夭折の詩人 『ブッシュ孝子全詩集 暗やみの中で一人枕をぬらす夜は』 | 富田林・じないまちの 本と雑貨 『緑の小道』日記

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富田林市には大阪府唯一の重要伝統的建造物群保存地区の寺内町があります。古本&雑貨屋店主の日々の雑記や愛読書紹介のブログです。2021年に母を亡くした後から苦しい日々となり、心はまだ鬱状態で動悸もありしんどいですが、毎日なんとか乗り越えてます。


※1つ前の投稿
ぜひこちらも読んで下さい。
後からでも。


1つ前の投稿で書いた、
奈良の本屋「とほん」さんで
私が出会った、もう1つの大事な本というのは、
これだった。





『ブッシュ孝子全詩集
暗やみの中で 一人枕をぬらす夜は』
(新泉社)

(その場で買えず、後で図書館を頼って読んだのだけど。)

.... ブッシュ孝子さんは、1974年、
乳がんのため、
28歳の若さでこの世を去られた。

(病気はわかっていたけど、ドイツの
ヨハネス・ブッシュ氏と結婚された。)

その後、一度『白い木馬』という詩集が
刊行されていた。

(1つ前の投稿で紹介した)
『悲しみの秘義』の著者、若松英輔さんは、
彼女にすごく影響を受けられたらしい。


『誰でも、年齢を重ねれば 
危機と呼ぶべき時節に至る。

私はそうした日々に彼女の詩に出会った。
ブッシュ孝子の言葉と巡り会うことがなければ、
今、こうして言葉を紡いでいるかどうかも
分からない。
書くことすら、どこかで諦めていたかもしれない。
私は彼女の言葉に救われたのである。』
(若松英輔)


母の他界後、私は自分の弱さを 
嫌というほど思い知ったし、
皆様からの いたわりと募金のおかげで 
生きてこれた。 
そんな私は この詩に強く共感する。


『みなさん どうぞ 私を守ってください
私は みなさんの思っているほど強い人間ではないのです
あなた達に みすてられたら
私は悲しみのあまり この場にたおれて
たった今 息絶えてしまうでしょう
あなた達の 愛のスクラムに支えられて
私は やっとのことで こうして立っているのですから』

(...私も、皆さんの思っているほど 強い人間ではありませんし、
心の傷は一生ものだから、
回復なんて していません..)


孝子さんが大学時代のレポートに書いていたという、この文章にも すごく同感だし、
胸を打たれた。


『私は、いつの頃からか、世間には、
同じ言葉で話せる人間と、
それの通じない人間のあることがわかってきました。
それは、心の国籍のようなものです。
....同じ国籍の者同士は、たとえ、
初めてあっても、相手の心の中に、
自分と同じ故郷の山河を持っていることが、
わかるのではないでしょうか。

....私がこれからしなければならないことは、
その 私自身の国の言葉を、より豊かに、
美しく使えるようにすることです』


『』内
『ブッシュ孝子全詩集
暗やみの中で 一人枕をぬらす夜は』より


感性の相違、気質の相違による
孤独感や疎外感のようなものは、
私も、ずいぶん早くから抱えていた気がする。
それが今でも続いている。
両親の他界後、むしろそれは、
いっそう強くなってきていると 言えるかもしれない。

孝子さんも、宮沢賢治や ヘッセ、リルケ、
八木重吉さんの本を読んでいたらしいから、
いっそう親しみを感じる。


...あぁ、ブッシュ孝子さん、
あなたが 28歳で 天に召された時、
私はまだ この世に生まれていなかった。

それなのに、私は、
なんだか むしょうに、あなたに
「会いたかったなぁ...」と、思う。

私とあなたが
《同じ国籍の者同士》だと、
みとめてもらいたかったなぁ...と、思う。

澄んだ魂をもつ人を 病魔はどうして
早くに連れ去ったのか....

でも、孝子さん、ごめんなさい。

愛する人に先立たれるのではなく
見守られて 逝ったあなたを
なんだか うらやましく思ってしまう、
そんな私がいるのです。

本当に、ごめんなさい..。

今夜の私は 、泣けて仕方ない...。
孝子さん、もしかすると
時空を越えて
私の魂が あなたの魂に
少し 触れることが できたのですか...?


(※ 13日の夜に 先にインスタにこれを書いてました)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

『私のために生きようという人がいる
その人のために私も生きよう』


『ブッシュ孝子全詩集
暗やみの中で一人枕をぬらす夜は』より




何年か前に
コメントのやり取りなどをさせていただいてた、『ことりの木』さんも
過去に、ブッシュ孝子さんのことを
書かれていました。

リブログさせていただきます。




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


遅れていますが

また緑の小道募金の記事を あらためて

書かせていただきます。


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