成果焦る米にクギ 麻生外相 北への拉致提起求める
北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補の訪朝をめぐり、麻生太郎外相は二十一日の日米電話外相会談で、米朝協議で拉致問題を取り上げるよう米国に求めた。北朝鮮の非核化という成果を焦り前のめりになりがちな米国に、拉致問題を置き去りにしないようクギを刺す狙いがありそうだ。
北朝鮮は六カ国協議の合意と関係のないマカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)の資金送金問題を理由に、非核化に向けた初期措置履行を拒んできた。日本はこうした姿勢を「筋が通らない話」(麻生太郎外相)と問題視していた。
しかし米国は、自ら課した対北朝鮮金融制裁を事実上解除し、米連邦準備制度理事会(FRB)を構成する銀行を送金ルートに指定するなど、なりふり構わずBDA問題解決に突き進んできた。
日本が主張する原則論に背く形の米国の姿勢を、日本政府は「実績をつくりたいだけではないか」(外務省幹部)と不安視した。
四月の日米首脳会談では、同席したライス国務長官が、北朝鮮のテロ支援国家指定の解除条件に拉致問題解決は含まれないと説明した。この発言は、米国が拉致問題を後回しにして、核問題解決を急ぐのではないか、との見方を生んだ。
日本政府は表向き「意見交換はしっかりできている」(塩崎恭久官房長官)と日米連携を強調する。しかし、「米側はあまり(拉致の話を)言われたくない。とにかく核のことを進めたいのだろう」(外務省幹部)との本音も漏れる。 (中山高志)
東京新聞:成果焦る米にクギ 麻生外相 北への拉致提起求める:政治(TOKYO Web)