北朝鮮の常とう手段=電力200万KW要求
【北京・西岡省二】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議で焦点となっている「見返り措置」に、北朝鮮が「電力200万キロワット相当のエネルギー支援」を持ち出したことが伝えられ、他の参加国が難色を示している模様だ。「200万キロワット」は北朝鮮が過去の交渉で繰り返し示してきた「常とう手段」としての数値で、関係者の間には「北朝鮮の主張は基本的には何ら変化がない」との見方が強い。
韓国の聯合ニュースは10日、北朝鮮が核廃棄の「初期段階措置」に踏み切る見返りとして、電力200万キロワット相当のエネルギーを、60日以内に、使える形で提供することを要求したと報じた。エネルギーの具体的な形態には触れていないが、聯合ニュースは「重油提供を事実上求めた」と指摘している。
この「電力200万キロワット」は北朝鮮がかつて多くの交渉の場で求めてきた数字だ。米朝枠組み合意(94年)の交渉過程で北朝鮮側は、旧ソ連が85年に「電力約200万キロワットを生産する軽水炉提供」を北朝鮮に約束したことを持ち出し、この計画を米国が引き継ぐよう要求。結局「総発電能力200万キロワットの軽水炉提供」が合意事項に盛り込まれた。完成までの間、原子炉が生産する電力と、同量の電力・蒸気熱を生産できる燃料用重油(年間50万トン)が供給されたという経緯がある。
今回の要求は、この軽水炉建設中止の代償を念頭に置いているとみられる。第3回6カ国協議(04年6月)でも、北朝鮮はすべての核兵器関連施設凍結などの見返りに「重油・電力提供などによる200万キロワットの能力のあるエネルギー支援」を「米国が参加する形」で求めたことがある。
北朝鮮へのエネルギー支援について、枠組み合意に基づき提供されていた燃料用重油は北朝鮮北東部・羅先(ラソン)の精製所に運ばれ、付近の火力発電所で燃やして周辺都市の電力として供給されていたとされる。羅先市民の一人は「米国が合意を破って軽水炉を建設せず、重油も止めてしまい、市内の停電が極端に多くなった。重油でも送電でも、ともかく電力供給を増やしてほしい」と話している。
毎日新聞 2007年2月10日 20時05分
6カ国協議:北朝鮮の常とう手段=電力200万KW要求-中近東・ロシア:MSN毎日インタラクティブ