◆前回までのあらすじ
前回の記事では、
・不動産投資も飲食業界と同じで、
「参入障壁」が重要。
・入居需要があれば良いというわけではない。
というお話しをさせて頂きました。
※連載記事となっています。
これまでの記事をお読みになっていない方は、
最初からお読みになることで、
より理解しやすくなります。
【不動産投資理論】
第1話「「家賃収入◯千万円」という書籍は増えたのに、成果を出している人はわずかなのはなぜなんだろう?」
第2話「不動産投資でライフデザインを実現するための「ロジック」とは・・・?」
第3話「揺るぎない経済基盤を確立するための物件購入条件「◯◯◯◯ × ◯◯◯◯」(1)」
第4話「揺るぎない経済基盤を確立するための物件購入条件「◯◯◯◯ × ◯◯◯◯」(2)」
第5話「揺るぎない経済基盤を確立するための物件購入条件「◯◯◯◯ × ◯◯◯◯」(3)」
◆不動産投資はもともと参入障壁が高かった
今から15年ぐらい前までは、
不動産投資は一般の人にとっては、
まだまだ敷居の高いものでした。
ましてやサラリーマンで不動産投資をしている人など、
ほとんどいませんでした。
「金持ち父さん貧乏父さん(筑摩書房)」が、
出版されたのが2000年11月。
当時、大ベストセラーになりました。
(今読んでも本当に良い本です。
しかし、それでも、
「不動産投資」はまだ良く分からない世界で、
参入障壁が高かったのです。
◆SMBCがサラリーマンにバンバン融資
状況が一変したのが、
2005年ごろのことだったかと思います。
SMBC(三井住友銀行)がサラリーマン向けに、
フルローン、オーバーローンで、
バンバン融資していたのです。
今では考えられないですよね。
その恩恵もあって、
「自己資金ゼロから資産◯億円」
「OLの私でもできた不動産投資」
といった成功事例が次々と出ました。
サラリーマンが不動産投資に注目し始めたのです。
この頃に浦田健さんや藤山勇司さんが出版され、
ベストセラーになっています。
徐々に不動産投資への参入障壁が、
崩れそうになっていました。
◆リーマンショックで参入障壁がまた上がる
しかし、2008年9月。
リーマンショックが起こりました。
サラリーマン向けの融資に前向きになっていた、
銀行が一斉に融資をストップしたのです。
そのちょっと前ぐらいから、
SMBCも一切融資を出さなくなっていました。
当時、M銀行の融資方針を決める需要なポジションにいた、
私の知人が言っていました。
リーマンショックを事前にいち早くキャッチし、
不動産投資に限らず、融資を一斉にストップし、
他の銀行も追随したそうです。
融資がしぼみ、
またもや「不動産投資=参入障壁が高い」
という状況でした。
そのため、比較的条件の良い物件が、
今では考えられない利回りや価格で、
売りに出されていました。
2011年当時の物件すごいですよ(驚)
利回り15%でも比較的好条件で、
物件がゴロゴロしています。
今の知識と資金力はそのままで、
タイムマシーンを使って、
当時に戻りたい・・・
◆スルガ銀行の登場
しかし、唯一の問題は「融資」でした。
市場には良い物件が溢れているにも関わらず、
融資を出してくれる銀行がないため、
まだまだ参入障壁が高いままでした。
そんな状況の中で、2009年ごろから、
スルガ銀行が一気に台頭してきたのです。
各銀行が不動産投資に対する融資を渋る中、
スルガ銀行は積極的に融資をし始めたのです。
築古木造OK、エリアは全国OKといった条件で、
バンバン融資をしてくれたのです。
当時か4.5%と高い金利ではありましたが、
それ以上に物件の利回りが高かったため、
十分に収益の回る条件で購入することができました。
この頃に、サラリーマン不動産投資家が広まり、
成功者が続々と輩出されました。
と同時に、徐々に参入障壁が壊れだします。
◆異次元緩和で参入障壁が完全に破壊
そして、2013年。
不動産投資の参入障壁が一気に崩壊に向かいます。
日銀が掲げた「金融緩和策」です。
物価上昇率2%を2年程度で達成するために、
市場にお金をどんどん流れ込ませます。
それは歴史上最も過激な資金供給友いわれ、
この5年半余りで400兆円近くを市場に供給したとされています。
スルガ銀行は壊れたブレーキのままアクセルを全開にし、
他の銀行もどんどんチキンレースに参加していきます。
サラリーマン、高属性というだけで、
物件の評価も何も見ずにバンバン融資。
業者は、二重売買契約に加えて減額の覚書、
カーテンスキーム、三為手法、多法人スキームなどを駆使し、
拍車をかけます。
不動産投資の参入障壁は完全に壊されました。
◆参入障壁が崩壊した後の惨状
2013年ごろまでは、
不動産投資というだけで参入障壁が高かったため、
何も考えていない人が投資しても、
ある程度は成功できました。
しかし、2013年以降、
参入障壁が壊れた後の惨状は、
前回の記事でお話しした通りです。
家賃収入で経済基盤を確立しようと、
甘い夢だけを追った人は、
大きな借金とリスクだけが残りました、
安易に不動産投資に手を出す時代では、
完全になくなってしまいました。
◆不動産投資は終わり?
もはや不動産投資は終わりなのでしょうか?
不動産投資で経済基盤を確立して、
ライフデザインを実現するなど、
もはや不可能なのでしょうか?
(つづく)
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