◆シェアハウス投資への融資の実情
かぼちゃの馬車を含むシェアハウス問題が、
1月に一気に噴出してから4ヶ月。
初めて公の場に表れたスルガ銀行でしたが、
内部調査の結果を報告しました。
ついに明かされたシェアハウス投資への融資は、
何とっ!?
「1,258名、融資残高2035億円」
そこには驚愕の内容が、
次々と明かされていました。
記事「【驚愕】スルガ銀行が公開したシェアハウス投資への融資の実情」
◆明らかにされた「スルガスキーム」
スルガ銀行が公にした、
「危機管理委員会による 危機管理委員会による調査結果の要旨 」
によると、
「スルガスキーム」と言われる、
担保価値の大幅に足りない物件に対して、
本来1割の自己資金が必須なのにも関わらず、
1億円を超えるオーバーローン融資を付ける手法が、
ついに白日の下にさらされることになりました。
「スキーム(scheme)」とは、
「仕組み」などと訳されますが、
イギリス英語と違って、アメリカ英語では、
「陰謀」「悪巧み」といった悪い意味があります。
「スルガスキーム」は、まさに、
銀行員、業者、そして(時には)投資家が結託をして、
融資もしくは、フル・オーバーローン融資を引く仕組みであり、
かぼちゃの馬車を含むシェアハウス投資や、
億超えのRC1棟物件を、融資を付けて、
素人投資家を型にハメ込んで購入させる仕組みでした。
◆スルガスキームのポイントは3つ
スルガスキームのポイントは3つあります。
(1)通帳の偽造・改ざん
まず1つめが通帳の偽造・改ざんです。
スルガ銀行の内部調査の報告にも、
以下のようにあります。
「融資を受けるに際して顧客がスルガ銀行に提出する自己資金の残高を証明する通帳等の偽造・改ざんが相当数行われていた。」
そして、多くの銀行員が、
見て見ぬふりをしていたとあります。
不正に関与していたのは、
11支店とも言われています。
参考記事「スルガ銀行、不正に関与したのは11支店だけか?」
さらには、銀行員が指示していたとすらされる、
銀行員と業者が会話している音声が、
弁護団から公開されています。
(2)二重契約
そして、2つ目が俗に「二重売契(売買契約)」と言われる、
実際の売買契約書とは別に、
融資を受けるために契約書を作成する手法です。
これは偽造・改ざんと同様に明らかに違法ですが、
昔から暗黙の中で行われてきた手法でもありました。
これによって、本来は自己資金1割が必須にも関わらず、
売買価格を釣り上げて銀行に提出することで、
オーバーローン融資を受けていたのです。
「スマートデイズの関連の販売会社と顧客により、本来受けることのできる金額より多額
の融資を受けるために、実際の売買契約書とは別に売買代金額を水増しした「銀行提出用」
の売買契約書が作られていた事案(二重契約)も相当数存在する。」
こちらも、内部調査報告書で公開されています。
さらには、内部調査報告書には記載されていませんが、
「減額の覚書」のような手法も、
相当数行われていたことでしょう。
そして、内部調査には出ていませんでしたが、
スルガスキームには、もう1つ重要なポイントがあります。
その重要なポイントとは何でしょうか?
長くなったので明日に続きます。
◆あとがき
連日、スルガ銀行の記事を書いていたら、
「銀行は、なぜお金を扱うのに、”銀”行と言うのだろう?」
「”金”行じゃないのかな???」
ふと疑問に思ったのです。
恥ずかしい話し、
これまで疑問に思ったことすらなかったので、
チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」
と怒られてしまいそうです(笑)
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「銀行はなぜ「銀行」というのですか?また、「Bank」の語源は何ですか?」
「銀行」という名前の由来は、明治 5(1872)年制定の「国立銀行条例」の典拠となった米国の国立銀行法(「National Bank Act」)の「Bank」を「銀行」と翻訳したことに始まります。翻訳に当たり、高名な学者達が協議を重ね、お金(金銀)を扱う店との発想から中国語で「店」を意味する「行」を用い、「金行」あるいは「銀行」という案が有力になりましたが、結局語呂のよい「銀行」の採用が決まったといわれています。この他に、渋沢栄一が考案したとする説、などいくつかの説があります。
「Bank」の語源は、12世紀頃、当時世界の貿易、文化の中心地であった北イタリアに生まれた両替商(銀行の原型といわれている)が、両替のために使用した「BANCO」(長机、腰掛)とする説があります。
(日本銀行ホームページより)
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銀行の名前の由来は、
調べてみて納得したのですが、
「金」でなく「銀」になった理由は、
銀行はあくまでも事業や投資の「脇役」であって、
「主役」ではないということを表しているような、
そんな気がしました。
オリンピックにおいても、
「金」が主役で、「銀」は脇役です。
ここ5年ほどは、
かぼちゃの馬車などのシェアハウス投資を始めとして、
不動産投資において銀行が主役となる場面が、
少なからずありました。
銀行が「脇役」ではなく、
「主役」となってしまったことが、
このような大問題に発展してしまったのではないかなと、
銀行の名前の由来を調べていて感じた次第です。