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北朝鮮要求の電力支援で調整難航

 【北京・大貫智子】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は3日目の10日、議長国・中国を中心に2国間協議が断続的に開かれた。北朝鮮が核廃棄に向け「初期段階で取るべき措置」の見返りとして要求したとみられる電力200万キロワット相当の支援に対し、他の5カ国の間でその時期と内容などの調整が難航。11日以降の協議で各国が意見を一致させられるかが焦点だ。

 中国外務省の秦剛副報道局長は10日の協議終了後、北朝鮮への「経済・エネルギー協力」が障害になっていると指摘したうえで、5カ国の考えに「比較的大きな隔たりがある。今後、曲折を経るのは避けられないだろう」と述べた。

 また、韓国外交通商省の千英宇(チョンヨンウ)朝鮮半島平和交渉本部長は同夜、記者団に「核心的な争点は1、2個に絞られたが、各国の利害が一致しない部分なので妥結できなかった」と説明。「北朝鮮が(核廃棄に向け)取る措置より、(北朝鮮への)見返り措置が議論になった」と述べた。

 一方、ヒル米国務次官補は協議後、記者団に「一つの問題が合意達成の障害になっている」と指摘。具体的内容には言及しなかったが「5カ国間の問題とはとらえていない。問題は北朝鮮が明確な措置を(5カ国に)望んでいることだ」と語った。「北朝鮮の要求があまりに大きい」(日本政府筋)との受け止め方もあり、見返り支援の分担などとともに争点となっているようだ。

 北朝鮮は条件次第で核施設閉鎖を受け入れたとみられ、日本がエネルギー支援に慎重姿勢を示していることから見返り措置への対応は米韓を軸に協議している模様だ。

 中国が10日中にも予定していた合意文書の修正草案の提示は、めどが立っていない。

 中国が示した第1次合意文書草案は(1)北朝鮮は五つの核関連施設を2カ月以内に稼働停止する(2)5カ国はエネルギー支援を同時履行する(3)五つの作業部会設置--などを盛り込んだが、エネルギー支援の具体的数値は明記していない。

毎日新聞 2007年2月10日 20時16分 (最終更新時間 2月11日 1時21分)

6カ国協議:北朝鮮要求の電力支援で調整難航-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ

北朝鮮の常とう手段=電力200万KW要求

 【北京・西岡省二】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で焦点となっている「見返り措置」に、北朝鮮が「電力200万キロワット相当のエネルギー支援」を持ち出したことが伝えられ、他の参加国が難色を示している模様だ。「200万キロワット」は北朝鮮が過去の交渉で繰り返し示してきた「常とう手段」としての数値で、関係者の間には「北朝鮮の主張は基本的には何ら変化がない」との見方が強い。

 韓国の聯合ニュースは10日、北朝鮮が核廃棄の「初期段階措置」に踏み切る見返りとして、電力200万キロワット相当のエネルギーを、60日以内に、使える形で提供することを要求したと報じた。エネルギーの具体的な形態には触れていないが、聯合ニュースは「重油提供を事実上求めた」と指摘している。

 この「電力200万キロワット」は北朝鮮がかつて多くの交渉の場で求めてきた数字だ。米朝枠組み合意(94年)の交渉過程で北朝鮮側は、旧ソ連が85年に「電力約200万キロワットを生産する軽水炉提供」を北朝鮮に約束したことを持ち出し、この計画を米国が引き継ぐよう要求。結局「総発電能力200万キロワットの軽水炉提供」が合意事項に盛り込まれた。完成までの間、原子炉が生産する電力と、同量の電力・蒸気熱を生産できる燃料用重油(年間50万トン)が供給されたという経緯がある。

 今回の要求は、この軽水炉建設中止の代償を念頭に置いているとみられる。第3回6カ国協議(04年6月)でも、北朝鮮はすべての核兵器関連施設凍結などの見返りに「重油・電力提供などによる200万キロワットの能力のあるエネルギー支援」を「米国が参加する形」で求めたことがある。

 北朝鮮へのエネルギー支援について、枠組み合意に基づき提供されていた燃料用重油は北朝鮮北東部・羅先(ラソン)の精製所に運ばれ、付近の火力発電所で燃やして周辺都市の電力として供給されていたとされる。羅先市民の一人は「米国が合意を破って軽水炉を建設せず、重油も止めてしまい、市内の停電が極端に多くなった。重油でも送電でも、ともかく電力供給を増やしてほしい」と話している。

毎日新聞 2007年2月10日 20時05分

6カ国協議:北朝鮮の常とう手段=電力200万KW要求-中近東・ロシア:MSN毎日インタラクティブ

核「閉鎖」求める米国 北朝鮮はどう解釈?

 【北京・堀山明子】今回の6カ国協議で米国は、核廃棄に向けた「初期段階の措置」の一つとして北朝鮮に対し、核施設の「凍結」ではなく、逆戻りできない稼働停止を意味する「閉鎖」を強く求めている。北朝鮮は94年の米朝枠組み合意に基づいて寧辺(ニョンビョン)の実験用原子炉などを凍結したが、02年末に国際原子力機関(IAEA)の査察官を追放し、核施設の封印を解いた前例がある。北朝鮮が凍結を解除できる余地を残せば過去の失敗の二の舞いとなりかねないことが「閉鎖」にこだわる理由だ。

 ヒル米国務次官補は9日、「我々の関心は凍結ではなく閉鎖だ。凍結では(核廃棄の)プロセスにつながらない」と述べた。05年9月に合意した6カ国共同声明では「すべての核兵器と現存する核計画の廃棄」が明記されており、「凍結」止まりだった94年合意との違いを明確にしようとしたとみられる。

 米国は昨年10月の北朝鮮核実験前まで、「凍結に対価は与えない」との立場を取り、核施設の稼働停止に見返りを提供する議論自体を拒否してきた経緯がある。

 韓国政府当局者は「閉鎖」と「凍結」の違いについて「閉鎖の究極的な目標は、北朝鮮のプルトニウム生産を食い止めることだ」と説明。原子炉の核心部分を取り除くなど再稼働できない状態に持ち込み、数カ月以内に廃棄の手続きに入る状態を意味するという。

 ただ、核専門家によると、「閉鎖」には施設の稼働停止から廃棄直前までを指す幅広い意味が含まれ、定義があいまいだという。合意文書で「閉鎖」という用語が盛り込まれても、北朝鮮が米国の思惑と違う解釈をし、再稼働の余地を残そうとする可能性もある。

毎日新聞 2007年2月10日 20時21分


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