進展なしの作業 部会、北朝鮮の戦略は?
「拉致は解決済」との立場を崩さなかった北朝鮮ですが、こうした強気な姿勢の背景には、北朝鮮側のどのような戦略があるのでしょうか。
拉致問題に関する協議で7日、北朝鮮側は従来から変わっていない日本の主張に激しく反発し、協議打ち切りを求めてきたことから、もともと、実質的な協議に応じるつもりはなかったものとみられています。
これについて政府関係者は、北朝鮮は交渉相手の日本よりも、アメリカや中国といった関係国を意識して行動したのではないかとみています。
「(日本政府は)死んだ人を生き返らせ、帰国させなければ拉致問題は解決しないという、ありえない主張をした」(北朝鮮、ソン・イルホ大使)
米朝協議が順調に進む中で、北朝鮮は、日朝協議だけが前進しないのは日本が無理難題を押しつけるからだという印象を関係国に与え、日本を孤立化させようというわけです。その一方で政府は、ソン大使が8日の会見で「国交正常化が前進するなら考える余地はある」と述べたことに着目し、何らかのメッセージを汲み取ろうとしています。
しかし結局は、本国で報告を受ける北朝鮮指導部がどのように出てくるのか、出方を待つしかない状態と言えます。(08日23:00)
進展なしの作業部会、北朝鮮の戦略は?
日朝、次回日程決まらず 拉致問題で平行線
日朝国交正常化に向けた6者協議の作業部会は8日、2日間の日程を終えたが、次回の日程を決められず、北京の大使館ルートを通じて調整することになった。北朝鮮の反発による中断を挟んだ2日間を通じて日本は「拉致問題の解決が国交正常化の前提」と訴えたが、北朝鮮は「絶対に受け入れられない」と拒否し、「拉致は解決済み」との従来の姿勢を変えなかった。
日本代表の原口幸市・日朝国交正常化交渉担当大使は協議終了後に記者会見し、「最低限、互いの立場を直接確認しあったこと自体には一定の意味があった」と述べたが、具体的な成果が得られなかったことは「遺憾だ」と語った。
日本が拉致被害者・家族の早期帰還などを強く求めたのに対し、北朝鮮は、日本が発動した経済制裁の解除や、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)への弾圧中止、日本が横田めぐみさんのものとは別人と鑑定した遺骨の返還、脱北者支援のNGO団体関係者の引き渡しなどを求めた。
北朝鮮代表の宋日昊(ソン・イルホ)・朝日国交正常化交渉担当大使は記者会見で「拉致問題は我々はすべてやった。今度は日本が動く時だ」と指摘。一方で、制裁が解除されれば「過程を見て(拉致問題の再調査を)考慮する」と含みをもたせた。
国交正常化をめぐっては、日本が02年の日朝平壌宣言に基づき、請求権を相互に放棄した経済協力方式による一括解決を確認しようとしたが、北朝鮮は別途「過去の清算」を要求。会見でも宋代表は「強制連行など特大型の反人倫犯罪については、経済協力と別個に計算されなければならない」と主張した。
asahi.com:日朝、次回日程決まらず 拉致問題で平行線?-?北朝鮮核問題特集
「怒りでいっぱい」=北朝鮮の対応批判-拉致家族
拉致問題で進展がないまま6カ国協議の日朝国交正常化作業部会が終了したことを受け、拉致被害者の家族らが8日、東京都内で記者会見し、北朝鮮側の対応を強く批判した。
家族会代表の横田滋さん(74)は「日本は主張すべきことは主張した。(6カ国協議で)日本が孤立していると言う人がいるが、孤立しているのは北朝鮮だ」と述べた。妻早紀江さん(71)は「怒りでいっぱい。勝手に連れて行って、死んだと言われても、そうですかと言う親はいない」と憤りをあらわにした。
家族会副代表の飯塚繁雄さん(68)は「北朝鮮は日本政府や国民をばかにした対応を続けている。北朝鮮の『解決済み』という言葉に、はっきり反論してほしい」と政府に求めた。
時事ドットコム:「怒りでいっぱい」=北朝鮮の対応批判-拉致家族