トライフォースカンパニーのジムニーブログ-ワットリンク装着  ← 試作したワットリンクをテスト車両のJB23に取り付けました(^^)

試作ではロッド長の設定をしなければいけないので…


左右のテンションロッドは調整式になっています。


市販品は調整が必要ないので固定タイプになると思います。


開発用の治具自体がJB23のフレームを使用しているので…取り付けは出来て当然ですね(^^)



トライフォースカンパニーのジムニーブログ-装着(^^)   角度を変えてみると…こんなカンジです(^^)


各部のクリアランスも問題なし(^^)


ちなみに…この状態で左側を約200mmのスロープに乗せてストロークさせてあります。


車体と車軸のズレもなく…現段階では問題なしです(^^)


…今夜からテストを兼ねた実走行が始まります。


前回の走行テスト時と比べ


左側に増設したブラケットマウントの強度が出る形に造りなおしたので


かなりアグレッシブなテストが可能だと思います(^^)



で!


ストローク試験機に使う予定で…


ジムニーのデフをバラしました(^^) ↓


トライフォースカンパニーのジムニーブログ-デフをバラして…


ココからは…当社の工場が「楽しい工作室」になります(^^)


ちなみに…図面らしきモノは私の頭の中にあるので、製作はほとんどアドリブです(^^;



…今回はケースとべベルギヤを使って…正回転の入力を逆回転に変換します(^^)



…以前、トライアルマシンのアプローチアングルを稼ぐために


ステアリングギヤボックスを後ろに下げてピットマンアームを前後逆に使ったら…


右にハンドルを切ると…タイヤが左に、左に切るとタイヤは右へ…向いてしまい…(^^;


…ハンドルの直後にデフのべベルピニオンギヤを使って、左右を元に戻したことがあります…(爆)



…そんなことを思い出しながら


ジムニー純正のサイドギヤに、旋盤で削り出した取り出し用のシャフトをtig溶接しました(^^;

トライフォースカンパニーのジムニーブログ-シャフトtig溶接


ギヤに溶接加工する時にいつも心配になるのは…歪みによるバックラッシュの変化ですね(**)

歪むと、ケースに組み付けたときにシャフトが動かなくなります…(^^;


溶接デフロックは…もってのほかです。。。


今回はシャフトを削り出す際に圧入するレベルでギッチギチに加工したので…


↓ 溶接後に…ケースに組んでもシャフトはクルクルまわります(^^)v

トライフォースカンパニーのジムニーブログ-べベルギヤ組み込み完成(^^)



…ここまでは至って順調ですね(^^)


まぁ…全てがうまくいくなんてことは…滅多にあるもんじゃないんです…(^^;

明日はベベルピニオンをマウントするためのブラケットを造ってみようと思います(^^)


うまくいくかなぁ…(^^)/~~~


…ナニができることやら。。。(^^;


トライフォースカンパニーのジムニーブログ


昨日と今日の2日間は…恒例のジムニー祭でした(^^)


残念ながら私は参加できませんでしたが…



土・日で3つのイベントがあり、手分けで参加することになったワケですが…


当社の女性の番頭(裏番?)が


「私が一人で岩手に行ってきます!」と、気合いの一言があったため


女性一人で参加しました(^^)


今頃は…東北道を南下しているはずですが…(^^;



来年は私もワットリンク仕様のJB23で参加できるように頑張りたいと思います!


ジムニーのサスストロークです…。


          現在の動き                                理想的な動き

           ↓ ↓ ↓                              ↓ ↓ ↓
トライフォースカンパニーのジムニーブログ-ラテラルロッドの場合             トライフォースカンパニーのジムニーブログ-ワットリンクの場合

理想的なサスストロークを実現するためにワットリンクを試作したワケですが…


今日は治具上でストローク時の作動状況を検証しました(^^)




          伸側限界                                 圧側限界

          ↓ ↓ ↓  ↓ ↓ ↓           
トライフォースカンパニーのジムニーブログ-伸側限界            トライフォースカンパニーのジムニーブログ-圧側限界


写真の中心にある「糸のライン」に注目してください。



左側の写真がフルストロークさせた状態です。


エスケープセンターアームのベアリングセンターにラインがあります…。



右側の写真はフルバンプさせた状態で、同じくベアリングセンターにラインがあります。


ラテラルロッドの場合はラインが左右に大きく振れるはずですが


ワットリンクは上の右図(理想的な動き)の状態と同じく、


アクスルハウジングが垂直にストロークしています。


結果、今回試作したワットリンクは正常なストロークであるといえます。




テスト走行でも感じましたが…


ストロークの度に左右のテンションロッド動きとエスケープセンターアームの回転方向の動きは


後ろから見ていると…「なんだコリャ!?」


…強烈なインパクトです(^^)


一般道や高速道路をワットリンクの後ろから付いていくと…


今まで見たことがないリンクの動きがあまりにも楽しくて真剣に見入ってしまい…


自分の運転に集中できなくなり危険です(^^;




