子供の頃、3歳年上の兄貴と遊びに行くのが大好きで、野球、相撲、ドッチボールなど、無理やり参加させてもらっていました。ですが、なにせ病弱ちびっこでしたので怪我をする事が多く、骨接ぎ医院にはかなりお世話になっていました。

捻挫はしょっちゅう。常にどの指かは突き指をしていましたし、しもやけと突き指で腫れた短い指はコロンコロン。。兄貴に相撲で投げ飛ばされ、腕を脱臼した事が一番痛い思い出です。

大人になってからは怪我とは無縁でしたが、空手を始めてから打撲やなんやらでまた病院に通う事が増えてしまいました。それでも日常生活に支障をきたすような大きな怪我は無く、稽古も続けてこれました。

そんな中、あの脱臼を超える衝撃の出来事が。

。。四十肩

文字通りアラフォーになる頃に突然現れる肩が上がらないという症状。きっかけは運動不足、肩こり、加齢など色々ですが、私の場合は合気道の固め技でした。

合気道の稽古時間が終わった後、いつものように先輩を捕まえて、その日の復習にお付き合い頂いていました。空手の技とは違う合気道の固め技が新鮮で、どうすると痛いのかどうされると動けなくなるのか。納得がいくまでやらないと気が済まない性格の私は何度も技をかけていただきました。

左腕をきめられていた時、痛くなったらタップするように言われていたのですが、限界まで我慢していたところ、急に喉がつまり咳が出てしまいました。小さく咳き込んだ瞬間強烈な痛みが左肩甲骨に走り、「いでっ!」と思わず大きな声。慌てて技をといた先輩に助けられ肩の具合を確認しました。「脱臼もしていないようだし、痛むけど大丈夫でしょう。」子供の頃の脱臼を思い出してそう言いました。先輩は男性でしたし、女性に怪我をさせてしまったかと青い顔をしていらっしゃいます。私の不注意で起きたこと、申し訳ないです。

しばらく安静にして過ごしましたが、痛みは引くどころかジンジンと痛くなり、やがて耳の付け根まで痛くなって来ました。洋服も着替えるのが困難になり、やむなく整形外科へ。

レントゲンを撮ってびっくりしたのですが、肩甲骨が完全にくっついて背中が歪んでいます。肩の骨が動かなく腕も動きません。

「これは四十肩ですね。」
「でも私、40歳じゃありません。」

40歳ではなかったですが、アラフォーだよなと思いつつ。一応、反論。

最近ではパソコン使用のデスクワークのせいで、四十肩と言っても20代でなる人もふえてきているとか。その日の診察室にも「27歳だけど四十肩です!」とリハビリをしている女性の方もいらっしゃいます。

私の場合、痛い肩をかばっているうちに、石灰化が進み肩甲骨がくっつくほどになってしまったのではないかと診断されました。前屈をすると片方の肩甲骨がぼっこり飛び出てしまう程くっついちゃってます。重傷だそうです。

四十肩と診断されて一瞬へこみましたが、日に日に痛みが増していく肩に不安を感じていたので、確か四十肩って一年くらいで自然に治るはず、と気がつき元気が出ました。人によっては治癒時間にも差があるようなのですが、治療方法もあるとのこと、早く治して復帰したい!と、すでにやる気満々です。

甘かったです。



まず、腕が肩の高さまでしか上がりません。さらに前後左右大きく腕が動かないので、歩くときも腕が振れず早く歩くことが出来ません。頭から被るタイプの服は着れません。左を下に寝ることが出来ません。常に左腕が冷えていて指先は紫色になっています。耳の中がまるで中耳炎のように痛み、ひどいときには耳鳴りがします。


痛みには強いほうだと思っていたのですが、我慢できないときは痛み止めの注射をしてもらいました。その注射もかなり痛かったのですが。。


通勤にも時間がかかりますから早起きをして支度をしなくてはならないし、痛みで夜はよく眠れないので寝不足です。色々な医者に通い、治療法も調べましたが、何をしても全くよくなりません。こんな時期が10ヶ月ほど続いたでしょうか。もうあと2ヶ月で一年だけど、ぜんぜんよくならない!もしかしたら四十肩じゃなかったのかも。。さすがの私もあせりました。大好きな着物も着れませんし、もちろん運動どころではありません。合気道は一時退会しています。


悩んだ末母親に聞いてみました。


「お母さん四十肩やった?」

「やったやった。いたかったよー。」

「どんなふう?」

「腕は肩よりあがらないし、夜は痛くて眠れないし、冷えちゃってねー。」


聞くと症状も似ています。私は母に体型がそっくりなので似ているのかもしれません。


「治るまでどのくらいかかった?」

「ん、一年くらいかなー、わすれちゃった~。」


のどもと過ぎれば忘れてしまうのも私そっくりです。


一年が過ぎ症状はあまり変わりませんでしたが、母の話を聞いてやっぱり四十肩なんだと確信した私はそのうち治るでしょ位に考え、あせるのをやめました。結局一年半が過ぎた頃突然腕があがり、後は日に日によくなり完治しました。


色々な人からこの運動が効くと、リハビリ運動を教えていただきましたが、一番効果があったのは”鴨居につかまって体重をかける”という簡単なもの。今でもたまにぶら下がります。


