恐竜化石考察

恐竜化石考察

恐竜の化石を考察していきたいと思います。

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テガナ累層には現在、3種の竜脚類が存在すると考えられています。

ディプロドクス類レバッキサウルス類あるいはレバッキサウルス・ガラスべ、

そしてこの2種よりも大きなティタノサウルス類です。

 

竜脚類も獣脚類と同じように研究が進んでおらず、販売時に不適切に選別されているようです。

特に大きければティタノサウルス類、小さい歯であればレバッキサウルスというような形で。

 

 

 

今のところ研究により、多少の歯化石の違いが多少判明しているようです。

 

下の写真はチタノサウルス類への親和性を示している歯化石です。

特徴として、エナメルの皺が細かく入ることが多く、断面は​​レモン形から円筒形になります。

 

 

 

次の写真はレバッキサウルス類親和性を示している歯化石です。

特徴として、エナメルがしわが少ない傾向にあり、断面は円筒形です

 

 

 

 

 

上の5段がティタノサウルス類、下1段がレバッキサウルス類。

 

 

 

いずれにせよ非常に難しい判別になるとは思います。

テガナ累層の竜脚類の歯化石を持っている方は、見比べてみるときっと面白いでしょう。

そういえば少し前にスピノサウルスの尾椎が見つかり、水棲生物という流れになりましたね。

昔の化石スケッチなどから水棲となってたんですが、戦争で化石が焼失し

水棲生物ということに反論した学者がいたため長い間、水陸両棲生物となっていました。

個人的にはジュラシックパーク3のT.rexの首の骨を折るのはさすがにやりすぎでしたが…

 

 

本題に戻ります。

 

安価で売られているスピノサウルスの歯化石ですが、大規模な補修痕やキメラ(2つの歯をかけ合わせたもの)も多く出回っています。

これに関しては日本ではあまりみられませんが、10cm以上の歯となると値も張りますし、疑ったほうが良さそうです。

 

モロッコには少なくとも2種類のスピノサウルスが存在しています。

 

スピノサウルス・アエギュプティアクスシギルマッササウルスです。

現在の研究内容では、この2種を判別することはできません。

ただ、シギルマッササウルスは一部の化石しか見つかっていないのでまだ未知の部分も多すぎます。

シギルマッササウルスを正確に種として認めるかどうか、それはこれからの発掘にかかっています。

 

 

 

そしてアフリカンT-rexと言われているカルカロドントサウルスです。

なぜアロサウルス科なのに、T.rexと呼ばれているのか不思議ですが…

おそらくアフリカの王者という意味合いだと思います。

 

この恐竜も少なくとも2種類存在しています。

カルカロドントサウルス・サハリクスサウロニオプスです。

この恐竜もスピノサウルスと同様、歯化石だけでは見分けがつきません。

 

 

 

また、頭骨も見つかっていないデルタドロメウスもいますが

これも今後の発見に期待したいです。

現状では未知の獣脚類として、個人的には売り出すべきだと思います。

 

よってテガナ累層には、現在確実に属を割り当てることができる獣脚類の歯はありません。

ただ価格が安いのでとても楽しめる化石だと思います。

 

 

 

 

お手頃の値段で売られていて大変買いやすいモロッコ産の化石ですが

モロッコの獣脚類はよく理解されておらず、研究発表もほとんどされていません。

全身骨格はほとんど発見されておらず、ほとんどの化石は頭蓋骨がありません。

 

ケムケムベッドは、少し前からテガナ累層とも呼ばれています。

テガナ累層は3つの層で構成されています(Akrabou、AoufousおよびIfezouane層)

 

 

現在確認できている獣脚類は5種。

スピノサウルス・アエギュプティアクス

カルカロドントサウルス・サハリクス
デルタドロメウス・アギリス

シギルマッササウルス(スピノサウルス科)

サウロニオプス(カルカロドンサウルス科)

のみとなります。

 

有名な話ですが、デルタドロメウスの関しては頭骨すら見つかっていません。

 

