「脱北者」 日本を目指すことになるのか(6月3日付・読売社説)
脱北者が日本を目指すようになるのか。事実関係を詳しく調査した上で、政府としても的確に対応する必要がある。
青森県・深浦港沖合で、不審な船が航行しているのを釣り人が見つけたのが発端だった。青森県警が乗船していた男性3人と女性1人を保護したが、「生活が苦しくて北朝鮮を脱出してきた」と話しているという。
北朝鮮当局から指示を受けた工作員などではなく、北朝鮮を脱出し、日本に入国を図った可能性が高いようだ。船は全長わずか7メートルほどの木造船で、毒薬とみられる薬品を持っていた。切羽詰まった行動に見受けられる。
政府は当面、4人を保護する。まずは人物の特定や脱北した理由、脱出のルート、目的地などを慎重に調べなければ最終的な判断は難しい。
直接には入管難民法違反に当たり、強制送還するのが一般的だ。経済的困窮を理由に脱北した「経済難民」であれば、日本政府に保護義務はない。
だが、脱北者たちの証言によると、北朝鮮へ強制送還されると、多くは強制収容所に送られ、命を失うこともある。
日本が昨年制定した北朝鮮人権法には「脱北者の保護、支援に関し、施策を講ずるよう努める」という一項がある。法の趣旨を踏まえ、本人の意思を聞くなどして対処するのは当然のことだ。
脱北者は近年、急増し、韓国に今年2月までに入国した総数は推定で1万人を突破した。中国では脱北者が日本人学校や日本の総領事館に逃げ込み、外交上の問題に発展したケースもあった。
しかし、日本海ルートで日本に来た例は、ズ・ダン号の事件があるだけだ。男性らは「新潟はどこか」と釣り人に尋ねたという。日本に受け入れ先があったのか。今後も多発する可能性はあるのか。こうした点の調査も必要だ。
背景には、深刻な経済危機を招いた失政を棚に上げて、専制恐怖政治を続けている金正日支配体制がある。
脱北者の問題は拉致事件と同様、北朝鮮による重大な人権侵害問題だ。
中国や韓国のほかに、タイなども脱北者問題に直面し、米国も北朝鮮人権法を制定し、これまでに30人の脱北者を受け入れている。日本はこうした国々や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などと連携し、問題の解決を図っていく必要がある。
今回の事件では、北朝鮮が身柄の引き渡しを求めたり、日本の対応を非難したりするなど、筋違いの脅しをかけてくることも予想される。そんな圧力に屈せず、毅然(きぜん)と対応していくことも大事だ。
(2007年6月3日1時23分 読売新聞)
「脱北者」 日本を目指すことになるのか : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
“脱北者”は急激に増加
北朝鮮から逃れて周辺国に不法に入国するいわゆる「脱北者」と呼ばれる人々は、90年代半ば以降、急激に増えています。一向に改善しない食糧難や北朝鮮の体制に対する不満などがその理由です。脱北者のほとんどは、陸路国境を越えて中国国内に潜伏したあと、各国の大使館に駆け込んだりして韓国などへの亡命を求めます。2002年5月には瀋陽にある日本総領事館に脱北者5人が駆け込む事件もありました。最近では、中国国内の警備が強化されたことなどから、タイなど東南アジアまで陸路移動したうえで亡命を求める人も増えています。一方、脱北者が直接日本に来たケースとしては、1987年1月、福井県沖に北朝鮮の船「ズ・ダン号」が漂着して11人が亡命を希望した事件以外は、これまでほとんどありませんでした。船で北朝鮮を出た脱北者の多くは、韓国の近海で発見されており、北朝鮮に送り返されるか本人の希望で韓国に亡命しています。
6月2日 17時31分
NHKニュース
韓国輸出入銀行活用を提案 BDA問題で青瓦台高官
韓国の朝鮮日報は2日、ワシントン発で青瓦台(大統領官邸)の朴善源・統一外交安保戦略秘書官が最近、極秘に訪米しマカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮資金問題を解決するために韓国輸出入銀行を活用することを米国側へ提案したと報じた。
ワシントンの外交消息筋の話として伝えた。
同紙によると、朴秘書官は先月29日にホワイトハウスの国家安保会議(NSC)や国務省関係者と相次いで会談した。
朴秘書官は、BDAが北朝鮮資金2500万ドル(約30億円)をいったんマカオ当局に移した後、韓国の政府系銀行である韓国輸出入銀行がマカオ当局から資金を受け取り、北朝鮮側へ送金することを米国側へ提案したという。
韓国輸出入銀行がBDAではなくマカオ当局から資金を受け取るようにしたのは、米国が「資金洗浄金融機関」と指定したBDAから直接受け取る場合は、政府系銀行としての対外信用度が下落する恐れがあるためとしている。(共同)
(2007/06/03 00:46)
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