この記事は3049文字です。(読破予想時間:約7分15秒)
■はじめに
学校の音楽の授業について、少し思う所があるので、お話ししたいと思います。
と言っても、不満がある訳ではありません。
ちょっとした疑問と、こうだったらもっと良かったのにってそんな話です。
そしてこの話は、過去を振り返るだけでなく、未来志向の話でもあります。
■最低9年間、全員が音楽の授業を受けるのがこの国の制度
この国では皆、義務教育の9年間、毎週1回、音楽の授業を受ける。
僕の通った高校では音楽は選択科目で、最初に、音楽か書道を選んで希望を提出する事になっていた。
僕は音楽は好きだが、授業としての音楽を是非受けたいと言う程の思いもなかった。
でも、書道や図工で絵を描いた後、墨や絵の具の後始末をするのが面倒くさくてそれが嫌だったので、選択科目の希望は書道ではなく、迷わず音楽を選択希望した。
しかし、毎年、音楽の方に人気が集中するので、僕は、希望とは違う書道を受講する事に決まってしまった。
この選考基準を当時の生徒は誰も知らなかったし、未だに分からないが、とにかく強制的に僕の選択科目は書道に決まってしまった。
しかし、期末テストの際、書道を選択してる生徒は、ペーパー試験がないので、そこはちょっと嬉しいポイントだった。
話は長くなったが、そう言う訳で、僕が学校で音楽を習ったのは、義務教育の9年間のみだ。
■学校の授業だけで楽譜を読み書き出来る様になった人っているの?
たったの週1回の授業とはいえ、毎週毎週9年間も授業を受ければ、普通に考えればその蓄積は膨大だ。
今、音楽をしている身の上で考えても、確かに音楽の授業が基礎になってる部分もたくさんある。
しかし、じっくり考えると9年間も毎週習い続けた割には、大した事が身に付いてない気がするのだ。
独学で卒業後に自分で音楽理論を勉強した部分も多く、自分で勉強しながら、たったこれだけの事、学校で教える事は出来ないものなのかと不思議に思う事もあった。
ピアノやバイオリンなど楽器を習ってただとか、部活でブラバンやコーラス部にいたとか、独学で自分で興味を持って勉強したとかプラスアルファーの学習をした人を除いて、学校の授業だけで、楽譜をスラスラと読み書き出来る様になった様な人間を、僕は一人も知らない。
■音楽の授業の内容が偏っている!?
義務教育に音楽を組み込む以上、真面目に授業を受けた生徒が全員、最低限、楽譜の読み書きくらいは出来るくらいのカリキュラムを組んで欲しいものだと、個人的にはそう思う。
確かに、ハーモニカやリコーダーや木琴やカスタネットにオルガンにギターなど、いろんな楽器に触れる機会もあったし、譜面で使う記号なども全て教わった。
その基礎を持って、そこから何か鍛えたければ自分で鍛える事が出来る所まではしっかり学校で習う。
しかし、それだけの事なら9年もいらない様な気がするのだ。
どうも、何か、中途半端な惜しい所で学習が終わってる気がする。
せっかく9年間もあるのだったら、もっと、実践で使える様な訓練を取り入れるだとか、或いは、もっと深い理論を教える時間もあるだろうと思うのだが、そんな事を思う人はあまりいない様である。
リコーダーや木琴やハーモニカを教わる時間はふんだんにあったし、皆、ある程度演奏出来るくらいにはなる。
しかし、オルガンやギターは弾けると言える域に到達するまで教わった記憶はない。
何となくどんなものか分かる程度に触らされただけと言う印象だ。
歌を歌う時間はたくさんあったし、歌い方のレクチャーも少しはしていた様だが、本当に発声法などを伝える気がある様には思えない程、誰一人、生徒には発声法そのものの基礎概念などは伝わっていなかった。
「はい、もっとお腹から声を出して!」などと言う先生は何人もいたが、そのお腹から声を出すと言う発声法を、きちんと解説して生徒にレクチャーした先生がいた記憶は、あまりない。
結局、歌に関しては、無駄に歌わされる機会と時間はたくさんあったが、誰も何も身に付けてはいない。
僕が出会った、きちんとした発声法を身につけている人達は皆、それを小・中学校の授業で身に付けたのではないと言うのが実情だ。
音楽の授業は楽しかったし、嫌いじゃなかったが、今振り返ってふとそんな事を思うのだ。
これは、僕らの学校だけの話ではない。
現実に、音楽の授業でしか音楽の勉強をする機会がなかった人間が、社会に出てから持ち合わせている知識を考えるとそう大差ない事から、教師や学校や年代の差によるものではないと思う。
せっかく9年間もあるんだから、耳にしたメロディーをサッと記譜したり、初見でメロディーを口ずさんだり出来るくらいまでの訓練カリキュラムくらいはあってもいいのではと思うのだが、主要5教科ではなく副科目に位置づけられてる都合上、何かと肩身も狭く、文科省や教育委員会や教育現場でも、大人の事情が絡んでくるのかも知れないと思わないでもない。
そして、副科目があまり熱心な内容になると、クレームをつけてくる保護者もいそうだ。
■学校でしか出来ないもの
個人的には、学校でブラス・ホーンの類いをかじらせて欲しかったと言うのがある。
社会に出ると、あれだけの大音量を出す楽器を練習する場所を探すのに苦労する人も多いし、手にする機会もなかなかないので、それが許される学校で触らせておくと言うのは有意義だと思うのだ。
■体験させる事、それは文化を守り発展させる事
前にも、別の記事で書いたが、芸術に限った事ではないが、特に芸術は鑑賞したり楽しんだりするのに、最低限の知識を必要とする事が多いし、最低限の知識がなくても楽しめるものでも、知識はあった方がより楽しめる。
少しでもかじった事があるものって、音楽に限らず、鑑賞の仕方が変わってくるので、学校でいろんな体験をさせておく事は、いろんな文化を守る事にもなる。
要は、皆が体験しておく事で、いろんな文化を皆が楽しめる様になるのだ。
それは、文化を守る事、そして発展させる事にも繋がる。
そう言う意味では、雅楽など、純邦楽を学校で深く教えてもいいのではないかと思うし、僕自身、習いたかったと思っている。
■国への要望
そんな事、分かった上で、いろいろ教育カリキュラムを考えている人もいると思うが、個人的には音楽の授業についてはまだ、いろいろ詰め込める余地がある様に思える。
これは、教育現場レベルの問題を越えて、文科省や国会での論議が必要になってくるレベルの話なので、くどい様だが、教育現場に直接携わっている先生方への要望でもなければ、勿論、クレームでもない。
僕からの国に対する要望だ。
もう自分達は義務教育を受ける事はないが、未来の為に、是非、一考お願いしたい所だ。
■結び
僕も、学校に行ってる頃にブーブー文句を言ってても、後になってそういうのは、教わってて良かったと思う事も多い。
かけ算の九九なんてまさにその代表的なものだ。
音楽の授業の更なる充実もきっとその一つに成り得ると僕は思っている。
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