自由がどこにあるのか

その在り処を探して

いろんな街を巡ってきた

いろんな人に出逢ってきたけど


自由は最初からあった

心の隅に隠してあった

当たり前のことに気づいてから

私はどこに行く必要もなくなった


午後のおやつを食べて

満たされたお腹が空を見上げる

束の間の自由をほおばっている

永遠に思えてくるほどに

楽しい嘘や不思議な嘘を

現実にまぶして

親は子とつながろうとする


幽霊が脅かし

妖精が歌い

怪物が吠える


今夜も枕元で

絵本は読み聞かせられる

ほのかな明かりの下


大人が語る

物語の中で

子どもは眠る


目が覚めて

大人になって

そこに見えるのが

夢でも現実でも

枕元にあった

ぬくもりは消えないでいる

時間が過ぎてしまっても

僕は確かにそこにいた


記憶が消えてしまっても

僕は確かにそこにいた


命が途絶えてしまっても

僕は確かにそこにいた


一つの恋が終わっても

僕は確かにそこにいた

君とそこにいた

流れる音符が

記憶に触れる

心が跳ねる


塞いだ表情を

失くした言葉を

引き出せる旋律


これから弾く

下手くそな曲に

歌をちょうだい


あなたの言葉が

私の耳へ

耳から心へ


あなたは語る

私は返す

音楽の中で

笑っちゃいけない

不謹慎な空気にこそ

笑いのツボが隠れてる


情けない状況を

人は笑い話に変えられる

自分の不幸を味付けして

人をちょっぴり幸せにできる


冷めた目線

襲いかかる試練

軽く笑い飛ばしながら

なけなしの希望を生きる

僕を笑って

あじさいの青が雨を呼び

雨があじさいを可憐にした

花びらは湖のように集っていた

僕は黒い傘を差して

近くの駅へと向かった


地面に染みない雨水が

靴下へ染みこんでくる

にわか雨だと聞いていたのに

どうやら本気だった


駅の側の花壇にある

あじさいと目が合った

思わず見つめてみたけれど

雨は止みそうになかった

想いが足りないから嫌

想いが重すぎて嫌

嫌なものは嫌


どうにもならないことが

恋にはあって

閉じられた扉の前で

僕は腰砕けになって座り込むだけ


一緒にいたくない

一緒にいられない

感情よりも強い

絶対的な拒絶

はい そうですかと

帰るしかない

浸れるほどの

思い出なんて

特になかった


つぶやきと

叫びの間をさまよう

不安定な脈拍


腕立てして腹筋して

重たいしがらみを

振り払っているつもり


ベランダからは

まだ見えそうにない

朝の光

雨の中で

自転車は錆びていく

僕は

家の中にいて

少しずつ錆付いていってる


雲からこぼれる僅かな陽射しが

僕の沈黙に差し込んだ

雨が上がった後で

僕は前と同じように

歩き出せるだろうか

幾兆もの微生物を

人の体が生かす

都合のいい菌悪い菌

全てをひっくるめて


幾兆もの微生物が

人の体を生かす

病気を防いだり

細胞を活性化させたり


体に生きる微生物が

僕の中に森を作り出していく

食べたヨーグルトやイーストが

この体に住みつく朝