対し、
色々の荷重集中に対しメーカーはマージンを残して設定している事が判る)
日本製タイヤ(JATMA規格)でタイヤの荷重指数82が同一ならば空気圧は同じだ。
国産タイヤから国産タイヤへの交換ならば、空気圧は変更無しで基本OK。
さて、こちらが問題。
その他アジアンなどの世界のタイヤはETRTO規格だ。
例に挙げたこのサイズは、表記数値は同じだ。
195/50R15 82V (ETRTOスタンダード)
ついつい「これなら別に空気圧同じで良いんちゃうの?」と思うが大間違い。
ETRTO STDでの荷重指数82 空気圧180kpaだと、
負荷能力は365kgに低下してしまうのだ。
これをマツダ指定の最低限の負荷能力400kgまでに高めるには、空気圧を高圧に変更する必要がある。
ETRTO STD 荷重指数82で、負荷能力400kgを超える空気圧は210kpaから。
JATMAで180kpaだったのが、ETRTOスタンダードでは210kpaまで上げてようやく同等の負荷能力となる。
だから、JATMA規格タイヤからETRTO規格に替えたら空気圧を変えよう。
みすみす新しいタイヤの性能を低下させてしまわないようにだ。
さて、次はまた別の話。
XL規格タイヤは、日本製タイヤと言えどもETRTO XL規格となっている。
海外製は勿論ETRTO XL
これもまた、空気圧を悩ませる。
上に挙げたのはJATMAスタンダードと ETRTO XLの同サイズタイヤ。
よく表記を見比べると判るが、
JATMA だと荷重指数が84
ETRTO XLだと荷重指数が88
当然これはタイヤ強度が異なる訳で、
つまり、指定負荷能力は450kg
これをETRTO XL規格に換算すると、
空気圧は230kpaからとなる。
というわけで、空気圧は規格と荷重指数を調べて、ちゃんと換算して設定しよう。
という、大変めんどくさい話しとなるワケ。
それを丁寧に説明してあるサイトがこちら。
うえしまも大変重宝して使っているので、是非参考にしてほしい。
このルールされ判れば、インチアップしようがタイヤサイズ変えようが、とりあえず最低限の空気圧は導き出せる。
そして、そこからそれぞれのタイヤの持つ空気圧上限までは「セッティング範囲」となるんだ。
せっかく買ったタイヤ。正しく使って性能を引き出そうぜ。
長くなったがおしまい。