四十肩は本当につらかったです。私は30代の半ばで経験しましたが、もっと歳をとって50代、60代の時にこの症状だったらと思うとぞっとします。

和太鼓を始めたきっかけのお話です。

ずっと続けていた空手を一時おやすみし、次は何をしようと思っていた時の事です。自宅から自転車で10分位の所に合気道道場を見つけました。

和道、書道、空手道と、道ものに目がない私は早速入会。袴姿に憧れつつ一生懸命稽古する毎日でした。

そんな日々。半年位っ経った頃でしょうか、道場の隅にカバーにくるまれた樽の様な形の物がいくつか置かれている事に気がつきました。道場の中には木刀や棍その他、稽古の時に使うであろう名前もわからない物が色々有りましたし、この樽も新しい武器かなくらいに思っていました。

ある日、樽にかぶせられていたカバーが外れていて中身が和太鼓だという事がわかり、そうなると好奇心をおさえられません。合気道の師匠に伺うと、「興味ある?やる?」と速攻で体験練習が決まってしまいました。

勢いで体験練習をさせていただくことにはなりましたが、知っているけどさわったことがない和太鼓。叩かせて頂けるチャンスもあまりないことなので、すごくワクワクして楽しみにしていました。

日を改めて体験練習に伺うと、準備を整えたEさんが待っていてくれました。

合気道師匠の仕事をお手伝いをしているEさんは、埼玉県を中心に活動している和太鼓グループの代表で、合気道の有段者でもあります。一般の方向けに太鼓教室も受け持っていらっしゃる為、東京と埼玉を行き来し、仕事、教室、自分の太鼓練習と大変お忙しい方です。今回の体験練習もそんな中から特別に時間を作ってくださいました。感謝!

さて、いよいよ和太鼓初体験です!

立ち方。バチの持ち方。身体の動かし方。合気道有段者Eさんが指導する和太鼓は武道のエッセンス盛りだくさんです。

「思いっきり叩いていいからね。」
「思いっきり?」
「そう!思いっきり。」

大人になってから何かを思いっきり叩いていいなんて言われた事はありません。サンドバッグを相手にする時だって、自分の力で怪我をする事があります。思いっきり!と言われても勝手がわからず。トントンと軽く叩きながら徐々に強く叩いてみることにしました。

トントン トントン ドンドン ドンドン

叩いているうちに何か嬉しくなってきて、気がつくと声を上げて笑ながら叩いています。何回か続けて叩くと、たまに、スコンと手応え無くパンと音が出る時があります。例えるならば、テニスのインパクトのような。。うまく言い表す事が出来ませんが、太鼓とハイタッチしてる感じなのです。

面白い!! 太鼓の響きに身体が湧き立ちます。始めての打楽器に興奮して、後はもうリードの外れた猿のように夢中で叩き続けました。

始めての和太鼓練習は、予定の時間をオーバーして終了しました。興奮しすぎてボーッとするほどです。「和太鼓の会を作って10年だけど、あなたみたいなタイプは始めて。」さすがのEさんもドン引きです。また叩きたい!こうして太鼓教室に参加させていただくことになり、EさんはE先生になりました。

翌日は興奮しすぎて発熱してしまいました。

昨日は12月最初の和太鼓日練習でした。

月2回の太鼓教室として4年間、のんびりペースで太鼓を教えて頂いていましたが、今月から技術の向上の為、先生とマンツーマンで週1回の練習をすることになりました。

「楽しくたたきましょう。」がテーマで、仲良しグループと一緒にきゃっきゃ言いながら続けていたのですが、先生が代表をしている和太鼓チームが、東京支部を作る事になり、初代メンバーとして私が入会することになった為、突然のスパルタ練習が始まった訳です。不安な気持ちいっぱいで、練習場所でお借りしている区民センター音楽室に仕事帰りに直行しました。

少し早めに到着したので、軽く食事をとって先生を待ちます。18時50分、太鼓を積み込んだ先生のワゴン車が駐車場にガガッと入って来ました。

「こんばんは!よろしくお願いします!」「こんばんは~時間もったいないから搬入早くして~。」「ひー!」これから2時間もがっつりマンツーマン練習するのに。2時間では足りないと言いたいのでしょうか。今日の先生は張り切っています。怖いです。

先生にせかされながら太鼓をセットします。太鼓教室で教えていただく時の先生は締め太鼓でペースを作りながら指導するスタイルなので、曲を一緒に演奏する事はありません。ですが今日の先生はジャージ姿でやる気満々。演奏スタイルで指導してくださるとのこと、私もテンションが上がります。

「じゃあ、始めましょう!素振り!」「先生、準備運動させてください。」
「あ、やりましょう!準備運動!」

4年間教えて来たが、その間、技術的な事はあまり指導していなかった。と先生は仰います。自由にさせすぎて変なくせがついたままになっている私を一刻も早く修正したいのでしょうか。いつもに増してせっかちな先生です。

休憩なしがっつり1時間の基本練習の後、曲の練習に入ります。

曲と言っても、太鼓には音階が無いので、リズムの変化と音の強弱で表現をすることになります。身体の動きを簡単に言うと、大き音に時は腕が高く上がり逆に小さい音の時は腕の上がり加減も小さくなる。といったところでしょうか。

数人でたたく場合身体の動きも当然合わせなくてはなりません。ゆっくりとためながら打つ時。上げたバチの角度。腕の上がり加減。曲を打ちながら先生の厳しい指導が入ります。

水分補給だけの軽い休憩のままぶっ続けで1時間。疲れましたが先生は私以上にお疲れのご様子。すみませんもっと上手になります! 「思った以上にやっかいだわ。。どう直していこうかしら。」


来週までに腕のあげ方を直してくるようにと宿題をいただきました。とほほ