韓国 北朝鮮コメ支援近く再開
韓国のソン・ミンスン外交通商相は21日、韓国政府が留保している北朝鮮向けのコメ支援を、核施設の稼働停止などの措置の完了を待たずに近く再開する方針を示しました。
ソン・ミンスン外交通商相は、21日にソウルで講演し、「北はすでに核施設の稼働停止や封印、IAEA=国際原子力機関の査察官の受け入れに必要な措置に着手したとみている」と述べました。そのうえで、北朝鮮が核の放棄に向けた措置を履行していないことを理由に韓国政府が留保している、北朝鮮向けのコメ40万トンの支援について、「互いにとるべき措置は厳格に同時に行うよりも弾力的に履行すべきだ」として、核施設の稼働停止などの措置が完了するのを待たずにコメの支援を近く再開する方針を示しました。韓国政府は、21日夕方、「安保政策調整会議」を開いて、この方針を正式に決めたうえで、22日に発表することにしています。北朝鮮の核問題をめぐっては、アメリカのヒル国務次官補が北朝鮮側と直接意見を交わすため、21日から1泊2日の予定でピョンヤンを訪れています。韓国政府としては、核施設の稼働停止などの見返りとして北朝鮮に提供する重油5万トンの調達の準備に入ったのに続いて、コメ支援の早期再開を打ち出すことで、核の放棄に向けた確実な進展を北朝鮮側に促すねらいがあるものとみられます。
NHKニュース
ヒル次官補、訪朝終え韓国へ 協議の成果注目
訪朝した6者協議の米国首席代表、ヒル国務次官補は22日午前、北朝鮮との協議を終えて平壌を出発した。午後、日韓両国を訪れる。米国務省によると、ヒル氏は前日の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官に続き、朴宜春(パク・ウィチュン)外相とも会談したとみられる。今回のヒル氏訪朝を通じ、2月の6者協議で合意した「初期段階の措置」の早期履行問題などについて、北朝鮮側がどのような考えを示したかが注目される。
ヒル氏は今回の訪朝で、6者協議の進展を北朝鮮に強く促したとみられる。朴外相との会談では、7月末の開催を目指す6者協議閣僚会議の議題などについて意見交換したとみられる。米国務省のマコーマック報道官は21日、今回の訪朝について「北朝鮮が真に核兵器計画を放棄する戦略的決定をしたのかどうかを試す、重要な時期に入った。この時期に対話を試みることは、見返りを与えることとは違う」と意義づけた。
ヒル氏は22日午後、韓国に戻り、宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商相や千英宇(チョン・ヨンウ)韓国首席代表らと訪朝結果について協議するほか、記者会見も行う。その後、夜には日本を訪れる予定だ。
韓国政府当局者は「北朝鮮はヒル氏の訪朝で当然、関係正常化に強い期待を持つ」とみる。
マコーマック報道官は「ブッシュ政権が原則を曲げて政策を変更しているという批判があるが、政策の変更ではない。北朝鮮とは過去にも6者協議の枠組み内で2国間協議をしてきた」と説明。「この考え(訪朝)は、検討されるようになって久しい。6者協議のほかの参加国すべてが支持している」と語り、米国が単独行動しているのではないことを強調した。
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成果焦る米にクギ 麻生外相 北への拉致提起求める
北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補の訪朝をめぐり、麻生太郎外相は二十一日の日米電話外相会談で、米朝協議で拉致問題を取り上げるよう米国に求めた。北朝鮮の非核化という成果を焦り前のめりになりがちな米国に、拉致問題を置き去りにしないようクギを刺す狙いがありそうだ。
北朝鮮は六カ国協議の合意と関係のないマカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)の資金送金問題を理由に、非核化に向けた初期措置履行を拒んできた。日本はこうした姿勢を「筋が通らない話」(麻生太郎外相)と問題視していた。
しかし米国は、自ら課した対北朝鮮金融制裁を事実上解除し、米連邦準備制度理事会(FRB)を構成する銀行を送金ルートに指定するなど、なりふり構わずBDA問題解決に突き進んできた。
日本が主張する原則論に背く形の米国の姿勢を、日本政府は「実績をつくりたいだけではないか」(外務省幹部)と不安視した。
四月の日米首脳会談では、同席したライス国務長官が、北朝鮮のテロ支援国家指定の解除条件に拉致問題解決は含まれないと説明した。この発言は、米国が拉致問題を後回しにして、核問題解決を急ぐのではないか、との見方を生んだ。
日本政府は表向き「意見交換はしっかりできている」(塩崎恭久官房長官)と日米連携を強調する。しかし、「米側はあまり(拉致の話を)言われたくない。とにかく核のことを進めたいのだろう」(外務省幹部)との本音も漏れる。 (中山高志)
東京新聞:成果焦る米にクギ 麻生外相 北への拉致提起求める:政治(TOKYO Web)