▼概要
児童虐待を防ぐためにどのようにすればよいのだろうか。専門委員会の検証結果を紐解く。
(目次)
1.養育者が精神疾患などが思慮されるとき
2.児童相談所の配慮
3.自治体を越える連携
4.平等な子育ての関係性
5.虐待の定義
6.「保護者」や「監護する」の解釈
7.虐待が起きることによる影響
8.子どもの権利の擁護
9.養育環境のリスク要因
10.通告・相談
11.教育機関や医療機関などの連携
12.報道
13.厚生労働省の調査
14.県の相談窓口
15.行政における運用の見直しが必須
16.不適切な子への虐待には親権停止
▼内容
虐待を防ぐためにはどうすればよいのか。その検証結果について重要部分を記載していく。
(引用元)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000825392.pdf
「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第 17 次報告)」
by 社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会
1.養育者が精神疾患などが思慮されるとき
・関係機関との対応を共有していくことが示されている。これは地方公共団体の役割でもあり、もし仮に異なる自治体同士が情報を持っているのであれば、適切に情報をシェアしていくことが望まれる。
2.児童相談所の配慮
・虐待予防としては、家庭全体状況を把握するために周辺情報を収集することが示されている。つまり、これまでの家庭状況を知るためには、子が居住する自治体にそれまでの養育状況を知らせたほうが望ましい。
3.自治体を越える連携
・仮に子の行方が分からないときは、子の住む自治体の情報までは得ることができないと、適切な情報共有ができない。よって子の個人情報の開示は、少なくとも自治体までは親権者であれば把握するということが望ましい。つまり親子関係に問題がないとすれば、積極的にこれは双方の親権者が子の情報を得ながら、各機関へ情報を共有していくことが良い。(個人情報保護法の適正開示の理由として妥当性がある。)
4.平等な子育ての関係性
・祖父母が同居しているときのネグレクトの状態が以下のとおり、記載されている。「母方の祖父、祖母、祖父母の同居」のほうが「父方の祖父、祖母、祖父母の同居」よりも虐待死につながった構成割合が大きい。理由は不明であるが、監護の観点でいえば、母性優先の原則として監護権が判断されるときに監護補助者がどちらの親であるのかということも、統計上考えていく必要があるかもしれない。またそのような事態にならないように、同居していない親族が、家庭状況を観察できる機会があれば望ましいと考える。
(以下、事例)
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/dv/dl/120502_11.pdf
「子ども虐待対応の手引き」
by 厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課
(事例)
5.虐待の定義
何をもって虐待なのかということについては、例が記載されている。その中に、子どもの自尊心を傷つけるような言動、配偶者やその他の家族に対する暴力や暴言などが含まれる。片親のことを悪くいうというのも虐待ということである。
6.「保護者」や「監護する」の解釈
別居していても、子どもの所在、動静を知り、その客観的にその監護の状態が継続していると認められ、また、保護者たるべき者が、監護を行う意思があると認められるものでなければならないとのことから、監護意思があって虐待を予防するためには、子の居場所を知る権利がある。
7.虐待が起きることによる影響
愛着対象(保護者)との基本的な信頼関係を構築することができなくなる可能性がある。
8.子どもの権利の擁護
子どもの成長過程を周囲の大人が見守っていくことが虐待防止になる。親子関係であるならば、自然的な義務であると思うし、子どもの最善の利益であるならば、1対1の親子の関係性が尊重されることにより、子どもに対する支援の礎になる。
9.養育環境のリスク要因
家庭の関係性として養育環境のリスクが挙げられている。連携していないと子育ての情報が得られない状況であることからリスクが高まってしまうと考えられている。もし別居している家族がいるとすれば、その方々も同様に地域社会として連携を図ることが重要ではないだろうか。
10.通告・相談
もし虐待ということであれば、通告や相談を迅速にすることが望ましい。
11.教育機関や医療機関などの連携
子どもが保育園、幼稚園、小学校、中学校などの機関に所属していれば、コンタクトを取りやすくなる。
(あとがき)
子どもを取り上げるのも暴力です。
一方で子どもを利用した配偶者DVについて記載していない自治体もある。神奈川県では、親権を奪うこともDVであるとされているのに対し、川崎市では、それらの文言は全て無くなっている。
また男性の相談窓口として受付時間も異なっている。男性は休日には相談できない。
12.報道
子どもは巻き込まれているのではないだろうか。
13.厚生労働省の調査
↑引用元
14.県の相談窓口
↑引用元
↑引用元
15.行政における運用の見直しが必須
現状では、先に連れ去りをして別居すると行政は何も理由寄らず、DV支援措置が無いにも関わらず一方的に子どもの情報が得られないようにブロックしてしまう。これは、元の環境に修復しようとすること自体がリスクとみなされているおり、同居親やその交際相手からの虐待リスクがあることには触れず、親子断絶をしようとしている判断がある。したがって子どもが不安定になる運用が続けられており、見直しが必要である。
16.不適切な子への虐待には親権停止
児童福祉法・児童虐待防止法によって、指導措置、一時保護だけではなく、親権喪失・停止などの審判申立(児童福祉法第33条の7項)によって「児童の親権者に係る民法第834条本文、第834条の2第1項、第835条又は第836条の規定による親権喪失、親権停止若しくは管理権喪失の審判の請求又はこれらの審判の取消しの請求は、これらの規定に定める者のほか、児童相談所長も、これを行うことができる。」とされていることから、著しく害するときにはこれら第三者によっても相応な対応が可能である。