北朝鮮に返還の資 金、使途確認は困難
北朝鮮口座の資金について、マカオの銀行が凍結を解除しました。これについてアメリカ政府は、北朝鮮が資金を人道目的などに使うという認識を改めて強調しましたが、一方で、その使途を確認することは難しいとの考えを示しました。
凍結が解除された資金について、ホワイトハウスのペリーノ副報道官は、米朝間の当初の約束通り、北朝鮮国民の人道・教育関連に使われるという認識を示しました。
ただ、一方で、国務省のマコーマック報道官は、資金がどう使われたかを検証するのは難しいという考えを示しました。
「北朝鮮で起きているあらゆることをどう監視するのか?大変難しいことです」(アメリカ国務省・マコーマック報道官)
北朝鮮口座の全面凍結解除は核開発問題での前進を図るためとはいえ、これまで北朝鮮の違法な金融活動を厳しく非難してきたアメリカが全面的に譲歩した形で、今後、アメリカ国内からも強い批判が起こることが予想されます。(11日10:46)
北朝鮮に返還の資金、使途確認は困難
凍結口座解除 米国 務省「核施設停止を」
マカオの銀行に凍結されていた北朝鮮の口座が全額解除となったことを受け、アメリカ国務省は10日、「北朝鮮は2月の6か国協議での合意通り核施設の停止を履行すべきで、この問題で妥協はない」との姿勢を示した。
アメリカ国務省・マコーマック報道官は10日、「凍結資金の問題は解決した」と述べた上で、「寧辺の核施設停止など(2月の6か国協議の)合意の履行に妥協があってはならない」と話し、「次は北朝鮮が寧辺の核施設の停止を履行する番だ」との認識を示した。
核問題の進展を阻んできた凍結資金の問題をめぐっては、アメリカ財務省が10日未明に異例の声明を発表。解除された凍結資金について、アメリカ政府は10日も「人道目的に使われる保証を得ている」とコメントしているが、「確実に検証する方法はない」と自ら認めている。
また、口座の持ち主に全額返還するということは、一度「黒い金」と断定したものに「お墨付き」を与えたことにもなり、アメリカが完全に譲歩した形だ。今後は、北朝鮮の出方が焦点となるが、関係者からは、核問題で進展を得るため、なりふり構わないブッシュ政権の姿勢に批判の声も聞かれる。
日テレNEWS24
北朝鮮制裁:万景峰号の入港禁止半年延長、県内関係者に波紋 /新潟
10日の閣議決定で半年間延長された北朝鮮に対する経済制裁で、万景峰(マンギョンボン)号の入港禁止もさらに半年間延長されることになり、県内にも波紋が広がった。拉致被害者らの支援者は「圧力は当然」と支持する一方、在日朝鮮人からは困惑する声が漏れた。泉田裕彦知事は同日の会見で「拉致問題が普通の交渉で解決されない以上、港湾管理者としても政府方針に沿って対処したい」と述べた。【黒田阿紗子、岡田英】
◇「政府は強い態度で臨んで」--拉致被害者の会
拉致被害者の支援団体「救う会新潟」の馬場吉衛会長(85)は「この半年間、拉致問題は進展がなかった。政府は強い態度で臨んでほしい」。特定失踪(しっそう)者、大沢孝司さん(当時27歳)の兄、昭一(71)さんは「拉致が進展しないのに、制裁を解除する理由はない」と延長決定に期待を込めた。
一方、朝鮮総連県本部の李主〓委員長は「万景峰号は在日朝鮮人の心のよりどころ。制裁延長が問題の根本的解決につながるとは思えない」と語った。
◇「なぜ在日にしわ寄せが」
新潟市でキムチ店を営む在日朝鮮人の尹千石(ユンチョンソク)さん(79)。万景峰号の入港が禁じられた後の昨年11月、平壌にいた長男・柳正煕(リュウチョンヒ)さん(享年58歳)を突然の心臓発作で亡くした。その年の夏に万景峰号で北朝鮮に行くつもりだったが、経済制裁であきらめた直後だった。「もし万景峰号が止まっていなければ、もう一度せがれと会えたのに」。こみ上げる怒りを無力感が包んだ。
1965年、帰国事業で母や弟妹は北朝鮮へ渡った。だが、新潟で働く夫のため、尹さん一家は日本にとどまる。
2年後、正煕さんは大学進学で北朝鮮へ。日本での進学は経済的に難しく、家族の離散は仕方なかった。
その後は年1回、北朝鮮で家庭を持った正煕さんを万景峰号で訪ねた。高齢の尹さんにとって寝床と食事が付いた船旅は楽で、空路に比べて運賃が安かった。
元山(ウォンサン)港で入国審査を終えると聞こえる「オモニー(お母さん)」の声。懐かしい声の先には、いつも大きく手を振りながら満面の笑みで出迎える正煕さんがいた。「離れていても、万景峰号がせがれの笑顔に会わせてくれた」
ところが昨年7月、北朝鮮のミサイル発射を受けた政府は、万景峰号の往来を禁じた。離散家族を結んできた船が政治決定で止まった。
長男の危篤を知らせる電話があったのはその4カ月後。すぐロシア経由で船と飛行機を乗り継いで駆けつけたが、葬儀に間に合わなかった。
夏にもう一度会えていたはずなのに。船が止まるのがもう少し遅かったら――。せめて遺骨を写真に収めようとカメラを構えた手が震えた。「なぜ在日にしわ寄せが来るの」
11日、同国内に購入した正煕さんの墓を初めてお参りするため、飛行機で北朝鮮へ向かう。墓前では「またしばらく会えないけれど、ごめんね」というつもりだ。
4月11日朝刊
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