それを追っていたつもりが

言葉を追っていた

夢という美しい言葉を


あなたを求めていたつもりが

言葉を求めていた

愛という美しい言葉を


心と言葉がいつの間にか

すり替えられていたのに

気づかずにいたんだ


言葉の眩しさに苛まれて

逃げ出した足だけど

まだ何かを追っているような気がするんだ

割れた皿を片付ける

大変さを知ってるから

投げつけることなんてできない


壊した関係を修復する

いい術を知らないから

邪険にするなんてできない


どんな苦しい状況になっても

ヤケを起こすなんてできない

明日があるから

昨日の僕の忠告を

未来の僕はすぐに忘れちゃう


昨日の僕の説得を

未来の僕は平気で聞き流す


昨日の僕は未来の僕と

上手くコミュニケーションを取れない


未来の僕の文句が

昨日の僕にはまだ聞こえない

あれは手離してはいけない手だったと

どうして今になって思うんだ


あれはかけがえのない出逢いだったと

どうして今頃気づく


断ち切ってしまったものの重みを

自分の未熟さが教えてくれる


忘れるつもりもないのに酒を飲んで

案の定酔えないでいる

あの日から3年後の夜

カレンダー化されていない

未来に広がりを感じる

コンピューターも把握できていない

未来に可能性を感じる


予想外の出来事も

予定通りだと冗談ぽく言う

見えない明日のイメージは

暗闇でなく光にも見れる

この眼はまだ開いているから


予定とかなりズレた未来

そこにできた隙間に

まだ喜びが入り込める余地がある

揺らいでいるよ

そよ風にさえ


向かうあてのない

記憶の灯火


僕だけにいる

あなたがある


張り裂けそうな

命を抱えたまま


あなたをどこへ

語り継げばいい

うつろな瞳が

光らせる

青春の幻


真っ直ぐに

なりきれなかった

後悔が

眩しさになる


取り戻しようのない

過去に

夢を見てる

喋れば喋るだけ

口にしなかったものの

輪郭が濃くなる


書けば書いただけ

文字にしなかったことの

重みが増してくる


声にできなかった

文にできなかった

言葉が僕の真ん中で

大きな呼吸をしている

心を渦巻かせて


いくら言っても

言い足りない気持ちが

僕を育てていく

溢れんばかりの

物質の中で

地球は上手く

バランスを取っている


海は魚を養い

空は鳥を運び

大地は足を生やさせた


生命は

食べあうことで助け合い

絶滅しても

より巧みな命に生まれ変わって


誰かが釣り合わせているようで

みんなが自然と

釣り合わせてるようで

僕らは支えられてるのか

支えてるのか


何かのきっかけで

崩れるかもしれないこのバランスを

人が人として生きることで

僕が僕でいることで

守っていけるだろうか

ソファーに座り

スイッチを入れて

ヘッドフォンの中に

閉じこもる


美しいメロディーに

包まれていたい

他の何にも

気づきたくない


かけがえのない

この時間を

音楽一つで埋める


明日帰り着くまで

耳に響きわたるように

大音量で