試作零(ゼロ)号車?(にこいち)
今日、軍事研究2012年2月号を購入した。
お目当ては「自衛隊有事作戦と新兵器」という中ほどにある連載記事中の10式戦車の全体試作車4両の集合写真である。
昨年の防衛技術シンポジウムで配布された栞の写真のようであり、ネット上でも散見されたものである。
砲塔モジュール(物入れ)がキャンバス仕様のものですね。
更に10式戦車の量産車の写真として掲載されていた写真にも注目
本号編集段階では10式戦車の量産型はまだ発表されておらず陸幕からの平成24年度概算要求説明としてプレス配布された資料に第1戦車大隊への導入予定として掲載された10式戦車量産車とされる写真である。
軍事研究での本文では車体前部装甲部の突出、サイドスカート後部のデザインの違い、車長用キューポラの謎のラックとして試作車といの相違点が説明されている。
一目見て、試作車だろ?部隊表記が「装実」だし、砲塔自体は試作3号車と変わらない。
もっとも、砲塔については量産車を見たから言えることであり、この資料写真が量産車と言われれば信じるしかなかったであろう。
車長キューポラの謎のラックについては単にハッチ裏面が見えてるだけなんですけどね。
で、よく見てみると・・・
6脚じゃね?
明らかに5脚仕様の試作1~4号車および量産車に比べ転輪間隔が狭い。
これが噂の車体試作に試作4号車の砲塔を載せた試作0号車(仮称)ってやつですか!?
いいものを見せてもらいました。
なお、雑誌の掲載写真では6輪めがちゃんと確認できます。
戦車射撃(その2)第1章 総説
第一章
総 説
■1 目的と記述範囲
a. この教範は、部隊長と砲術将校に必要な着実な戦車射撃訓練の概要と準拠を与える。
b. 訓練方法の記述は戦車砲に制限する。
突撃砲、対戦車砲及び迫撃砲に関する必要事項は付録Ⅱを参照すること。
訓練計画はそれらの武器に適応させることができる。
■2 砲術将校の職責
a. 連隊と大隊の砲術将校の職責は以下の通りである。
(1) 戦車乗員に対する射撃訓練の監督及び突撃砲、対戦車砲及び迫撃砲との訓練調整
(2) 適確な方法で照準規正がなされているかを確認する。
(3) 搭載武器が適切な点検整備がなされているかを確認する。
(4) 射撃準備及び戦車大隊内の火力調整について将校及び戦車長の訓練を監督する。
(5) 全射撃の監督
b. これらの条項は、部隊長の訓練に関する責任を取り除くものではない。
■3 機関銃の重要性
機甲師団の最終目標は重要後方施設である。
戦車の破砕力及び車載機関銃により戦車砲を使わなくとも攻撃を達成できる。(図1及び2)
戦車砲の主目的は、戦車が重要な後方地域へ到達するため敵の抵抗を排除することにある。
本教範では車載機関銃の重要性も絶えず強調する。
戦車乗員は、それらを使いこなす必要がある。ジャイロ安定装置は、戦車が移動間における同軸機関銃の射撃精度を向上させるために特に有効である。
■4 射撃統制の重要性
戦車乗員が綿密な統制によらず自由に発砲することを許可されたとき、貴重な弾薬が乱暴に打ち捨てられるように早期に無くなる事を戦闘経験は示している。
中隊長は、弾薬の消費をできるだけ綿密に調整しなければならない。
小隊長は、さらにより厳しい統制を行わなくてはならない。自分の小隊の射撃を監督し掌握する事で、予想外の事態に対応することが出来る。
戦車長は、全ての目標に対して適切な弾種を選択し使用する必要がある。
戦車射撃(その1)目次
以前購入した米軍教範「TANK GUNNERY」を軸に戦車射撃の要領を説明する。
と思ってたんだけど、よくよく考えてみれば教範番号「FM 17-12-2」
つまり、基準の教範である「TANK GUNNERY」ではない。
基準の教範は「FM 17-12」なので早速探してみたが案の定、現用教範は入手不可能
とりあえず1942年版、1943年版および1964年版を手に入れることができた。
1942年版および1943年版はM3およびM4中戦車、1964年版はM60戦車が記述対象である。
出来るだけ新規の教範が望ましいのだが、基本ということなので1943年版を素に記述していきたいと思っている。
1964年版はページ数が多いのでやめたというのは内緒だ。
しかも昔の陸自教範「戦車射撃」がほぼ内容をパクっているのも内緒
戦車射撃
【FM 17-12】の意味は以下の通り
FM: FIELD MANUAL(野外教範)
FM 17: ARMORED FORCE FIELD MANUAL(機甲部隊野外教範)
FM 17-12: TANK GUNNERY(戦車射撃)
となります。
戦車射撃(1943年4月22日)
目次
第二章 射撃訓練の概要
第三章 乗員訓練及び射撃予習
第四章 弾薬
第五章 照準規正
第六章 直接照準
第七章 間接照準
第八章 射撃
付録1 砲手予備試験
付録2 参照