激録!!双子密着24時 ~涙と笑いの育児物語~ -3ページ目

一時保育の洗礼

4月から、双子を一時保育に預け始めました。

登録だけは昨年からしていたのですが、
なかなか預ける決心ができず、
ずるずると新年度を迎えてしまいました。

ちょうど仕事が忙しい時期だったので、
思い切って、小さな子離れにチャレンジです。

しかし、今までジジババに預けたことはあっても、
他人に預けるのは初めて。
人見知りが激しく、児童館でも一人泣いているAlta。
家では母べったりで、とっても甘えん坊のPana。

もしかして、ずっと泣いてるんじゃないかな…。
捨てられたと思って、トラウマになったりしないかな…。
後追いされたら、私のほうが泣いてしまうかも…。

気にし過ぎる性分なので、保育予約をしてからの1ヶ月間、
ずっとモンモンと悩んでいました。

初めての登園前夜は、準備が大変でした。
着替えの服や、タオルやエプロン、靴もカバンもおむつにも
全てに名前を書いて、あとは一番肝心な心の準備です。

数日前から双子には「もうすぐ保育園に行くよ」
「でも、ちゃんと迎えにいくからね!」と
呪文のように言い聞かせていました。

いつもより早く目が覚めた朝。いざ出陣です。

父と一緒に自転車で保育園に向かい、一時保育の部屋へ。
既にたくさんの童たちで溢れていました。
慣れた感じで遊んでいる子から、
泣いて抱っこされている子までさまざまです。

なるべく感情を殺し、淡々と作業する母。
着替えをボックスに入れて、熱を測って、ノートに記入っと。
不穏な空気を察知して、双子が泣き始めました。
すかさず保育園の先生が抱っこしてくれたので、
その隙をみて撤収です。

後ろ髪をひかれまくる思いでしたが、心を鬼にして
顔を般若にして別れを告げ、保育園を後にしました。

これだけ大袈裟に騒いだものの、半日預けるだけなので
3時間半ほどなんですけど…。

あっという間に3時間半はすぎ、特に何をするでもなく、
軽く仕事して、昼ごはんにラーメンを食べに行って、
気が付けば12時過ぎです。

双子は元気にしてるかな?
お昼ご飯も食べられず泣き濡れていたら…と心配しつつ保育園につくと
楽しそうにオモチャで遊んでいる二人が…。

先生に様子を聞くと
「ぜんっぜん大丈夫でしたよ!」
「泣いてたのも一瞬だけでした!」
「お昼も完食でした!オカワリもしましたよ!」
「キャベツを茹でただけのサラダも食べてましたよ!」

oh...
母の苦悩は何だったのでしょう。拍子抜けです。
家では茹でたキャベツなんて絶対食べないですよね?

とにかく安心して、Altaに「おうちに帰ろうか?」と言うと
「い・や!!」と言われる始末。oh...

その日は、家に帰ってからもずっとご機嫌で、
「しぇんしぇ♪しぇんしぇ♪(先生)」と連呼していました。

しかし、その2日後の夜中から、Panaが嘔吐と下痢と高熱を発症し、
病院では流行の胃腸風邪と診断されました。
ベッドで嘔吐、下痢のおもらしを繰り返し、地獄の一週間でした。

後に、同じ日に一時保育に来ていたお母さんにその話をすると
「うちも同じ!脱水症状で入院までしたよ」とのこと。

これは、一時保育の洗礼でしょうか。
やはり集団の中に入ると、こういう覚悟も必要なんですね。
いい勉強になりました。

その後、何度か一時保育に預けていますが、
3度目からは送っていって別れる時も泣かなくなりました。
ちゃんと順応するもんだなぁと感心しています。

■父のつぶやき

元々、様々なことにおいて母よりも父の方が心配性だと思うのですが、
こと一時保育に関しては根拠もなく何とかなるだろうと思っていました。
児童館でのチビたちのヘタレっぷりを見てないからかもしれませんが。。

でも、迎えにいったときの二人のはしゃぎっぷりは、
想像をはるかに超えていました。
ちゃんと成長してるんだなという、うれしい気持ちもあり、
こうやって親から少しずつ離れていくんだなという、
寂しい気持ちもあり。

今まで、「いとまきのうた」の「できたできた○○のおくつ♪」
のところを歌う時、誰のおくつを作るのかを
「ばあちゃん!ばあちゃん!」「じいちゃん!じいちゃん!」と
要求していたのですが、一時保育デビュー以降
「しぇんしぇ!しぇんしぇ!」が加わりました。

