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歌詞を書く手法にダブルミーニングと言うものがある。
その意味を知ってる人も多いと思うが、一つの歌詞で全く違った二つの意味を込める手法だ。
そして、歌詞に三つに意味を持たせれば、トリプルミーニングと言う。
今日は、この手法をいかにして使うのか、使いたいけど苦手だって人達に、僕の手法を一部公開しようと思う。
どんな物でもそうだが、自分に合わないと思った手法は切り捨てるのも一つの手だが、どうしても、やってみたいと言う人の為に、何とか頑張って説明してみようと思う。
僕は、このダブルミーニングと言う手法をよく使う。
ダブルミーニングを使う事は、毎回ではないが、ごく普通に当たり前の様に高い頻度で使う。
トリプルミーニングを使う事も、たまにある。
この手法が高度なのかどうかはさておき、これに関しては、僕と同じく苦もなく出来るタイプと四苦八苦するタイプに分かれる様だ。
僕は作詞そのものには四苦八苦するが、複数の意味を込める表現はそんなに苦にはしていない。
作詞のスタイルなんて、いろいろあって、どんなスタイルを得意としてるかなんて人それぞれなので、これが出来るから能力が高いと言う訳でもなければ、出来ないから能力がないと言う訳でもない。
サッカーや野球の様なスポーツの世界にも、選手それぞれの特徴があって、シュートを得意としてる選手に守備やパス回しが得意な選手が劣っている訳でもないし、ピッチングが優れた選手とバッティングが優れた選手のどっちが上かなんて決めようもない。
なのに、他人の書いた歌詞にそんな意味が込められてたと言う事を知って、自信を失う者はけっこういる。
特に、最近、歌詞を書き始めた様な、ほぼ初心者に近い様な人に多い。
寧ろ、まだ、これからと言う全くの初心者は、それを聞いて「よし、自分も!」と燃える傾向も見られるのだが、歌詞を書く大変さが徐々に分かってきたくらいの人には、ダブルミーニングと言う手法が、とんでもなく高度な手法に思えてしまう事が多い様だ。
そして、それが出来なくては、歌詞を書くセンスも才能もない様な気がしてしまう様だ。
でも、それは違う。
これは、単に一つの技・手法に過ぎない。
ただ、それを磨けば武器には出来る。
さっきも少しスポーツに例えて話したが、投手に例えると、たまたま、あなたが投げない球種を決め球の一つとして、僕が持っているだけなのだ。
誰かが、切れのいいカーブを放るからと言って、その誰かより早い直球を放る人が負けてるなんて事はない。
ちなみに今、スポーツに例えたが、この何かに例える発想そのものも、ダブルミーニングで歌詞を書くコツの一つなのだ。
単に、例えただけでは、ただの比喩表現なのだが、入り口としてはココである。
何か難しくて伝わりにくい話をする時に、僕は、例え話をその場でアドリブで捻り出してするのが、癖の様になっている。
それは、長年自分の人生で培われた特徴であり、それを武器として利用してるだけである。
では、今までその発想をあまりして来なかった人は、そういう発想は出来ないのかと言えば違う。
僕達は、呼吸をするがごとくそれを出来ると言うだけで、あなた達は、意識してそれをすればいいだけなのだ。
日常会話やチャットの様に、どんどん流れていく会話の中で、どんどん例えるのではなく、作詞をするのには、たっぷりな時間があって、誰もせかす者はいない。
バンドのメンバーやクライアントなど、せかす者がいる場合もあるが。(;^_^A
なので、その手の反射神経では負けてても、反射神経なんてあってもこの場合は、何の意味も持たない。
で、その例え話がどうダブルミーニングに繋がるのかと言うと、勘の鋭い人は既にピンと来ていると思うが、元の話と例えられた物は、実は形が違う同じ質の話だから例え話として成立しているのだ。
例えば、「悩まなくたっていい。自分らしく、目一杯ぶつければいい」って歌詞があったとする。
ちょっとデッドボールを彷彿とさせる、例えとしても、あまりいい歌詞ではないが。(^▽^;)
野球をしている最中にこれを思い出して、勇気を振り絞ってキャッチャーめがけて無心に得意玉を投げる事が出来たピッチャーにとってはこの歌詞は野球の歌詞と受け取れる。
まず、これがオモテの一つ目の意味。
でも、作者は、自分が作詞に苦しんでる時に、気付いた事を作者自身の意思で野球に例えたとする。
そうなると、本当の裏の意味は、作詞に悩む話と言う事になる。
これで、裏の二つ目の意味。
これで、野球の大会のイメージソングにも使えて、野球とは全く関係のない迷いを振り切る曲として、多くの人が自分を投影出来る曲としても成立する訳だ。
そして、これを聴いた人はいろんな意味に受け取って、更に、この曲の持つ意味が、正に聴き手の数だけ増えていく訳である。
ほぼ全ての曲が聴き手に委ねられていろんな意味を持つのは確かだが、個人的には、作者が意思を持って二つの意味を込めたのだから、ダブルミーニングと呼ぶのがふさわしいと思う。
本来は、二つの意味を楽しんで貰う事を目的として作られるのが、ダブルミーニングの歌詞であり、また、それに気付いたり出来るのかどうかと言う所も作者とリスナーの繋がりであり、醍醐味でもあると思う。
そういう意味でも、さっきの歌詞はあまりいい例とは言えないので、ちょっと申し訳なく思う。( ̄_ ̄ i)
ダブルミーニングの詞を書く発想には、他にもあって、まぁ例え話で全てを包括してると言えなくもないが、脳の使い方が、使ってる本人からしてもちょっと違うと感じているので、違う発想法として、もう一つ紹介させて貰おうと思う。
もう一つは、万物の理(ことわり)に目を向けて見る考え方。
