【概要】
同居親の心理的ケアについてまとめていく。生活環境が変わるとなれば、それなりの心理的なアプローチが大切であるため、セルフケアができるように内容を示す。
【詳細】
・心身ともに落ち着くことが大切であるため、栄養、睡眠をしっかり取るということが大事である。特に睡眠時間が減っている状態であると感情的になりやすいこともある。
・将来に対する漠然とした不安に襲われることがあるかもしれない。そういうときは、良いカウンセリング手法を探す。くれぐれも抱えている問題に対して答えを導き出すようなカウンセラーや医療機関ではなく、心身の症状について着目してリカバリするような場所を探したほうがよい。
・もし弁護士に依頼しているようであれば、どのような書面を提出しているのかということを調べておいたほうがよい。弁護士はあくまで法定代理人ということである。法廷代理人として公的な提出しているが、その書面の効力は同居親自身の作成したものと同等になる。したがって自分の気持ちと書面について差が出ていないかということを把握しておいたほうが望ましい。また弁護士費用については、(旧)日本弁護士連合会弁護士報酬基準が一つの目安になっている。これを上回る場合には、双方の当事者が苦労してしまうことになるため、きちんとした弁護士に見定めたほうがよい。また婚姻費用や養育費については、ほとんど一定金額で算出されるため、弁護士契約をしなくても裁判所で手続きができる。少しでも費用を抑えて将来の子どものために資産を残すこともできるので必ず委任しなければならないということでない。着手金+成功報酬型をなっている契約の場合には、成功報酬を得ることが目的になりがちなので、契約条件を確認したほうが賢明である。
・裁判所の費用を抑える
弁護士報酬額が差し引かれなくて手元に残る分がかなり大きくなる。子どものために費用を回すことができる。裁判所の調停における調整は、繰り返しできることから一度に弁護士(代理人)が入らなくてもいいし、そもそも裁判所が調整できる役割があって職員から助言しながら進めていくことができる。
・子どもは心理的な不安定な状況になりやすい。しかしながら、状況を理解することさえできない年齢の子もいる。親同士の話を子どもにせず、子どもはニュートラルな気持ちでいられるような場所を作ってあげる。子どもは誰かを否定する話を聞くと、あたかも自分が悪い状況を作ってしまっているのではないかという気持ちになることがある。
・育ってきた環境も違えば、それまで経験してきたことも人それぞれである。相談する相手についても、一人の意見や身近な人だけに捉われず、多様な物事の見方ができるように見聞きして俯瞰できるようにしていくとよいかもしれない。必ずしも1か0だけで考える必要はなく、ケースを考えていく。
・「感謝を忘れない」ということをいつでも大切にする。行き詰ったときは、周りに波及していかないように肯定的な部分や否定的な部分の両方に目を向けて気持ちのゆとりを持つようにする。
・誰であっても、多くの人は強く攻撃されれば、自己防衛に走る。反撃すると自己正当化してしまう傾向にある。人格を否定せず、事実に基づいて振り返りを行うためにも「日記を書く」ということがよい。
・経済的なケアとしては、市の制度を活用する。ただし虚偽の理由であれば返納しなければならないので、きちんと自治体の方針を調べること。
・今の振る舞いについては、今後の将来の生活にも関わってくる。慎重に考えるためには、どちらが正しいかということを言い合うのではなく、「どのように相手は感じているのか」「この先どうしたらよいか」ということに目を向ける。話し合いとするには、どんな言葉をかけたらよいかということを考えていく。
・離婚と別居は分けて考える。一時的に落ち着くこともあるが、実際には生活に追われ、相当な苦労を重ねることがある。ピリオドでゴールになったのではなく、後戻りができないのでじっくりと、子どもの精神ケア、経済的ケア、養育計画を立てましょう。子の視点に立つことが最も大切である。時系列で成長が進んだときにどのような状況になるか、あるいは不安定になったときにどのようなケアができるかということを先にケーススタディで考える。
・信頼できる人がいても、同じ考えなのかどうかというのは相談相手としては別である。様々な意見(体験)を傾聴することが大切である。
・かたくなに主張するような書面を書くと、逆に強く対立してしまい長引く。人生は一度しかない。いい方向になるように話し合うという気持ちでいることが大事である。
・別居親が子どもに会うことで生活の意欲向上につながることや、その時間を自分自身の時間として過ごすという観点ももっておく。
・子どもの視点から考える