何のために
意味を追い始めれば
旅じゃなくなる

見たことのない動物
圧倒的な空
通りすぎていくものが
今のすべて

失うことで得て
得ることで失って
そんな単純な原則の中で
生き返る

自然を前に無力さを知り
それゆえの自由を知る
後悔しながら死んでいったとしても
悔いはない

少し街に行けば

見えてくる

どんな街でも

同じような姿で

ビジネス以外の用事でしか

使ったこのないビジネスホテル


無料の歯ブラシと

有料のジュース

半端な階の窓からは

微妙な眺め

テレビをつけて

置いてある聖書を2、3ページめくって


好きにしていいはずなのに

どこか閉ざされた環境

それも自分には悪くない

近頃会っていない

人に電話する

「今どこにいると思う?」

僕はなるべく人に紛れ

人に言えない欲望を

隠しながら生きているつもり


会話の切れ端

ついしてしまう仕草の中

どこかで漏らしてしまっている気がして

不安


人々は欲望を空に願う

それぞれに違う言葉で

流れ星に3回

その後も数回


欲望で成長し

欲望で肥大化した世界

言葉が束ねられた時

欲望には順位しか残らない


何でもなく過ぎていく一日

行き所のない欲望を

心は再び二乗させ

やりきれない夜に沈む

一人の時間が長すぎたせいか

二人の時間の過ごし方が

最後までよく分からなかった


共通する言葉を見つけられずに

話も続かなかった

急に天気の話なんかしてさ


慣れた一人にただいまして

気づいたことが二つ

僕が恋に向かないことと

それでも君にいてほしかったということ


趣味の時間を取り戻して

僕はこれまでの僕に帰る

好きなものに囲まれた

何か物足りない暮らし

自分の生は

自分だけしか持つことができない

自分の死は

自分だけが持つことができない


死は開かれている

あのみずみずしい今朝の空のように

誰に何と形容されても

無言で受け入れる


私が泣き止むまで

私が思い出にするまで

無言で慰めてくれる

私がようやく語りかけると

無言で返してくれた

生き場所を探そうとして
帰る場所を無くしてしまうんだ

無邪気さの反動
無知さが生んだ希望に
やがて追い詰められ

生き場所を探そうとして
どうして前に進めなくなるんだ

偶然出会った二人
満たされなさに引き寄せられ

生き場所を探そうとしてるだけなのに
どうして涙はこぼれていくんだ

たとえそこが帰る場所であっても
死に場所を探すつもりはないんだ

情報になれないものが

心に積み重なっていく

説明しようとしてできずに

少し苛立ってる


つぎはぎだらけの

ごちゃ混ぜになった

実用的になれない

この想い


風に舞えない紙くず

走り出せない疾走

飾りにできない装飾

されるには早すぎる洗練

オチもない話を一晩中したね

思い出せることは少ないのに

何であんなに楽しかったんだろう


写真もホントいっぱい取ったね

見返すことは少ないけど

撮ったときの瞬間は忘れない


ジュースと高いテンションを持ち寄り

汗を流し駆け回った

無理やりな輝きを

青春だからと言い訳してみたかった


思い出づくりに

懸命だった日々が

こんなにも今になってるって

考えもしなかった

人は決まり文句を

言わずにおれない

まるでそういう欲求が

脳に潜んでいるみたいに


会話がある方向に展開した時に

思わず言いたくなる

テレビでよく聞くフレーズ


小説家や詩人は探す

決まり文句からはみ出して

言葉のまだ知られていない機能を

心に従いながら

言葉に逆らおうとしている


その悶えの果てに生まれたとは思えない

自然な言葉のひらめき

それも脳の気まぐれな働き

何かを疑うことは
別の何かを信じているということ

生きる意味を疑い
死後の世界を疑い
政治と歴史
自分と他人
まんべんなく疑い
疑うことに支えられてる

疑いは消せない
私の中から
悪徳商法のように
巧みに私を誘導して
ほらまた疑いの素を
高値でつかまされた