そして、展示は漆黒の物のみを

身につけるシシィの時代へと移ります。



唯一の息子、ルドルフ
悲劇的な自殺をとげると、

エリザベートはますます傷つきやすくなり、
他人との接触を嫌い、引きこもり
黒いドレスのみを着用するようになります。



"地球の上をただ1人私はひたすら放浪する。
快楽や人生に背を向けたのも、
既に遠い昔のこと。
心を分かち合う道連れは1人もなく
相通ずる魂も常に巡り会うことはなかった。"




さらに酷くなった
孤独と戦っていたのですね。





センス、ヴェール、
日傘は外出の必需品となりました。

シシィはこれらによって
人の好奇の目を避けようとしたのです。



生まれつき内気で人目を嫌う彼女の性格は
年とともに強まり、

やがて好奇心に満ちた群衆のみならず、
彼女の崇拝者や、宮廷の役人に対しても
強い恐怖心を抱くようになりました。



"疎ましい世を恐れる日が続き、
古き悪夢に悩まされるときは
たちまちのうちに濃霧を呼び起こし、
その中に身を隠そう。"




そして、
シシィは見つめられるのを嫌いました。


"たぶんこれからはいつも
ヴェールをつけて外出することになるだろう。
そして、私に最も身近な人々も
二度と私の顔を見てはならない。"



↑シシィの旅、車内の様子を再現したもの。



皇帝での妻、母親、
皇后としての義務を拒否。
自由に過ごすことが多くなりました。

それでもフランツ・ヨーゼフは
妻を擁護して支援した。


なんて優しいの、フランツ…!!

シシィのことを「天使のようなエリザベート
と読んでいたんですって。
ベタ惚れです。




側近、フェステティッチ伯爵は、
シシィの生活態度に胸を痛めていました。

"皇后様は夢の世界にひたり、
悩むことを日課にしている"




そして、シシィはカモメのように
自由に旅することを夢見ていました。

"私はカモメ、陸地に私の故郷は無い"


空想の中でしか
自分の居場所を作ることが出来なかった
シシィが切なくてしょうがありません…。




シシィは自らの心を紛らわせるため
長期間の旅行に出かけていました。
自由に暮らせる避難所を求め…。


その中でもお気に入りだったのは、

ブダペスト郊外のゲレデー宮殿
ウィーンの狩りの館ヘルメスヴィラ
エーゲ海に浮かぶコルフ島のアキレイオン

…だったそうです。

ヘルメスヴィラに関しての記事はこちら。⬇️




旅の中で、用意された荷物の中には

コカイン」がありました。


今でこそ、コカインの所持や

使用は法律で厳しく規制されていますが、



昔は、痙攣を緩和し、
気分を明るくする効果が知られており、
他にも、月経困難症、更年期の改善に
使用されていたそうです。




彼女は年々、旅から旅へと
彷徨うようになったシシィを

家族と側近の人々も
憂いに沈んだ皇后の身を案ずるようになりました。



末娘マリーヴァレリーの日記には…

"困ったことにママは以前よりも
一層一人でいることを好み、
悲しい話ばかりするようになった。"


"以前には時々現れるだけだった
深い悲しみが、
もうママから離れなくなってしまった。
今日もママは度々死にたくなると話していた。"




1人で死を夢見るだけでなく、

娘にさえもその思いを

こぼすようになったのですね…


相当、強い思いだったのでしょう。







そして、ついに彼女の最後の時が訪れます。




9月10日の午前中。
ジュネーブ、レマン湖半。


モントルー行きの船に乗るために
急いでいたところを、

アナーキストのルイジ・ルケーニが
エリザベートに飛びかかり、
研ぎ澄ましたヤスリを胸に突き刺したのです。


エリザベートは1度は倒れたが、
この時はただ驚いただけで
再び立ち上がりました

単につき倒されただけだと思ったのです



彼女は船に乗り遅れないように先を急ぎ、
乗船した直後に倒れました

船は引き返し、ホテルに運び込まれましたが
シシィ息を引き取りました。61歳でした。



末娘マリーヴァレリーの日記には、

"これで彼女が願っていた通りになった。
長い不安の日々に
おののくことなく死が訪れた。"





刺された時に着用していた洋服↓

よく見ると、

右胸に刺された穴が開いています。





彼女の求めていた"心の安らぎ"。


この死によって開放されたのでしょうか。





それは本人にしかわかりませんが、



この死によって

シシィに心身の自由が

訪れていたことを祈るばかりです



そして、自ら死を選ばずに

生ききった彼女を誇らしく思います。






彼女の人生を紹介する展示はここまで。


次は彼女の過ごしたお部屋へ続きます。








フランツ・ヨーゼフの書斎。


デスクの前には

家族の写真が沢山飾られています。


家族をとても大切に思っていた事が分かります。


この肖像画はフランツのお気に入りだったとか。



フランツの寝室です。

一日のほぼの時間を仕事に徹していて

ほとんど寝ることはなかったのだそう。



フランツ・ヨーゼフのサロン



エリザベスのベッドルームと

応接室です、




エリザベートの運動器具たち





自分の子供たちや妻の肖像画を
書斎に置いたフランツとは対照的に


エリザベートは部屋に
バイエルンの自分の両親や、
兄弟の肖像画を飾っています


しかし末娘のマリーヴァレリーは特別でした。
彼女とは特別な絆で結ばれていたのでしょう。



あっ、こちらはエリザベートのおトイレです。

イルカに模した便座下の模様が特徴的です。



エリザベートの浴室です。



これだけの盛りだくさんの内容でも

全然疲れないぐらい

興味を引かれるものでいっぱいです。




そして最後のお部屋、
エリザベートの大サロンです。

これぞ貴族の暮らしとでもいう豪華絢爛さ。



これで、全ての展示を見ることが出来ました。

去るのが名残惜しいです……!!



もう一度と巡りたいという気持ちを抑えて

オーディオガイドを返却し、

お土産屋さんに向かうことに。


店内も豪華ですね。




シシィスター系のお土産をお探しの方!!

シェーンブルン宮殿よりもここが1番

品揃えがいいです!!!




ぜひ旅の思い出に、

そして観劇のお供に

シシィスターを付けてみてはいかがでしょう…





ちなみに私はシェーンブルン宮殿で

2つピアスを買ったにもかかわらず、


やっぱりヘアクリップも欲しくなって

買っちゃいました。(笑)



実はこのヘアクリップ、

結婚式のお色直しの際に付けたくて

12個、ネットで注文しようとしてました。


(宝塚のシシィが、確か12個つけて

いらっしゃったという情報からです…たぶん…)


…予算的にやばかったので諦めましたが(笑)



シシィ風、結婚式の
アクセサリーについてはこちら⬇️




そして面白かったのは、

エリザベートについての本の減りが

日本語が圧倒的に多かったこと。(笑)



やっぱり特に日本に人気があるのでしょうね。


  


さぁ、気がつけば

2時間30分も経ってました。



思う存分、
付き合ってくれたかずくんに感謝と拍手!!!!