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「安全の保証」が最重要―イランの核交渉で北朝鮮外交筋

 【ウィーン12日小川敏】イランがウラン濃縮活動を停止した場合の「見返り」と拒否した時の制裁内容をまとめた包括案で国連安保常任理事国(5カ国)とドイツの6カ国が合意、欧州連合(EU)のソラナ共通外交・安保保障上級代表が6日、同包括案をテヘランでイラン指導者に提示したが、イランと同様に核問題を抱える北朝鮮は欧米とイラン間の核交渉の行方に強い関心を寄せている。とりわけ、6カ国が提示した包括案の内容だ。

 当地の北朝鮮核問題担当外交筋はこのほど本紙との会見に応じ、「重要なポイントは包括案の中に『安全の保証』が明記されているかどうかだ。イラン指導者にとって『安全の保証』は軽水炉建設支援や経済援助より数段重要なはずだ」と指摘、「それはわが国にも当てはまる」と強調した。

 同外交筋は「わが国が米国から『安全の保証』を勝ち得るならば、わが国は核開発計画の放棄も検討するはずだが、ブッシュ米政府はわが国に『安全の保証』を与える考えはないはずだ。わが国の現体制の継続を意味するからだ」と説明した。

 なお、米ABCテレビは6日、包括案の中に「領土保全の保証の道が開かれる」との表現が含まれていると報じ、ブッシュ政権がイランに実質的な「安全の保証」を供与したと伝えている。

2006/6/12 21:06
「安全の保証」が最重要?イランの核交渉で北朝鮮外交筋

民団・総連 和解声明から間もなく1カ月

 在日本大韓民国民団(民団)と在日本朝鮮人総連合会(総連)が、和解をうたう突然の共同声明を発表してから間もなく1カ月になる。半世紀にわたる対立の歴史に終止符が打たれるはずが、民団地方本部の反発で雲行きが怪しくなっている。「共同声明は歓迎するが、本当に和解は実現できるのか」。県内の両団体も中央の動きを注意深く見守っている。
(吉野慶祐)

 「今からでも遅くはない。民団は約束を守って祝典に参加してほしい」。総連県本部の金晋坤(キムシンコン)委員長(79)は5日、残念そうに注文をつけた。

 民団と総連は5月17日、「反目と対立を、和解と和合に転換させる」とする共同声明を発表。その柱の一つに、00年の南北首脳会談6周年を記念し、14日から韓国で開かれる「6・15民族統一大祝典」への参加があった。しかし、民団は6月1日、地方本部の反発を理由に参加を断念した。

 和解への歩みが早くもつまずいたことに、民団県本部の高正基(コウジョンギ)事務局長(65)は「ぬか喜びだったのか」と肩を落とす。

 地方本部の反発には、中央主導で進められた和解への不満が背景にある。大分県本部は「執行部の一部で決められ、民団員の意見を集約していない」、佐賀県本部も「和解実現の動きは評価するが、地方への説明が不十分だ」とする意見書を執行部に出した。千葉県本部は「組織内に責任ある説明ができない。共同声明は白紙撤回すべきだ」と強硬姿勢だ。

 民団県本部は意見書こそ出していないものの、他県と同じく中央の動きに振り回されてきた。

 共同声明は「歓迎すべきこと」と喜んだ。しかし翌日、民団がそれと引き換えに脱北者支援事業の中止など3条件を受け入れた、との一部報道に接し、「話が変わってきた」と態度を留保。5月23日に宮崎市であった九州・沖縄各県本部幹部の集会では、中央本部から駆けつけた河丙諐(ハビョンオク)団長が「そのような裏取引はない」と否定した。

 民団県本部は現在、「河団長の説明を信じるしかない」と、再び和解を歓迎する姿勢に転じつつある。12日に開かれる各地方本部の団長会議で執行部の説明を聞き、13日の県本部役員会で県としての姿勢を固める。

