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日朝国交正常化交渉 始まる

北京で行われている日朝の政府間協議は3日目の6日、平成14年の10月以来、3年3か月ぶりとなる国交正常化交渉が日本時間の午前10時半から始まりました。協議に先立ち、日本側の原口幸市日朝国交正常化交渉担当大使は記者団に対し、「過去の清算を中心とした国交正常化について、日朝双方の考え方を議論する。また、国交正常化後に、経済協力を行う場合の方法についての考え方を示すが、国交正常化は拉致問題などの解決なくしては難しいということも十分に伝えたい」と述べました。一方、北朝鮮のソン・イルホ大使は記者団に対し、「日本が過去の清算を行う意思があるのかを確認したい。具体的には、経済協力や、在日朝鮮人の地位に関する問題、それに文化財の返還などについて議論する」と述べました。今回の協議で、北朝鮮側は、日本からの経済協力を念頭に国交正常化交渉を前に進めたいとしており、6日の協議でも、過去の植民地支配を清算し、早期に国交正常化を行うべきだという考えを示しているものとみられます。これに対して、日本側は、平成14年の日朝ピョンヤン宣言に基づいて、この問題を誠実に協議する考えを示しているものとみられます。そのうえで、5日の拉致問題の協議で日本側が要求した、生存者の帰国や容疑者の引き渡しなどに、北朝鮮側が具体的な回答を示さなかったことから、「拉致問題などの解決なくしては、国交正常化はありえない」という考えを改めて伝え、北朝鮮側に拉致問題での誠意ある対応を促しているものとみられます。
NHKニュース

【正論】国際教養大学学長・中嶋嶺雄 閉じてはいない日本の東アジア外交

≪疑問だらけの中曽根見解≫

 小泉政権への意見や注文が、後継者問題とともに、このところしきりに論じられ、報じられている。

 そのなかで、中国や韓国との首脳会談が開催できず、わが国の対東アジア外交が閉塞(へいそく)状況にあるのは、小泉首相の靖国神社参拝にあるのだから、後継首相は参拝をとりやめるべきで、この際、「A級戦犯」の靖国合祀(ごうし)もとりやめるべきだ、といった意見が依然として散見される。

 その典型は、中曽根康弘元首相の「内政・外交3つの課題」と題する一月二十九日付読売新聞の「地球を読む」欄のものだ。このコラムは、日頃私も愛読しており、中曽根氏の意見にも聞くべきところがあるのだが、靖国問題に関連した対東アジア外交に関しては、ご自身の責任を全く省みない暴論であって、いかに政界のご長老とはいえ、看過できないものである。中曽根氏は、こう述べている。

 「最近の日本外交の不振の一因に靖国問題が指摘されている。私は以前より靖国神社に合祀されている戦争責任者の分祀(ぶんし)を主張している。……この方策は予算も法律も不要で、神主の裁断で可能なことなのである。……いずれにせよ、東アジア外交は対米外交と共に日本の死命を決する重大な政策であり、現状を打開して日本の活路を開くことは現代日本の政治家の重大責務であると確信する」

 私自身は特に靖国神社にコミットしたこともなく、一市民としての宗教感覚しか持ち合わせていないけれど、いかに元首相とはいえ、「神主の裁断で…」といった表現は信教の自由に対する冒涜(ぼうとく)ではないかと思われるが、ここでそのことは問わない。

≪高くつく政治決着の対価≫

 問題は、中曽根元首相こそ靖国問題を日本の対中国外交のトゲにした張本人であり、中国の外交戦略に屈して「A級戦犯」問題を造り出したご本人であるのに、そのことをいっさい棚上げして、よくも右のような見解を表明できるものだという点である。

 周知のように、中曽根元首相は、すでに「戦争責任者」つまり「A級戦犯」が合祀された一九七八年秋以降も靖国問題は日中外交上の問題になっていなかったにもかかわらず、一九八五年八月十五日にあえて大見えをきって公式参拝し、ひとたび中国側の非難に出合うや、同年秋の例大祭への参拝を中止して、ある種の政治決着を図ろうとしたのであった。

 そのような政治決着のために動いたのは、中曽根氏をはじめ自民党の二階堂副総裁、金丸幹事長、それに桜内元外相ら当時の大物政治家であった。それだけに中国側は日中外交における靖国問題、とくに「A級戦犯」問題での対日戦術の有効性を大いに満喫することとなったのである。

 中曽根首相は当時、一九八三年秋に来日した胡耀邦総書記が約束した、三千人もの日本人青年が中国に招かれた日中友好青年大交流や、中曽根ブレーンの学者らが関与した日中二十一世紀委員会を重視していた。

 また、改革派の胡耀邦氏が中国内部で保守派に攻撃されるのを避けるためにも、靖国参拝を中止したのだと後にあちこちで述べているが、そのような期待は通じず、胡耀邦氏はやがて失脚し、「A級戦犯」問題と日中外交上の靖国問題が残ったのであった。中国に迎合して政治決着することの代価が、いかに高くつくかを、教訓として学ぶべきであったのである。

 こうして中国側は、一九八五年後半以降、「抗日戦争勝利四十周年」という名目で、「抗日」から「反日」へ、そして「愛国主義」へと進んでいった。まさに二十年後の今日と変わらぬパターンをすでに形造ってしまったのであるが、そのような日中関係へと誘ったのが中曽根元首相であり、そのような悪循環をぜひ断ち切ろうとしているのが小泉首相なのである。

≪長期的評価得る外交とは≫

 私が本欄でもしばしば指摘したように、いまや北朝鮮とも一体化しようとしている盧武鉉政権下の韓国は所詮中国に追随しているのであり、このような中国や韓国を相手に自由と民主主義を国是とする日本が迎合する余地はないのである。また、そのことによってわが国の外交はいささかも損失を被らないばかりか、長期的には国際社会で高い評価を得るのではなかろうか。

 東アジアを中国と韓国のみでなく、もっと広域的に見れば、開発独裁体制の反映としての軍拡と道義なき外交を繰り返しつつある中国の脅威を、日米の揺るぎない同盟関係が封じ込めることこそ、広く期待されている日本の対東アジア外交だと私は考えている。(なかじま みねお)
Sankei Web 産経朝刊 正論(02/06 05:00)

拉致問題 北朝鮮は政治決断を

安倍官房長官は記者会見で、北京で開かれている日朝の政府間協議について、拉致問題が解決しなければ、国交正常化はないとしたうえで、「拉致問題では、北朝鮮側の政治的な決断が必要だ」と述べました。
この中で、安倍官房長官は「『拉致問題の解決なくして、国交正常化なし』ということを、5日の協議でもしっかりと伝えている。今回の協議期間中に、もう一度、拉致問題に関する協議を行うことで調整している。北朝鮮が誠意ある対応を示し、わたしたちが『拉致問題について進展した』と納得できる成果を出してもらいたい」と述べました。そのうえで、安倍長官は「この問題については、北朝鮮側の政治的な決断が必要で、これまでの対応を変えてもらいたい。生存者全員の帰還と真相の究明、それに実行犯の引き渡しで、それなりの進展がなければ、交渉で進展があったとは言えないのではないか」と述べました
NHKニュース