笑っているように見えても

待っている

眠っているように見えても

待っている


無関係に見える毎日も

願いを懐に抱いている


走っていても

眠っていても

人はその時を

待っている


願いは現実に

もみくちゃにされながら

生きている

待っていることも忘れて

待っている

憎らしさも

懐かしくなる

窮屈だった町の日々


年月でしか刻めない

言い尽くせぬもどかしさ

離れられずにいた温もり


吹き抜ける風が

残していった

優しさの手がかり


こころひとつを手に

巣立っていく

愛しい束縛から

破壊することで

自らの苦悩をも

壊した気になって


物語の主役にでも

なったつもりか

膨張する力の虜


解き放ちたい

解き放てない

小出しにはできない


正義という名に隠れた

怒りという名に隠れた

暴力への欲望

憎しみはそこに

止まってはおけない

向ける相手を

常に探して


疑いの中に

潜む深い孤独

触れてみなければ

気づけない感情がある


理屈では区切れない

善と悪

恐怖を抱きながらも

人々は出逢いという

サイを振り続ける

伸ばした手と

握り締める手

それはどちらかの優しさじゃなく

遠い昔から守られてきた約束


僕らは繋がっている

伝わりながら伝えている

小さな決意の集まりが

重たい世界を動かしている


悲しみも喜びも

信じることから始まっていく

どんな結末をもたらそうとも

この手を離すことはできない

失いながら

旅を続ける

与えられるはずだった

愛を求めて


逃げるように

旅を続ける

そうあってほしかった

世界を探して


たどり着けば

何もかも

満たされると信じていた


幸福や

結末が

そこにある気がしていた

人の言葉を
言葉で解読する
気分に流されやすい言葉で

その人の過去を
性格と呼んで
言葉の受け止め方を変える

相手の言葉を聞いてるようで
自分の心の声を聞いている

疑いに曇らせた表情に
返事を待つもう一つの表情がある
せわしない心に急かされて
さらけだす不完全な言葉を

はぐれた時間を生きてきた

どこにいるかも分からない

あなたを感じながら


はぐれた命を生きてきた

眼に映る景色全てを

友達にして


はぐれた世界で生きていく

寂しがりな心を補う

一つの体を携えて


はぐれた世界で見つけ出す

僕が見失いたくないものを

誰かが作った壁に僕らは隔てられる

壁の向こう側にいる者を

敵だと思い込まされる


誰かが建てた塔に僕らは住まわされる

下の階にいる者は

差別していいのだと信じ込まされる


植えつけられた憎しみは

暴走するきっかけを待っている

ほんのささいなことでも


壁は突然作られる

塔は突然建てられる

昨日までは友達だったのに

昨日までは家族だったのに

言葉が

人を

嘘つきにする


自分が

自分に

言い訳をする


突き詰めすぎた

現実は

もはや妄想で


今日も一人

間違って

捕まえてしまった


言葉で作られた

僕と名乗る

偽物