 今回の足踏みは、両県本部の今後に微妙な影を落としている。共同声明に記されたもう一つの行事、植民地支配からの解放を祝う「8・15記念祝祭」の共催への影響だ。

 これまで両県本部は、8月15日の記念式典をホテルなどで別々に開いてきた。共同声明発表を受け、民団県本部は式典の共催を総連県本部に呼びかけたい考えだ。

 しかし、総連県本部の金委員長は「まだ先のことで何とも言えない。6・15の約束をほごにされては、応じられるかどうか」と慎重な構えだ。

 両団体には路線の違いがある。例えば、民団県本部は県議会に、永住韓国人の地方参政権確立を国に求める意見書を採択するよう訴えてきた。民団中央本部によると、47都道府県で未採択なのは宮崎を含む11県。民団県本部は9月議会にも陳情書を提出する方針だ。

 一方、総連県本部は「朝鮮人が日本の政治に参加すれば内政干渉にあたる」と、参政権を求めていない。

 両団体は一切の交流がなかった。ともに「うちは交流を呼びかけたが、相手が応じなかった」と説明している。

 とはいえ、共同声明で隔たりが縮まったのも確かだ。民団県本部の高事務局長は「和解の機運を何とか生かしたい」と話し、総連県本部の金委員長も「融和を進めたい気持ちに変わりはない」。期待と不安をもって、中央を見つめている。
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「北」偽札ダブつき 米制裁効果

≪国外流通せず NGO調査≫

 北朝鮮や中朝国境周辺で、米ドルや中国人民元、日本円などの偽札が大量に出回っていることが、日本のNGO(非政府組織)「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」が北朝鮮内で行った聞き取り調査で分かった。北朝鮮によるマネーロンダリング(資金洗浄)や偽札流通に対し、米国が実施している金融制裁や取り締まり強化の影響で、北朝鮮では偽札が“飽和状態”になっている様子が浮き彫りになっている。

 RENKのメンバーは今年4月、北朝鮮内で平安南道や咸鏡北道、咸鏡南道、黄海南道に住む30~60歳代の男女5人に対して偽札などに関する聞き取り調査を実施。メンバーが中国に出国したため結果をまとめた。

 中朝国境で覚醒(かくせい)剤取引をした30歳代の密輸業者の男は日本円で61万円を受け取ったが、すべてが偽造紙幣だったことが後で判明した。覚醒剤取引は、現金と「ブツ」の交換時に真偽を確認する習慣はなく、その場で偽札だと確認できなかった。

 この男の証言によれば、韓国に定住した脱北者が昨年12月、北朝鮮に残っている親類に中朝国境を通じて、2万ドルを「隠送ルート」で送金したが、北朝鮮の国境警備隊に偽百ドル札数十枚をすり替えられた。

 40歳代の貿易商の男性は中国側にいる親類に会うために越境したが、中国公安当局に拘束され、身柄は北朝鮮の人民保安省(警察機関)の関係機関に引き渡された。持っていた中国人民元5000元などが押収され、取り調べを受けた後、返還された5000元のうち3000元が偽造紙幣だったという。

 北朝鮮には外貨を交換する闇換金市場がある。聞き取りの結果を総合すると、米国の制裁が効き始めた今年初めごろから、闇市場に大量の偽ドル札を持ち込み、安く換金しようとする朝鮮人が増加した。

 40歳代の男性労働者は「3月に(北朝鮮北東部の)清津の浦項区域に本物の6割の値段で偽札を売る売人が現れた」と証言。数万~数十万の偽ドル売買の商談が過去に比べて多発しているという。

 偽ドルは「機械複写」と「コンピューター複写」の2種類に大別される。機械複写は精巧な仕上がりで、真偽の判別が難しいことから、「平壌(国家)から流れている」との見方が広がっている。これらの偽造紙幣は真券の8割程度で売買が成立するケースが多い。コンピューター複写は民間から流通しているとみられ、識別が比較的簡単で、支払い時の混入方式でしか通用しないという。

 RENK代表の李英和関西大教授は「北朝鮮が国家事業として偽札製造、流通に関与していることは明白だが、米国の制裁の影響で国外に流通しにくくなっているのではないか。そこに民間で製造された粗悪な偽札も交ざり、かなり混乱している」と分析している。

【2006/06/12 東京朝刊から】

(06/12 10:15)
Sankei Web 国際 「北」偽札ダブつき 米制裁効果(06/12 10:15)