← 写真の白い棒(赤い矢印の先)がリヤのラテラルロッドです(^^)
JB23やJA22/12のような3リンク式サスペンションの場合…
フレーム~アクスルハウジングまでを1本のロッドで支点支持することで
車軸のラテラルコントロールを行っていますが…
ラテラル方向の制御を1本のロッドで制御しているため
↓ このように ↓ (ガンバって1時間半もかけて絵を描いちゃいました(^^;)
ストロークをすると車体と車軸に大きなズレが生じてしまいます(**)
これは…走行中でも必ず起こっている動きです。
本来なら車体から真っ直ぐ下に車軸が下りてくるのが理想ですが…
ラテラルコントロールロッドが付いている以上…ムリです(++)
この動きはオンロードでのコーナリングやオフロードでのギャップを超える際などで
車両の動きを大幅に「ギクシャク」させてしまう原因になります。
トライアル的な走行をされた経験がある皆さんはお気づきだと思いますが…
テールスライドさせる場合にコイルジムニーでは
「左にはスライドさせやすいけど、右はスライドしにくい」
…と感じるのはコレが原因です。
その他にもオフロードでタイムトライアルをされている皆さんも
モーグルなどを通過するときに…不意に左に流されてしまう経験があると思います。
昨年、ショウワガレージさんがさなげアドベンチャーフィールドで主催されたタイムトライアルレースの決勝で
モーグルを超えてすぐにターンしなければいけないコースがあったのを覚えているでしょうか?
岩手からの遠征組も活躍していたアノ大会です(^^)
私も出走しましたが、モーグルの上でハンドルを右に切った途端にリヤラテラルが突っ張って
左に振られてテープタッチしてしまいました(**)
私以外にも数台の方が同じ状態でリタイヤしていたはずです。
私だけならともかく…このリタイヤを経験してから…
「左右のコントロール性能のズレ」に大きな疑問を抱くようになりました。
特にフレックスアームを開発してから…
ようやくバネレートを上げても突き上げがなくなって、
十分にトラクションを掛けられるようになったワケですが…
トラクションが上がれば路面からの入力に対しサスペンションはリニアに反応するため
ラテラルコントロールに対する挙動を凄くシビアに感じられるようになりました。
(ノーマルアームや強化アームの時は挙動がアバウトすぎてこのレベルでモノを考えることはできませんでした(^^;)
で!
バネレート変更など色んなテストを繰り返し行っていたら…
「そんなの我慢できるワケないじゃん!!!」
というカンジになって…
開発屋としては…
本気で取り組むようになりました(^^)
はじめはラテラルロッドのフレーム側の取り付け部を下げたり
アクスル側を上げたりしてみましたが…突っ張るものはナニをやっても突っ張ります(++)
専門の文献をイロイロ探していると…
…昔、ヨーロッパ(たしかイギリス?)に「ワットさん」という数学者がいました。
このワットさんが考案したサスペンションシステムで「ワットリンク」というのがあります(^^)
ワットリンクは国産車では唯一、マツダの初代RX-7に純正採用されました。
同じくリヤにアクスルハウジングを持つトヨタのAE86という名車では
サーキットタイムを縮めるにはラテラルロッド特有の動きのバラツキが欠点となるため
リヤサスペンションのチューニング手法として取り入れられているケースもあります。
ワットリンクはJB23のようなアクスルハウジングを持つ3リンクでも
車体に対して車軸が垂直に下りる構造ですが
当初、ストロークの大きいJB23では作用角も大きいし、取り付けの問題やらナニやらで不可能だと思っていました。
また、初代エスクードに採用されたAアーム式3リンクサスペンションも検討しましたが
燃料タンクの位置などの問題があり…却下(**)
…でも諦めきれません( ̄へ  ̄ 凸
で!
再びワットリンク式にチャレンジ!
仕事の合間を見つけては…せっせと…せっせと造りました。。。
ピロボールを使ってみたり…スラストベアリングを使ってみたり…
スイフトレースで1ヵ月位休んでみたり…(^^;
旋盤やフライス盤などの工作機械をフル活用して…
カタチにしては造りなおして…
で!ついに先週!
オートスポーツランド群馬でテストを行った結果…。
…(^^)
完璧に動きます(^^)
トライアル走行でもラテラルロッドのツッパリ感はありません(^^)
ダートを飛ばしても…左ターンも右ターンも
どちらもしっかりトラクションがかかって、コーナリングフィールも別物です(^^)
…やっちゃいましたね(^^)
しかも…「完全ボルトオン」です(^^)
JB23のリヤサスペンションからラテラルロッドの消える日が近づいてきました(^^)
で!
しばらくの間、クロカン走行やトライアルなどの実践で強度テストを行います。
ついでに…
社内で車両のストロークを客観的に検証するための
「ストローク試験機」を造ろうと思っています(^^)
しかし…これはある意味
サスペンションが本当に動くかどうかが目で見てわかってしまう道具なので…
チョット脅威かもしれません(^^;
それでも造っちゃいます(^^)
近日、ワットリンクの画像をアップしますので
前代未聞の…ラテラルロッドがないJB23のリヤサスペンションシステムを…
皆さん、ぜひご覧ください(^^)/~~~