市販するとしたら…


ブラケットやステー類は…あえてブラック。


可動部になる左右のテンションロッドとエスケープセンターアームはホワイトorレッドにすれば


…とっても目立ちます(^^)


さらに、オフロードではとんでもない動きの連続で…かなり楽しいです(^^)


自分で運転していると見えないのが残念ですね(^^;



今週末は…


岩手のジムニー祭


本庄のハンコックチャレンジシリーズ


長野のイエローブレッドミーティング…です。


当社も手分けして全部に参加します(^^)



来週にはワットリンクを実写のJB23に装着した画像をアップできると思いますので


皆さんお楽しみに(^^)/~~~




トライフォースカンパニー

昨日のブログの続きです(^^)


↓JB23ジムニーのリヤサスペンションの動き(ラテラルロッド)


トライフォースカンパニーのブログ-ラテラルロッド(^^)

↑このように、支点が右上の一カ所なので…


アクスルハウジングは支点を中心に弧を描くように動きます。


両方いっぺんにストロークすると…車体と車軸が左右にズレます。



実際に検証すると、サスペンションは左右異なる動きになってしまいます(++)


コレが悪さをして…トラクションを掛けたい方向に対して思い通りの動きをしなくなります。


アップブラケットやダウンブラケットを使って支点の位置を変えても…


作用範囲が変わるだけで


サスペンションの左右の作動差は根本的に変わらないので


街乗りでの乗り心地やオフロード性能には大きな変化が現れません。


…これがラテラルロッドの物理です。





↓こんな動きにしたいワケです。。。


トライフォースカンパニーのブログ-ワットリンク(^^)

今回、最大の目的はアクスルハウジングを垂直にストロークさせる構造にすること。


アクスルハウジングを持つJB23のリヤを垂直に動かすためには…


Aアーム式かワットリンク式を採用するのが最適ですが…


Aアーム式は燃料タンクが邪魔で諦めました(^^;


残された選択肢は…ワットリンク式。


はじめは頭で考えていましたが…「出来るかなぁ…?」


…JB23が発売されてから10年です。


JA22/12から数えれば…12年以上になります。


その間、ラテラルロッド式を変更して


↑の動きを実現したのはハイブリッジファーストさんの


JA22/12用のリヤAアーム式だけです。


…ウチも頑張らなきゃ!(^^)


…諦めてる場合じゃありません。。。




で!


↓ワットリンクを造っちゃいました(^^)v


トライフォースカンパニーのブログ-イー感じ(^^)

完全ボルトオンです(^^)


左右の路面からの入力に対して


真ん中の「エスケープセンターブラケット(勝手に名前を付けちゃってます(^^;)」が


クルクルッと回転して…ラテラルロッドのように突っ張る感覚が無く


左右共にバネレート通りのトラクションが発生します(^^)



トライフォースカンパニーのブログ


↑エスケープセンターブラケットの中にはこんな部品を造って内蔵しました(^^)


前後にベアリングを使用するため…


ベアリング以外の部品は5/100mmの精度で加工しました(^^)

(ベアリングの精度は1/1000mmですが…(^^;)


…この時点までで、構想から約3ヶ月…(**)


マウントや各ロッド長・回転部の軸からの距離…等々。


…まいりました(++)


特に回転部のベアリングセンターからロッドエンド支点までの距離を


左右のロッド支点長と合わせるための公式に、全てを当てはめる作業は


…ホンキで気が遠くなります(++)


ですが!


途中で投げ出すとジムニー業界の12年が今のままで終わってしまいます。


…何日か徹夜して…セッティング出しました(^^;



そして…


これをフレックスアームと併用してテスト走行を行いました。


…あり得ません…(^^)


完璧にトラクションが出ているのが解り、


ダートで飛ばしてもリヤの反応は実にリニアで全くクセのない旋回に変化しました。


街乗りでも十分なトラクションを感じられるようになり


コーナリングも以前と比べものにならないほど安定します(^^)

(ショックのセッティングはチョット変わるかも…という位、変化します)


ココまでで…


かなりの時間がかかりましたが、


最後の強度テストは本番のレースで我を忘れて…


「全開」するしかありませんね(^^)


ここ数日は…


昔のレーシングスーツが着られるように…ダイエットです(++)/~~~


でも…久しぶりに走りたくなってきました(^^)


テスト用のJB23にレカロシートも入れたし…(^^)


…もう…ダレにも止められません(^^)/~~~





トライフォースカンパニー


トライフォースカンパニーのブログ  ← 写真の白い棒(赤い矢印の先)がリヤのラテラルロッドです(^^)


JB23やJA22/12のような3リンク式サスペンションの場合…


フレーム~アクスルハウジングまでを1本のロッドで支点支持することで


車軸のラテラルコントロールを行っていますが…


ラテラル方向の制御を1本のロッドで制御しているため


       ↓ このように ↓ (ガンバって1時間半もかけて絵を描いちゃいました(^^;)