「おとうさん」なんてこちらから要求して、
たまーに言ってもらえるぐらいです。
父のランクはいったいどこまで下がるのでしょう。。

恐喝容疑

最近、我が家で頻繁に恐喝事件が発生しているようです。
被害者はPana、容疑者はAltaです。

Panaがオモチャで遊んでいると、
すぐに「ちちて!ちちて!(貸して)」と貪欲に要求してくるようです。

Altaとしては「ちょっと貸して」と言っているようですが、
泣いて逃げ回るPanaを、オモチャを渡すまで執拗に付けまわすという悪質な犯行です。

もちろん「貸して」といいつつ返すあてもなく、
「永久に借りておくだけだ」というジャイアニズムの発動です。

Panaが三輪車に乗っているとダッシュで駆け寄り「ちちて!」
今度はブロックで遊んでいると飛んできて「ちちて!!」
ままごとキッチンで野菜を切っていても「ちちて!!!」

隣の芝生が青くみえるお年頃なのか、
とにかくPanaのしていること、持っているものが欲しいようです。

最近では遊んでいる時にAltaが近付いてくると、
「Altaこわいこわい…」と逃げるようになってきました。
速やかにオモチャを投げつけて逃げるという処世術も身に付けたようです。
まるで昔話の「三枚のお札」のごとし。
(※坊主が鬼ババにお札を投げて逃れるアレです)

しかしながら、また別のオモチャで遊び出すPanaに、再び黒い影が近付き…
そんな「エンドレスちちて」が毎日繰り広げられています。

Panaの圧倒的優位であったパワーバランスの変化を、
やきもきしながら見守る父母なのでした。

無類のジジババ好き

双子達は、父母よりもジジババが大好きです。
毎日のように「じいちゃん♪ばあちゃん♪」と連呼しています。

怒られたり転んだりした時も、泣きながら
「じいちゃんばあちゃんじいちゃんばあちゃん…」と唱えています。
辛いことから現実逃避をするための呪文なのでしょうか?

母方のジジババなのですが、まぁまぁ家が近いので
私達が仕事で忙しい時に子守に来てもらったり、
何かと理由をみつけてちょこちょこ遊びにきてくれます。

ジジババは、完全なる双子達の奴隷です。
Panaが抱っこと言えば、いつまででも抱っこ、
Altaがお外と言えば、いそいそと出かける。
よくやるなぁ…と関心するぐらい、献身的に尽くしております。

貢物もしばしば。
ばあちゃんは洋裁が趣味なので、せっせと双子達の服を作ります。
そしてPanaが大好きなイチゴや、Altaが大好きなジュースを献上して、
常に地位向上を企んでいるようです。

その甲斐あってか、双子達からはたいそうな寵愛を賜り
ジジババが一緒の時は、父も母も全く相手にされません。
抱っこをしようとしても、ぷいっとそっぽを向かれる始末です。
普段はあれだけべったり母っ子のPanaまでが、
掌を返したように母には見向きもしません。

おのれ裏切り者め…と恨めしい気持ちもありますが、
この状況を逆手にとって、お出掛けするときはジジババ同伴に限ります。
双子達がジジババべったりの間だけは、父と母も自由を満喫できるのです。

孫のかわいさは格別と言いますが、
いつかPanaとAltaに子供ができた時、私達も同じようになるのでしょうか。
今から楽しみです。

■父のつぶやき

相手にされないのは、チビ達からだけではありません。
結婚する前は「かわいい娘の彼氏」として、結婚してからは「かわいい娘の婿」として、
母方のジジババからはたいそうかわいがってもらっていました。
それが、チビたちが生まれてからは「かわいい娘が生んだ孫のお父さん」に格下げです。
2位だったランクが一気に4位になってしまいました。

孫の面倒を見に、しょっちゅううちに来てくれるのですが、
仕事中のデスクから挨拶すると「あ、いたの!」と言われるぐらいの存在感のなさ。
晩ごはんをうちでいっしょに食べる時などは、食後にチビたちが母といっしょに寝室に行って
リビングにジジ・ババ・父の3人になると「もう居てもしゃあないし帰るか…」とさっさと帰ってしまいます。
昔はいっしょにテレビで阪神戦を観て盛り上がったじゃないですか!

人は、より楽しいことを見つけてしまうと、もう元には戻れないのですね…。
でも、孫を愛でてるジジババの顔を見てると、こちらも幸せな気分になるので、
どんなに扱いが悪くなろうとも、来てくれる日はちょっとウキウキワクワクな父なのでした。