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北朝鮮資金引き出し、BDA「まだない」

 【マカオ=吉田渉】北朝鮮関連資金2500万ドルの口座があるマカオの銀行バンコ・デルタ・アジア(BDA)は11日午前、「現時点で問題の口座から資金が引き出されたという事実はない」と述べた。BDAは「口座主の要求にこたえる準備をしている」と強調、マカオ特別行政区政府の指示に従って口座資金の凍結解除の手続きに入ったことを明らかにした。

 引き出しの時期については「口座主の要求に基づくもので、今日の午後になるか明日になるかは把握していない」と述べた。マカオ政府は同日、「口座主はいつでも資金を引き出すことができる」と前日の公表内容を繰り返し、具体的な凍結解除の方法などについては言及を避けた。(14:03)

NIKKEI NET:国際 ニュース

北朝鮮金融制裁:米政府が資金返還容認 核交渉優先で譲歩、議会関係者から批判も

 【ワシントン笠原敏彦】マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の北朝鮮資金返還問題で、米政府がマネーロンダリング(資金洗浄)に絡む「不法資金」も含めて口座保有者に返還することを容認したことは、核交渉を優先する米政府の更なる譲歩を示すものだ。返還条件とした「人道・教育目的」の使途を保証する体制も整えないままの容認は、14日に期限が迫る北朝鮮の核放棄に向けた「初期段階措置」の履行を急ぐ姿勢を鮮明にしている。

 マコーマック米国務省報道官は10日、報道陣に対し、今回の解決策が「国際的な金融規制」に沿ったものだと指摘した上で、「北朝鮮がどう反応するか見守る」と語った。6カ国協議筋は「米国は現時点で北朝鮮から十分な合意を取れたわけではないようだ」と説明した。

 米財務省は先月19日、BDAの北朝鮮関連52口座(2500万ドル、約30億円)を中国国有「中国銀行」の北朝鮮口座に全面移管すると発表した際、その使途に「人道・教育目的」の条件を付けた。不法資金も含めて全面返還する「矛盾」に目をつむり、決定を正当化する根拠としたのがこの条件だった。

 第三者である中国銀行に資金を移管することには、使途目的を「監視」する含みがあった。しかし、BDAから口座保有者への直接返還ではこの機能は期待できず、ヒル米国務次官補はソウルで「具体的にはマカオと北朝鮮当局が合意することだ」と述べ、米国の管轄外との立場を示した。

 米国のBDA問題への対応は一貫性を欠き、方針変更を重ねてきた。米国は05年9月にBDAを「主要な資金洗浄懸念先」に指定。今年2月13日の6カ国協議合意の際に、それまで6カ国協議と無関係の「法執行」の問題だとしてきた姿勢を転換し、ヒル次官補は「1カ月以内」のBDA問題の解決を約束した。

 BDAから口座保有者への直接返還という今回の解決策も、中国銀行への送金作業が困難になり、初期段階措置の期限が14日に迫る中で取られた事態の収拾策だ。

 米議会関係者は、米政府の失態について「国務省が全面返還に向けて財務省を説得することばかり注意が払われ、受け入れ先の銀行などとの調整が行われなかった結果だ」と批判する。

毎日新聞 2007年4月11日 東京朝刊

北朝鮮金融制裁:米政府が資金返還容認 核交渉優先で譲歩、議会関係者から批判も-北朝鮮の動き:MSN毎日インタラクティブ

米国:北朝鮮に融和的姿勢「妥協もある」と国務省報道官

 【ワシントン笠原敏彦】マコーマック米国務省報道官は10日の会見で、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の北朝鮮関連資金の凍結解除を支持する米国の立場に関連し、「より大きな目標(北朝鮮の核放棄)の達成のために妥協することもある」と述べた。また、北朝鮮の核問題をめぐり、14日に迫る初期段階措置の履行期限についても「核施設の安全な停止」の必要性に言及し、履行のずれ込みに理解を示すかの発言を行うなど、融和的とも言える姿勢を際立たせた。

 この日の会見では、「不法資金」を含む52口座約2500万ドル(約30億円)を資金返還の条件である「人道・教育目的」の監視体制も設けずに返還することは「米国の譲歩ではないか」との質問が相次いだ。

 これに対し、マコーマック報道官は「我々が(6カ国協議で)行おうとしていることは、北朝鮮と他の国々が新たな関係を築くことだ。北朝鮮は資金の使途を誓約している。誠実な行動には誠実な行動で応え、それが信頼醸成を生む。妥協を行うこともあるが、重要なことは目標を捨てないことだ」と述べた。

 また、北朝鮮が原子炉などの稼動停止・封印を行うには「1週間以上必要」との認識を示し、「我々は核施設を安全に停止する技術的な能力の問題にぶつかっている」と指摘。北朝鮮が14日の履行期限を守らない場合の対応については「(6カ国協議の)5カ国が期限順守の問題で外交、政治的な判断を行う」と語るにとどまった。

 この日は、日本が北朝鮮籍船舶の全面入港禁止など北朝鮮に対する独自制裁の半年間延長を決定したため、「独自制裁」をめぐる日米の対応の違いが浮き彫りになった。米国の柔軟姿勢の背景には、北朝鮮にプルトニウム増産停止など一定の核放棄プロセスを踏ませることが可能だとの判断がある。

 核放棄という「より大きな目標」のために米国がどこまで譲歩するかは、北朝鮮が「テロ支援国家」の指定解除を要求しているだけに、拉致問題を抱える日本にとって大きな関心事となる。

毎日新聞 2007年4月11日 12時17分

米国:北朝鮮に融和的姿勢「妥協もある」と国務省報道官-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