「北」偽札ダブつき 米制裁効果 | trycomp2のブログ
≪国外流通せず NGO調査≫
北朝鮮や中朝国境周辺で、米ドルや中国人民元、日本円などの偽札が大量に出回っていることが、日本のNGO(非政府組織)「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」が北朝鮮内で行った聞き取り調査で分かった。北朝鮮によるマネーロンダリング(資金洗浄)や偽札流通に対し、米国が実施している金融制裁や取り締まり強化の影響で、北朝鮮では偽札が“飽和状態”になっている様子が浮き彫りになっている。
RENKのメンバーは今年4月、北朝鮮内で平安南道や咸鏡北道、咸鏡南道、黄海南道に住む30~60歳代の男女5人に対して偽札などに関する聞き取り調査を実施。メンバーが中国に出国したため結果をまとめた。
中朝国境で覚醒(かくせい)剤取引をした30歳代の密輸業者の男は日本円で61万円を受け取ったが、すべてが偽造紙幣だったことが後で判明した。覚醒剤取引は、現金と「ブツ」の交換時に真偽を確認する習慣はなく、その場で偽札だと確認できなかった。
この男の証言によれば、韓国に定住した脱北者が昨年12月、北朝鮮に残っている親類に中朝国境を通じて、2万ドルを「隠送ルート」で送金したが、北朝鮮の国境警備隊に偽百ドル札数十枚をすり替えられた。
40歳代の貿易商の男性は中国側にいる親類に会うために越境したが、中国公安当局に拘束され、身柄は北朝鮮の人民保安省(警察機関)の関係機関に引き渡された。持っていた中国人民元5000元などが押収され、取り調べを受けた後、返還された5000元のうち3000元が偽造紙幣だったという。
北朝鮮には外貨を交換する闇換金市場がある。聞き取りの結果を総合すると、米国の制裁が効き始めた今年初めごろから、闇市場に大量の偽ドル札を持ち込み、安く換金しようとする朝鮮人が増加した。
40歳代の男性労働者は「3月に(北朝鮮北東部の)清津の浦項区域に本物の6割の値段で偽札を売る売人が現れた」と証言。数万~数十万の偽ドル売買の商談が過去に比べて多発しているという。
偽ドルは「機械複写」と「コンピューター複写」の2種類に大別される。機械複写は精巧な仕上がりで、真偽の判別が難しいことから、「平壌(国家)から流れている」との見方が広がっている。これらの偽造紙幣は真券の8割程度で売買が成立するケースが多い。コンピューター複写は民間から流通しているとみられ、識別が比較的簡単で、支払い時の混入方式でしか通用しないという。
RENK代表の李英和関西大教授は「北朝鮮が国家事業として偽札製造、流通に関与していることは明白だが、米国の制裁の影響で国外に流通しにくくなっているのではないか。そこに民間で製造された粗悪な偽札も交ざり、かなり混乱している」と分析している。
【2006/06/12 東京朝刊から】
(06/12 10:15)
Sankei Web 国際 「北」偽札ダブつき 米制裁効果(06/12 10:15)
