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「北」人権法案、脱北者支援規定で平行線…修正大詰め

 自民、民主両党は8日、北朝鮮による拉致などの人権侵害に対応するための北朝鮮人権法案について、修正協議を行った。しかし、脱北者への国の支援の明確化などをめぐって合意に至らず、結論を持ち越した。
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 修正協議は9日も行われる。法案の今国会中の成立には、13日が衆院通過のタイムリミットとされており、今後、ぎりぎりの調整が続く見通しだ。

 北朝鮮人権法案は、自民、公明両党が与党案、民主党が独自案をそれぞれ衆院に提出している。

 8日の協議には、自民党は逢沢一郎、宮路和明の両氏、民主党は中井洽、中川正春、松原仁の各氏が出席。自民党側が、与党案の修正案を正式に提示した。

 修正案は、人権侵害の救済対象として、拉致だけでなく、脱北者支援を含めることが柱で、「政府は、脱北者に対し、適切な施策を講ずるよう努める」との条文などを追加した。民主党の主張を盛り込み、今国会で法案を成立させる狙いがある。

 民主党側は、修正案に一定の評価をしつつも、脱北者支援の規定については「『努める』との努力規定では不十分だ。もっと明確な表現で具体的な支援策を明記すべきだ」と要求し、両党の主張は平行線をたどった。

 これに関連し、安倍官房長官は8日の記者会見で、「人権法案が成立すれば意義深い。国の内外に、必ず拉致問題を解決しなくてはいけないというメッセージを強く打ち出せる」と述べ、法案成立に期待を示した。
(2006年6月8日22時58分 読売新聞)
「北」人権法案、脱北者支援規定で平行線…修正大詰め : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

首相、日韓連携で解決目指すべき

 横田めぐみさんの夫の可能性が高い韓国人拉致被害者、キム・ヨンナムさんについて、北朝鮮が母親との面会の場を設けると表明したことに対して、小泉総理は「どういう動きがあろうとも、日本と韓国は協力すべき点が多い」と述べて、日韓で連携して解決を目指すべきだという考えを強調しました。

 「どういう動きがあろうとも、日本と韓国は協力すべき点が多いと思いますね。ご家族はお会いしたいでしょうね。しかし、拉致された方は他にもたくさんいますから。全員が帰って来られるように、そういう協力が必要だと思っています」(小泉首相)

 今回の北朝鮮の発表は、日本と韓国の連携を分断する狙いがあるという見方が出ていますが、小泉総理はこのように述べて、日韓の連携の必要性を強調しました。

 また、安倍官房長官は、「どのような判断をされるかは、ご家族自身が判断されること」と、当面は事態の推移を見守る考えを示した上で、「ヨンナムさん、めぐみさんの救出のためには日韓両国が協力することが大切だ」と述べました。(08日20:57)
首相、日韓連携で解決目指すべき

北朝鮮、問題広がり恐れ、日韓分断狙う

 北朝鮮による拉致被害者、横田めぐみさんの夫の可能性が高い韓国人拉致被害者、金英男(キムヨンナム)さん(44)と、韓国在住の母親崔桂月(チェゲウォル)さん(78)の北朝鮮・金剛山での再会許可を北朝鮮が8日発表した。「早く会いたい」と喜ぶ英男さんの母。「まだ考えが及ばない」と慎重姿勢のめぐみさんの母。北朝鮮の突然の決定は、日韓の拉致被害関係者の立場の違いを浮き上がらせた。拉致問題の日韓連携を引き裂こうとする北朝鮮の動きに日韓両政府も対照的な反応を見せている。【ソウル堀山明子、北京・西岡省二、西脇真一、犬飼直幸】

 ◇金氏と母、再会へ

 「どれほど今まで苦労したか。(息子に)会ったら抱きしめて、なでてあげたい」

 北朝鮮に拉致された金英男(キムヨンナム)さん(44)の母崔桂月(チェゲウォル)さん(78)は8日、ソウルでの記者会見で、目の前に息子がいるかのように手を伸ばした。

 崔さんは先月末の訪日の際、横田滋・早紀江さん夫妻から「(英男さんに会うために)訪朝すべきではない」と説得された時、ショックで倒れた。

 先月29日に開かれた衆院拉致特別委ではこんな場面もあった。

 委員から「北朝鮮に(横田めぐみさんの娘の)『ヘギョンさんに会いに来て』と誘われたらどうするか」と問われた。ヘギョンさんの父親の可能性が高い金英男さんの姉英子(ヨンジャ)さん(48)は「話があれば私たちは行って会います」と答えた。

 だが、早紀江さんは「北がどんな国かを考えなくてはいけない。危険な状況だ」と拒否した。北朝鮮に対する態度の違いが、はっきりした瞬間だった。早紀江さんは8日も訪朝について「まだそこまで考えが及ばない」と困惑した胸の内をのぞかせた。

 韓国では00年以降、拉致被害者12人の家族が「特殊離散家族」として離散家族再会事業で面会している。しかし、再会が実現するのは一度だけで、拉致被害者は北朝鮮当局から「北朝鮮で幸せに暮らしている」と言わされるのが常だ。

 その現実を知りながらも、崔さんは息子と会うことを選んだのだった。

 「同胞愛」と「人道主義」--。北朝鮮が韓国側に送った面会許可の通知文で使った言葉は、南北が同じ民族であるとする「一体感」を印象付けている。そこには拉致問題で韓国を北朝鮮側に誘導し、日本との分断を図りたいという北朝鮮側の戦術が読み取れる。