トライフォースカンパニーのブログ


ストロークをすると車体と車軸に大きなズレが生じてしまいます(**)


これは…走行中でも必ず起こっている動きです。


本来なら車体から真っ直ぐ下に車軸が下りてくるのが理想ですが…


ラテラルコントロールロッドが付いている以上…ムリです(++)



この動きはオンロードでのコーナリングやオフロードでのギャップを超える際などで


車両の動きを大幅に「ギクシャク」させてしまう原因になります。


トライアル的な走行をされた経験がある皆さんはお気づきだと思いますが…


テールスライドさせる場合にコイルジムニーでは


「左にはスライドさせやすいけど、右はスライドしにくい」


…と感じるのはコレが原因です。


その他にもオフロードでタイムトライアルをされている皆さんも


モーグルなどを通過するときに…不意に左に流されてしまう経験があると思います。


昨年、ショウワガレージさんがさなげアドベンチャーフィールドで主催されたタイムトライアルレースの決勝で


モーグルを超えてすぐにターンしなければいけないコースがあったのを覚えているでしょうか?


岩手からの遠征組も活躍していたアノ大会です(^^)


私も出走しましたが、モーグルの上でハンドルを右に切った途端にリヤラテラルが突っ張って


左に振られてテープタッチしてしまいました(**)


私以外にも数台の方が同じ状態でリタイヤしていたはずです。


私だけならともかく…このリタイヤを経験してから…


「左右のコントロール性能のズレ」に大きな疑問を抱くようになりました。



特にフレックスアームを開発してから…


ようやくバネレートを上げても突き上げがなくなって、


十分にトラクションを掛けられるようになったワケですが…


トラクションが上がれば路面からの入力に対しサスペンションはリニアに反応するため


ラテラルコントロールに対する挙動を凄くシビアに感じられるようになりました。

(ノーマルアームや強化アームの時は挙動がアバウトすぎてこのレベルでモノを考えることはできませんでした(^^;)



で!


バネレート変更など色んなテストを繰り返し行っていたら…


「そんなの我慢できるワケないじゃん!!!」


というカンジになって…


開発屋としては…


本気で取り組むようになりました(^^)


はじめはラテラルロッドのフレーム側の取り付け部を下げたり


アクスル側を上げたりしてみましたが…突っ張るものはナニをやっても突っ張ります(++)



専門の文献をイロイロ探していると…


…昔、ヨーロッパ(たしかイギリス?)に「ワットさん」という数学者がいました。


このワットさんが考案したサスペンションシステムで「ワットリンク」というのがあります(^^)


ワットリンクは国産車では唯一、マツダの初代RX-7に純正採用されました。


同じくリヤにアクスルハウジングを持つトヨタのAE86という名車では


サーキットタイムを縮めるにはラテラルロッド特有の動きのバラツキが欠点となるため


リヤサスペンションのチューニング手法として取り入れられているケースもあります。



ワットリンクはJB23のようなアクスルハウジングを持つ3リンクでも


車体に対して車軸が垂直に下りる構造ですが


当初、ストロークの大きいJB23では作用角も大きいし、取り付けの問題やらナニやらで不可能だと思っていました。


また、初代エスクードに採用されたAアーム式3リンクサスペンションも検討しましたが


燃料タンクの位置などの問題があり…却下(**)


…でも諦めきれません( ̄へ  ̄ 凸


で!


再びワットリンク式にチャレンジ!


仕事の合間を見つけては…せっせと…せっせと造りました。。。


ピロボールを使ってみたり…スラストベアリングを使ってみたり…


スイフトレースで1ヵ月位休んでみたり…(^^;



旋盤やフライス盤などの工作機械をフル活用して…


カタチにしては造りなおして…


で!ついに先週!


オートスポーツランド群馬でテストを行った結果…。


…(^^)


完璧に動きます(^^)


トライアル走行でもラテラルロッドのツッパリ感はありません(^^)


ダートを飛ばしても…左ターンも右ターンも


どちらもしっかりトラクションがかかって、コーナリングフィールも別物です(^^)


…やっちゃいましたね(^^)


しかも「完全ボルトオン」です(^^)


JB23のリヤサスペンションからラテラルロッドの消える日が近づいてきました(^^)



で!


しばらくの間、クロカン走行やトライアルなどの実践で強度テストを行います。


ついでに…


社内で車両のストロークを客観的に検証するための


「ストローク試験機」を造ろうと思っています(^^)


しかし…これはある意味


サスペンションが本当に動くかどうかが目で見てわかってしまう道具なので…


チョット脅威かもしれません(^^;


それでも造っちゃいます(^^)



近日、ワットリンクの画像をアップしますので


前代未聞の…ラテラルロッドがないJB23のリヤサスペンションシステムを…


皆さん、ぜひご覧ください(^^)/~~~