6カ国協議:米の最後通告に、北朝鮮が土壇場で柔軟姿勢
【北京・笠原敏彦、堀山明子】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は6日目に入った13日未明、最大の障害だったエネルギー支援問題で急転直下の進展が図られ、核放棄を目指す「共同声明」(05年9月採択)の履行で第一歩を踏み出す合意が成立する可能性が高まった。エネルギー支援で過大な要求に固執する北朝鮮に対し、米国が「これ以上の交渉は必要ない」(ヒル国務次官補)と最後通告を突きつけた結果、北朝鮮が土壇場で柔軟性を示した結果だ。
ヒル国務次官補は11日夕の金桂冠(キムゲグァン)外務次官との米朝会談で、5カ国が北朝鮮に行うエネルギー支援で「可能なことと不可能なこと」を明確に伝え、平壌と相談して回答するよう求めた。ヒル代表は12日朝、「最終日」と位置づけたこの日の協議を前に「北朝鮮が決断を下すときだ」と述べ、交渉決裂もいとわない強い姿勢を見せた。
北朝鮮は、核施設5カ所の稼働停止など核放棄に向けた「初期段階措置」の見返りに、200万キロワット相当の電力供給など大規模なエネルギー支援を求め、「過大な要求」と受け止める他の5カ国と鋭く対立した。こう着した交渉は、12日朝から13日未明にかけた断続的なマラソン交渉の結果、代表団レベルで事態打開が図られた。
韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮に対し(1)核施設を閉鎖すれば参加国は重油50万トン相当のエネルギーを提供(2)核施設の「不能化」措置を受け入れれば重油100万トン相当のエネルギーや人道支援を提供する--の2段階で見返り支援を与えることで合意したという。「核開発凍結対補償」を取り決めた94年の「米朝枠組み合意」で、米国は年間で重油50万トンを提供した。
北朝鮮が柔軟性を見せ始めた背景では、初期段階措置での合意により、▽念願の「米朝関係正常化」作業部会が設置される▽核交渉の進展と連動すると見られる金融制裁の解除への期待がある▽16日の金正日(キムジョンイル)総書記の65歳の誕生日までに「成果」を上げたい--などの思惑があると見られる。
一方、ヒル代表はエネルギー支援の規模は「作業部会で話し合うべきだ」と問題の先送りを主張してきただけに、米国にとっても譲歩となった。ブッシュ政権が対北朝鮮で柔軟姿勢を見せているのは、同国の核開発問題をこれ以上悪化させたくないという現実路線に傾いた結果だ。
しかし、6カ国が初期段階措置で合意しても、北朝鮮が核を放棄するという保証はない。エネルギー支援を行う5カ国にとっては極めて大きなリスクを背負った合意になる。
毎日新聞 2007年2月13日 11時54分 (最終更新時間 2月13日 13時05分)勢
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首相「拉致あるのでエネルギー支援できぬ」 6者協議で
安倍首相は13日の衆院予算委員会で、6者協議について「日本は拉致の問題があるので、エネルギーの支援や援助はできない」との政府方針を改めて強調した。そのうえで「しかし、そういう枠組みをつくる中において、北朝鮮(の核廃棄)を各国が促すことについては日本も協力していこうということだ。日本の立場は他の国々も十分に理解している」と述べた。菅直人氏(民主)の質問に答えた。
また、首相は日朝首席代表の二国間協議について「日本から拉致問題の解決を強く北朝鮮に求めたが、具体的な進展はなかった」と説明した。
asahi.com:首相「拉致あるのでエネルギー支援できぬ」 6者協議で?-?政治
6か国 合 意文書を最終調整
北京で開かれている6か国協議は、北朝鮮が核の放棄に向けた具体的な措置を取る見返りに各国がエネルギー支援を行うとする合意文書の修正案について、各国代表が最終的な調整に入っており、北朝鮮が同意すれば合意文書として採択されることになります。
6日目に入った6か国協議は、各国の首席代表による会合が始まりました。議長国の中国が、13日未明、各国に示した合意文書の修正案では、北朝鮮が核の放棄に向けてニョンビョンの核関連施設の稼働停止や、IAEA=国際原子力機関の査察官の受け入れ、それにニョンビョン以外の核施設を申告し、その見返りとして各国がエネルギー支援を行うことが盛り込まれているものとみられます。アメリカ代表のヒル国務次官補は、13日朝、記者団に対し「中国が力を尽くしてまとめた文書であり、北朝鮮がよい回答を示すことを期待している」と述べました。また、日本の佐々江外務省アジア大洋州局長は「修正案はわれわれとしてはおおむねよい文書だと思っているが、いろんな点について意見はある。意に達するためには、北朝鮮が前向きな対応をすることが大切だ」と述べました。アメリカと韓国の代表はすでに修正案について受け入れる考えを示しており、北朝鮮が首席代表会合で修正案に同意すれば合意文書として採択されることになります。
NHKニュース