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米朝が先月「覚書」 支援と原子炉停止を同時に開始

 6者協議の米朝首席代表のヒル国務次官補と金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官が1月にベルリンで協議した際、朝鮮半島の非核化に向けた初期段階の措置について大枠で合意し、「覚書」に署名していたことがわかった。数週間以内に北朝鮮が寧辺の原子炉の停止などを実行に移す一方、見返りとして北朝鮮へのエネルギー・人道支援が同時に開始されることが盛り込まれているという。8日から北京で再開される6者協議では、この合意をもとに議論が進む可能性が高い。

 複数の米朝関係者が明らかにした。米朝高官が6者協議の枠組みで文書を取り交わすのは今回が初めてとみられる。ベルリン協議の直後、北朝鮮外務省は「(同協議で)一定の合意に達した」と語っていた。

 覚書の中で北朝鮮は寧辺の黒鉛減速炉(5000キロワット)を停止し、02年12月に追放した国際原子力機関(IAEA)査察官の現場復帰に応じ、米国は北朝鮮へのエネルギー・人道支援を支持する立場を表明している。ただ、支援の量や種類などの内容には触れておらず、6者協議で主要議題の一つとなる見通しだ。

 金次官は2月初め、訪朝した元米政府当局者らに対し、軽水炉が完成するまでの補償として年間50万トンを超える重油の供給かそれに相当する電力供給を求めている。

 人道支援については韓国政府が、昨年7月のミサイル発射で中断したコメ・肥料支援の再開を検討しているが、北朝鮮はさらなる支援を求めてくる可能性が高い。

 覚書では原子炉停止と支援開始に同じ期限が設定されているという。ヒル次官補は6日に東京で「ひとけたの週内」に初期段階の措置に向けた行動をとる必要性を強調。中国も「2カ月をめどに共同声明の初期段階の措置を実行に移したい」(当局者)としており、60日前後を想定しているとみられる。

 関係者によると、6者協議の議長を務める中国の武大偉(ウー・ターウェイ)外務次官はヒル次官補から覚書の写しを受け取り、金次官からも説明を受けているという。

 これまで、北朝鮮が核不拡散条約(NPT)脱退を宣言し、核施設を再稼働させるなどしたことに対し、ブッシュ米政権は「悪行に見返りは与えない」との姿勢だったが、覚書の大枠は、核の放棄と見返りは同時に実施されるべきだと「同時行動原則」を主張してきた北朝鮮に米国が譲った形だ。

 ベルリン協議後、金次官は「(協議内容に)満足している」と語っていた。発言の背景には「米国から譲歩を勝ち取った」(北朝鮮筋)との受け止めがあったとみられる。

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「拉致問題解決は最重要課題」と安倍首相が強調

 安倍首相は9日午前に始まった衆院予算委員会の基本的質疑で、北朝鮮の核開発をめぐる6者協議について「北朝鮮が核廃棄において早期に具体的行動をとるよう促していくことは重要だ。日本も協力していく」と述べる一方、「日朝間の問題は核だけではない。拉致問題の解決は、私の内閣の最重要課題だ」と強調した。核問題をめぐって米朝が歩み寄りを見せる中、北朝鮮へのエネルギー・人道支援の前提として拉致問題の進展を求める安倍政権の姿勢を改めて示したものだ。

 自民党の丹羽雄哉氏の質問に答えた。首相は「米国は6者協議で、日朝協議が進まなければならないと明言している。日朝協議は拉致問題も入っているから、その問題について明言していることは重要だ。それこそが同盟関係だ」と述べ、米国が拉致問題を重視することに期待感を示した。

 首相はまた、「成長力底上げ戦略構想チーム」では「人材能力、就労支援、中小企業の3分野に着目し、短期集中的にとりまとめる」と説明。ワーキングプアや非正規社員に「政治の光をあてていく必要がある」と強調するとともに、「年長フリーターの正規雇用を阻害しているのは新卒一括採用だ。経営者が頭を切りかえることでチャンスが生まれてくる」とフリーター対策にも取り組む姿勢を示した。

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「北朝鮮の核施設停止2カ月内」 6者協議で中国が素案

 北京で再開した北朝鮮の核問題をめぐる6者協議で、議長国の中国は9日未明までに、合意文書素案を参加国に示した。複数の協議関係筋によると、素案には、北朝鮮が2カ月以内に寧辺(ヨンビョン)の核関連施設の稼働を停止し、国際原子力機関(IAEA)の査察官を復帰させる一方、関係国が経済・エネルギー支援を北朝鮮に提供することなど、非核化へ向けた「初期段階の措置」が盛り込まれている。複数の作業部会を設置する項目も含まれており、今後の協議で本格的な調整が始まる。

 協議筋は9日、「日朝関係」の作業部会設置が素案に盛りこまれている、と語った。中国は昨年、(1)非核化(2)米朝関係(3)日朝関係(4)対北朝鮮エネルギー支援(5)北東アジアの安全保障、の五つの部会設置を提案している。また、米国首席代表のヒル国務次官補は同日朝、記者団に「設置される作業部会は4~6になるだろう」と述べた。

 韓国の聯合ニュースは、稼働停止対象は寧辺の5000キロワット級黒鉛減速炉だけでなく計5カ所の核施設に及び、「封印」まで要求していると報道。北朝鮮へのエネルギー支援も「2カ月など一定の期間内に開始する」としているという。

 6者協議は9日午前、首席代表会合が行われた。午後には関係国による2国間会合が開かれる見通し。ヒル氏によると、同日中に米朝の直接協議も予定されている。

 ただ、北朝鮮はできるだけ拘束力の少ない措置で最大限の見返りを求めてくるとみられる。核施設を「稼働停止」とするか、再稼働もありうることを示唆する「凍結」などの表現にするかや、経済・エネルギー支援の規模、各国の負担割合などは今後の大きな焦点になりそうだ。

 千英宇(チョン・ヨンウ)・韓国首席代表は9日朝、中国の合意文書素案について「6者間の協議の基礎としてはいいと思う。だが、平坦(へいたん)な協議になると予断したくはない」と述べた。

 米朝が先月、ベルリンでもった直接協議では、原子炉停止と北朝鮮支援を同時に始めることで大筋合意し、「覚書」を交わした。中国はこれらの事前合意などをもとに、合意文書の素案を作ったとみられる。

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