 通知文送付は、離散家族再会事業開始(今月19日)まで10日余りというタイミングだった。北京の外交筋は「突拍子もない行動に出るという北朝鮮特有の交渉戦術という見方もできる。だが、今回は何とか離散家族再会事業に間に合わせることができたと解釈すべきだろう」と分析している。

 一方で北朝鮮は拉致問題での日韓の温度差を敏感に感じ取っているようだ。

 日本側の拉致被害者家族は、被害者の日本送還までは北朝鮮を訪問しないとの姿勢を貫く。韓国側は離散家族再会事業という民族交流を通してでも被害者と家族の面会を実現させようとしてきた。北朝鮮はこの対応の違いを十分に認識している。日韓を分断することによって、拉致問題の国際化を防ぎたい考えのようだ。

 北朝鮮指導部では、日本人拉致問題は既に解決したことになっている。「金英男さんと母親の再会が実現しても、妻とされる横田めぐみさんに関する新たな情報を得られる可能性はほとんどない」(北京の外交筋)との見方が有力だ。

 ◇北朝鮮の「国際包囲網」に水差す一手

 北朝鮮が金英男さんと母崔桂月さんの再会を決定したことは、安倍晋三官房長官が主導する拉致問題の「対北朝鮮国際包囲網」作りに水を差す一手だ。

 金さんの存在が浮上したこと自体、韓国との連携を重視する安倍氏がDNA鑑定を実現させた結果だったが、北朝鮮に逆手に取られた格好だ。政府は今後の展開を注視しつつ、主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)などの場を活用し「これまでと同様に北朝鮮への圧力を強めていく」(政府筋)としている。

 安倍氏は8日の記者会見で「北朝鮮の真意は承知していない。(再会は)ご家族自身が判断すべきことだ」と、政府としては見守るしかないとの立場を説明。「金さんと横田めぐみさんの救出のために日韓両国がよく協力することが大切だ」と強調した。

 DNA鑑定は安倍氏が昨年末、羅鍾一(ラジョンイル)駐日韓国大使に協力を求め、韓国の家族から血液などの提供を受け4月に実施した。金さんがめぐみさんの夫である可能性が高いことが判明すると、安倍氏は「拉致問題が国際的な広がりを持っていることがはっきりした」とし、国際包囲網を狭める動きを加速させた。

 めぐみさんの母早紀江さんとブッシュ米大統領との会談実現に尽力したのも、5月末に訪日した崔さんら韓国の拉致被害者家族らと面会したのもその一環だった。

 ただし、安倍氏の意気込みとは裏腹に、北朝鮮への融和政策を進める韓国政府は拉致問題解決に必ずしも積極的でなく、しぶしぶ日本に協力してきた面もある。日本政府は早い段階で崔さんが金さんとの再会を切望しているとの情報を得ており、「止めようもなく打つ手がなかった」(安倍氏周辺)のが実情だった。【犬飼直幸】

 ◇韓国、拉致経過追及せず

 「拉致問題を政治キャンペーンに利用すると解決が難しくなる。人権問題として静かに誠意を持って対応したい」

 韓国統一省高官は8日の会見で、金英男さんと母親の再会を許可した北朝鮮の発表について、南北間の信頼に基づく成果だと強調した。名指し批判は避けたが、日本との違いを意識した発言とみられる。

 韓国政府が拉致問題解決のゴールを本国への帰国に置いている点は日本と違いはない。しかし、「拉致の存在も認めず、生死確認すら進んでいない中で、送還(帰国)をいきなり求めるのは非現実的」(統一省高官)との判断から、生死確認と再会に重点を置いているのが現実だ。

 5日の国家情報院の発表によると、朝鮮戦争(1950~53年)後の韓国人拉致被害者は従来統計より4人増えて489人。このうち生存が確認できたのは103人だけ。金英男さんの再会を拉致問題解決につなげるためにも「英男さんの拉致の経過は追及しない」(韓国政府当局者)のが韓国政府の本音だ。

 一方、「拉北者家族会」の崔成竜(チェソンヨン)代表は8日の会見で「拉致犯が韓国にいる金英男氏との面会を認めたことは、北朝鮮が韓国人拉致の事実を認めたも同然だ」と期待感をにじませた。

 ◇日本の家族会「全員の帰国目指す」

 金英男さんと母親の再会は、日韓の拉致被害者家族の連携にどんな影響を及ぼすのか。日本の家族会は、従来の関係を保つ考えだが、一部に「連携はできない」との声も出始めている。

 「(ブッシュ米大統領との面会など)世界各国の人に『拉致は許せない』という思いが伝わってきて、やっとここまで来た。協力の大切さはこれからも変わらない」。めぐみさんの母、横田早紀江さん(70)はそう語り、今後も日韓の拉致被害者家族の連携を強めていく考えを示した。

 一方、家族会事務局長の増元照明さん(50)は「英男さんの家族とは共闘できるとは思えない」と不満をあらわにする。「訪朝しても英男さんが『北朝鮮公民』を名乗り、取り戻せなくなることは明らかだ。全員の帰国を目指す方針は変わらない」と話した。

 家族会と支援団体・救う会は「離散家族数人が北朝鮮の監視下で再会しても拉致問題解決にはつながらない」と指摘したうえで、「今後も韓国の拉致被害者家族、支援者、心ある国会議員、国民の皆さんとの連携を強め、すべての拉致被害者救出を求め続ける」との緊急声明を出した。【工藤哲】

毎日新聞 2006年6月9日 2時12分
拉致事件:北朝鮮、問題広がり恐れ、日韓分断狙う-事件:MSN毎日インタラクティブ