陰陽五行の思想の元にもなった五行説に『木火土金水(もっかどごんすい)』というのがあるが、万物は全てこれら五つの要素から成り立っていると言う物である。
なので、人の営みも万物自然の営みと照らし合わせると、二つ三つの意味を一つのセンテンスに込めるなんて、そんな難しい事ではない。
同じ動きをするもの、同じ意味を持つものを自然の理(ことわり)の中から探し出せばいいだけなのだから。
これも例え話と言えば例え話なんだが、ちょっと脳の使い方が違う。
でも、基本、例え話を捻り出す事を意識してれば、何とかなる。
使い古された例では、女性を花に例えるとか、武士の人生を潔く散る桜に例えるとか、そこから、どんどん広げた歌詞はとても多い。
ただ、ここで注意して欲しい事は、さっきも言った通り、例えただけではただの比喩表現で終わってしまう事だ。
それは、ダブルミーニングの歌詞とは呼ばない。
一つの物語(?)を最初から最後まで全て、どちらとも受け取れる表現で表現し切ってしまわなければならない。
そして当然、全ての辻褄が合ってる必要がある。
一カ所でも聴き手が「あれ?」って思う箇所があると、その時点でもう一つの意味を失って、一つの意味しか持たない詞になってしまう。
初歩的な物と言うか、個人的には、一番安易で簡単に出来ると考えているものが、ちょっとHな性的な意味と別な意味を持つダブルミーニングだ。
ちなみにこの手の詞は、例え話から発想を広げている訳ではなくまた違った発想である場合がほとんどだ。
ダブルミーニングの手法も色々と多岐に渡るので、例え話が入り口であると言うのが全てだと思わないで欲しい。
その内の一つであると考えるといい。
話を戻すが、Hな意味を持たせるダブルミーニング、これは、生命の営みの根本なので、大抵のほとんどの人がポンポンと出てくる様だ。
僕も例外ではなく、この手のダブルミーニングの歌詞は本当にポンポンと出てくる。
ただ、ポンポンと出てくるだけに、他人の発想とバッティングしやすい。
そこは要注意だ。
僕の知り合いにも、ダブルミーニングの歌詞と言えば、下ネタ以外書けないのかってくらい、ダブルミーニングの曲を書く度にHな歌詞を書いてる人間は、凄く多かった。
そして、勿論、僕も何度もダブルミーニングで下ネタの曲は書いている。
最近だと、僕のアルバム『解放』に収録されている『Shake!(JASRAC作品コード:215-8071-5)』と言う曲がそうだ。
◇Shake!/皆見つかさ
(『せっかくだから、少しでもいい音で音楽を楽しんで欲しい。 』)
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どことなくHな意味にも受け取れるが、他の意味にも受け取れる、そんな曲だ。
それだけ、H系のネタは、書きやすいネタなのだ。
なので、いわゆる『誰でも思いつく様な事』と『誰でもする様な表現』には最新の注意を払って、練りに練る必要がある。
そういう意味では、寧ろ、簡単ではなく他のテーマより難しいとも言える。
言葉は、普通の事を歌ってるのに、どう聴いてもHな歌詞に聴こえる曲ってのは、とてもたくさんあるし、アートを勘違いした人間がたくさんいる世の中で、本来、電波に乗せて貰えない様な歌詞を歌うのには、ダブルミーニングはとても便利だ。
頭の堅いクレーマーからのクレームも撃退しやすい。
「いいえ、そんな事は、どこを聴いて貰っても一言も言ってません」と突っぱねる事も出来るし、「そんな意味にとる、あなたの頭の中が、寧ろ猥褻なんじゃないの?あなたおかしいんじゃない?」と言う事も出来る。
今までの、僕の経験で過去最高にたくさんの意味を持たせた曲の話を、再度ステマを兼ねて語らせて貰うと(^▽^;)、オムニバス形式で3つの物語を一つの曲で歌った上に、更に、その3つの物語にそれぞれ複数の意味を持たせた曲がある。
同じく『解放』に収録されている『純真防衛哀歌(JASRAC作品コード:215-8080-4)』と言う曲だ。
◇純真防衛哀歌/皆見つかさ
(『せっかくだから、少しでもいい音で音楽を楽しんで欲しい。 』)
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テーマは一つに絞って、いろんな純真な防衛の哀歌を歌っているのだが、その裏の意味はいくつもある。
少しHな意味にとれる部分も勿論ある。
ちょっと、先程書いた、「二つに意味を楽しむ事を目的として書かれたものがダブルミーニング」と言う話と矛盾した、一人の作詞者としての僕個人の作品の扱われ方と僕個人の感覚を話しておく事にする。
僕は、『純真防衛哀歌』に限らず、どの曲も、どんな意味をいくつ持ってるか、公表するつもりもないし、聴き手に全て委ねるつもりだし、聴き手にとってはたった一つの意味でいいとも思っている。
裏の意味を感じ取って、楽しんで鑑賞するのも一つの鑑賞法なら、自分だけの意味に浸るのも真っ当な一つの鑑賞法なのだ。
それは作者がどうすれば正しいとか言う様なものではない。
作者の手を離れた以上、既に、作者が口を出していい領域ではない。
既に、リスナー(聴き手)のものなのだ。
ましてや、評論家などの出る幕は一切ない。
僕の作品に関しては、そんな風に思っている。
でも、「もう一つの意味を誰か気付くかな?」と言うワクワク感や、それをしっかり楽しんで醍醐味を味わってくれてる人がいるのは、素直に嬉しくて楽しい。
しかし、そんな事を強要はしたくないってそんな話だ。
全ては語り尽くせなかったけど、大体、ヒントを掴むきっかけくらいにはなっただろうか。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
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