 

市販されているドロマエオサウルスや、アベリサウルスなどは実はまだ研究が進んでいないのが現状なのです。

これらの歯は、すべてをまとめてラプター(ドロマエオサウルス・SP)として販売されていますので気を付けてください。

歯の性質から、ドロマエオサウルスではないか、アベリサウルスだろうという予測をもとに

販売されていますが、現段階で発表された確実なものではありません。

 

たまにルゴプス・プリムスとしてテガナ累層から出た歯として売られていますが

ルゴプスは現在のところ、エジプトでしか化石が見つかっておらず、モロッコからは発掘されていないはずです。

 

②に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在販売されているアメリカのティラノサウルス科の中で

比較的購入しやすい恐竜は

ダスプレトサウルス・ゴルゴサウルス・アルバートサウルスになります。

 

日本のショップでもよく販売される歯化石ですが、

実は適当に3種の名前が振り分けられている可能性が高いです。

 

実のところ、この3種は専門家でも見分けることができないというのが事実なのです。

という事はアルバートサウルスの歯を買った人は、実はダスプレトサウルスの歯かもしれないのです。

アメリカでは単にティラノサウルスの歯として売られていることが多いです。

そこを注意して購入してください。

 

もちろん、頭骨と一緒に見つかった歯などはどの種か正確に同定できますが

歯単体で見つかった歯は判別不能とされています。

 

一応、ゴルゴサウルスより太いのがダスプレトサウルスの可能性が高いとされています。

 

おそらくゴルゴサウルス

 

 

おそらくダスプレトサウルス

まとめになりますが、これまでの記事は私の個人的な意見ではなく

アメリカのコレクターやショップで使われている見分け方になります。

今のところアメリカではナノティラヌス≠T.rexという考えの方が多いようです。

 

※このブログを立ち上げた理由は、騙されて購入する人を減らしたいためです。しっかりと見極めたうえで購入してほしいです。

 

 

①ショップや出品者を信用しない

歯化石の断面の写真を見せていない業者は知識がないか、騙そうとしていると思ったほうがいいです。

追加写真を必ず要求し、自分で判断すること。

歯断面やセレーション密度は恐竜同定に非常に有効です。

 

またタイトルや説明にナノティラヌスの可能性をうたっている場合はいいと思いますが

ナノティラヌスの可能性はほとんどない、またはなくなったと書いてある店は

たとえ日本のショップでも疑ったほうが無難です。

気になるならしっかりと写真や数値を要望し、判断してください。

 

 

②産地はとても重要

正直これがないとまったくどの恐竜の歯化石かわかりません。

この表記がなければ買うのは控えましょう。

 

 

③ロングカーブ長を使用している

これは実にわかりにくいが、しっかりと表記されたロングカーブ長で印刷できれば

直線表記よりもサイズがわかりますが、やはり購入側としては両方表記してほしいです。

直線もどこからどこまでか、わかりにくい場合もあります。

わかりやすいのは、定規と一緒にうつった写真を撮っている業者です。

 

 

④化石を手にのせて写真をとっている業者に気を付ける

人によっては手が小さかったり大きかったりするのでとてもわかりにくいです。

海外だと、子供の手や女性に手に乗せ化石を大きく見せる手法もあるので気を付けることですね。

この場合も、定規と歯化石が一緒に写っている写真があれば問題ありません。

 

 

⑤知識を身につける

知識があれば騙されにくくなります。

形や色、各種計測やセレーション密度などでわかることも多いです。

特にT.rexは安い買い物ではないのでしっかりと聞きましょう。

 

 

⑥欠片に気を付けよう

ナノティラヌス≠T.rexという考えに基づいた場合

T.rexの歯化石欠片や、骨化石のかけらは基本怪しいと考えてください。

なぜなら見分ける方法がほとんどないので。

 

本当にT.rexの化石が欲しい場合は信頼できるショップから、自分の目で確認したうえで購入していただきたいです。