自民総裁選:小沢代表がアジア外交強化の方針 福田氏意識
自民党総裁選で、アジア外交重視を掲げる福田康夫元官房長官が有力になっていることを受け、民主党の小沢一郎代表はアジア外交を強化する方針を固めた。12月初旬の訪問が固まっている中国のほか、来年1月に訪韓する検討を始めた。中韓を連続して訪問することでアジア重視の姿勢を鮮明にする。
小沢氏の持論は、政府の外交と並行して民間の草の根交流の重視。中国でも89年から「長城計画」という民間交流を実施しており、中国共産党とは党幹部だけでなく若手の有望株とも関係が深い。
12月の訪問でも胡錦濤国家主席との会談をほぼ固めていると同時に、約1000人の民間訪中団も同行する予定で、中国の王毅・駐日大使との太いパイプを誇る福田氏に対し、幅の広さで違いを見せたい考えだ。
韓国では12月に大統領選があることから、新大統領との会談を目指す。小沢氏は自由党党首時代に度々韓国を訪問し、1999年には金大中大統領(当時)と会談している。
安倍晋三首相の突然の辞任で、年内に予定されていた首相の再訪中は立ち消え状態。岩國哲人・民主党国際局長は「仮に福田氏より早く小沢氏が訪中、訪韓できれば先手を打てる」と話している。【渡辺創】
毎日新聞 2007年9月16日 3時00分
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“拉致濃厚”失踪者と北のアナは別人の可能性
東京生まれの在日朝鮮人?!
矢倉富康 1988年、鳥取沖で失踪(しっそう)した鳥取県米子市の漁業、矢倉富康さん、失跡当時(36、写真)=に酷似した人物が、朝鮮中央放送委員会のアナウンサーとして勤務している問題で、両者は別人の可能性が高いことが15日、関係者の話で分かった。一部民間団体が専門家の音声、写真鑑定で「同一人物の可能性が極めて高い」と発表。日本政府も独自に写真鑑定に乗り出していたが、アナは東京生まれの在日朝鮮人の可能性が高いという。
矢倉さんと酷似しているとされるのは、日本語放送「朝鮮の声放送」アナウンサーの慎範(シンボム)氏。今年3月中旬、平壌を訪れた日本人旅行者が高麗ホテルで接見し、写真を撮影した。写真は失踪前の矢倉さんと似ていたため、矢倉さん本人ではないかという見方が強まった。
だが、関係者によると慎範氏は東京生まれの在日朝鮮人で、朝鮮大学校を卒業。72年に帰国船で北朝鮮に入り、矢倉さんとはまったく別人だという。慎範氏は2000年下半期に「朝鮮の声放送」でアナウンサーとしてデビュー。流暢(りゅうちょう)な日本語を話すことで知られている。だが、矢倉さんの出身地、米子は標準語へ矯正しにくい「出雲弁」を話す地域だが、慎範氏にはこの独特なイントネーションは確認されていない。この関係者によると、写真は鮮明でない上、別の角度で写った慎範氏は矢倉さんに酷似しているとは言えないという。
ある朝鮮研究者は「矢倉さんに似ているという報道があった後も慎範氏は出演している。北朝鮮側は後ろめたいことがあれば、必ず“否定”する材料を出してくるはず。そもそも拉致被害者をアナウンサーにするのか」と疑問を呈している。
矢倉さんは88年8月2日夕方、1人で漁に出た。翌朝戻る予定だったが消息を絶ち、8日後に竹島沖南南東25キロで漁船だけが発見された。船には衝突痕が残されていた。矢倉さんはかつて精密機械のエンジニアだった職歴があり、東欧や韓国に出張した経験もあった。このため、北が事前に目を付けていた可能性も指摘されていた。
よく似たケースとしては63年5月、能登半島沖へ漁に出た寺越武志さん(57)が行方不明となり漁船だけが発見された。24年後の87年1月に生存が判明。寺越さんは「北朝鮮の漁船に助けられた」と説明し、現在も平壌で暮らしている。
ZAKZAK 2007/09/18
ZAKZAK
【焦心】(下)私たちには時間がない

安倍晋三首相が辞任を表明した今月12日、家族会代表で、横田めぐみさん=拉致当時(13)=の父、滋さん(74)は、胆嚢(たんのう)を全摘する手術を受けた。手術は成功し、結果も良好だ。滋さんは6月末、総胆管結石症で入院した。今回の手術は新たに胆嚢にも石が見つかったためだった。
「まだまだ頑張ってもらわないといけないから」
そう話す母、早紀江さん(71)も体調は万全ではない。
以前からの肩の痛みが取れず、朝起きあがるのもつらい。それでも、家族会の活動には可能な限り参加している。
「こんなふうにいろいろと(体調の不具合が)出てくるし、考えられないことも起きる。(滋さんの)体力が弱っているのは見ていても分かる」
早紀江さんは一抹の不安を打ち明ける。
年齢を重ね、体力的な衰えは他の家族も同じ。増元るみ子さん=同(24)=の父、正一さんや、市川修一さん=同(23)=の姉、渡辺孝子さんらが、再会を果たせぬまま亡くなっている。「私たちには時間がないんです」。早紀江さんはそう訴える。
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そうした心配は、被害者本人にも当てはまる。めぐみさんが拉致されてから今年11月で30年。10月5日には43歳を迎える。20代に拉致された若者たちも50代を超えた。
北朝鮮の劣悪な食糧・医療事情、インフラ未整備からくる風水害…。北朝鮮では毎日が死と隣り合わせだ。
今年8月にも北朝鮮は大水害に見舞われ、数百人が死亡・行方不明となり、90万人以上が被災したと伝えられる。
「拉致被害者が水害で亡くなっていたらどうしよう」。めぐみさんの弟、拓也さん(39)は、増元るみ子さんの弟、照明さん(51)とささやきあった。
医療事情も懸念される。「被害者が健康管理できているか心配だ」。拓也さんの思いは決して杞憂(きゆう)とはいえない。
帰国後の健康診断で右肺に腫瘍(しゅよう)が見つかった曽我ひとみさん(48)は平成15年3月、都内の病院で摘出手術を受けた。曽我さんは今年6月、都内でそのときの手術体験を語っている。
「向こうは検診があまりなく早期発見は難しい。私は日本に帰ってきたからがんを見つけてもらい、こうして元気で働ける。つくづく幸せだ」
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「長すぎる。それだけ。長すぎるんです、本当に」。金正日総書記が拉致を認めてから5年。家族会が結成されてからは10年がすぎた。代表として、会発足時から激務を続ける父、滋さんを支える拓也さんは振り返る。
滋さんは今年に入り、体力的な衰えから代表を退くことも口にした。夫妻の講演会は全国1000カ所を超えたが、体調を考慮して、今では回数を減らしている。
そうした両親世代をサポートするため、拓也さんらも街頭に立ち、政府との折衝にも加わる。
職場の理解があるとはいえ、拓也さんは「仕事で政府からの電話を取れず、すぐに情報のやりとりや意思疎通ができなかった。仕事中に拉致問題のことはできないし…」と語る。
仕事を辞め、事務局長として家族会の活動に専念する照明さんは「僕が職をなげうってまで拉致問題に取り組んでいるのは、政府がやってくれなかったからだ」と理由を話す。照明さんは決意している。
「これ以上若い世代にまで拉致問題を持ち越してはいけない。それまでに解決しなければならない」
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連載は住井亨介、尾西央行が担当しました。
「【焦心】(下)私たちには時間がない」事件です‐事件ニュース:イザ!