◆スルガ銀行への責任追及が激化
かぼちゃの馬車問題については、
スマートデイズへの責任追及以上に、
スルガ銀行への責任追及が激しくなっています。
すでにスマートデイズは民事再生は認められず、
破産に向けて進められています。
4月10日「スマートデイズの民事再生の動きは不可解な点だらけ(1)」
かぼちゃの馬車オーナーから見れば、
これ以上責任追及をしても、
泣き寝入りしか道は残されていません。
道理などはともかく、救われる道を求めて、
スルガ銀行へ責任追及を転嫁する流れは、
自然な流れと言ってもいいかもしれません。
正しい道かどうかは、
ここでは置いておきます。
◆不正に関与したのは11支店だけ?
そして、新聞各社や弁護団によって、
次々とスルガ銀行について、
問題点が明らかにされています。
かぼちゃの馬車含むシェアハウス投資や、
1棟物件などの収益不動産への融資について、
不正見逃しが相次いで明るみになってきたのです。
~ 記事一部抜粋 ~
スルガ銀、11営業拠点で不正見逃し 融資の資料改ざん
シェアハウス投資などへのスルガ銀行(静岡県沼津市)の融資で資料改ざんが相次ぎ見つかった問題で、改ざんされた資料をもとにした融資が同行の11支店・出張所で行われていたことが、朝日新聞の取材でわかった。
中古1棟マンションへの投資では、少なくとも4業者が売却・仲介した物件で同様の不正があった。都内のある業者は十数人分の通帳コピーを改ざんし、新宿(東京)や仙台など6支店で融資を受けた。京都支店に出した資料を改ざんしたと証言した業者もいる。
重複を除くと、同行が都内に置く5支店を含む計11支店・出張所で不正が見逃され、貯蓄や年収が基準に満たない会社員らに過剰な融資が実行された。
(朝日新聞 5/6(日)記事より)
~ ここまで ~
この朝日新聞の報道では、
「11支店・出張所で行われていた」
と報じられていますが、
私の印象では、
「少ないな」というのが正直な感想です。
スルガ銀行は全国に133支店ありますから、
11支店というのは10%にも満たない割合です。
(スルガ銀行ホームページより)
◆同様の不正が政府系金融機関でも発生
2017年に政府系の商工組合中央金庫(商工中金)の
不正融資が問題になった際には、
国内100支店のうち、ほぼ全店、
従業員813人が不正に関わったと報じられています。
~ 記事一部抜粋 ~
過大なノルマで不正まみれに 商工中金、根深い隠蔽体質
政府系の商工組合中央金庫(商工中金)が国の制度融資で不正を繰り返した問題は、ほぼ全店が関与し、813人もの職員が処分される事態となった。安達健祐(けんゆう)社長(元経済産業事務次官)が引責辞任して組織を見直すが、隠蔽(いんぺい)体質は根深い。不正の温床となった制度融資を景気対策の名目で続け、問題を見逃した経産省の責任は重い。
独特の「隠蔽体質」も不正の拡大につながった。不正が最も多かった池袋支店(東京)では、2014年末に多数の不正融資が発覚。当時の経営陣も報告を受けたが、経理資料の改ざんは本部が主導する形でもみ消された。
(2017年10月26日 朝日新聞記事より)
~ ここまで ~
この記事の中で、
「記者会見した安達社長は、
現場に過大なノルマを課したことが
不正につながったと認めた。」
と報じられています。
私もサラリーマン時代は、
悪名高い営業会社に勤めていました。
社名を聞けば、
誰しも「あぁ~」と頷く会社です。
毎日厳しいノルマを課せられ、
売れる営業マンは神と崇められ、
売れない営業マンは激しく罵倒させられる。
そこには、天国と地獄ほどの差があります。
私は営業職ではありませんでしたが、
営業をサポートする部署であったため、
不正を犯してまで、
ノルマを達成しようとする営業マンの気持ちは、
分からなくもありません。
しかもこのような営業会社は、
常にトップダウンであり、
おおよそどの支店でも状況は同じです。
支店同士で競わされていますので、
「あの支店がやってるんだったら、うちの支店も」
とほぼ全支店が同じようなことをやります。
社長や役員や支店長から、
「優秀な支店を見習え!」と司令が出ますから。
◆もっと割合は大きいのではないか!?
ですから、商工中金に比べたら、
スルガ銀行の133支店中11支店の関与というのは、
圧倒的に割合が少ない印象なのです。
すべての支店や銀行員を知るわけではありませんが、
スルガ銀行の中でも誠実な支店や銀行員がいるのは、
私も知っています。
しかし、コンプライアンスやトップダウンが、
一般企業と比べて、やたらと厳しく統制されている銀行おいて、
たった10%に満たない割合の支店や従業員だけが関与したとは、
どうしても考えられないのです。
また、私はこの不動産投資の業界に、
もう10年近く身を置いており、
不動産投資家のコミュニティを開催していることもあり、
さまざまな情報が入ってきます。
そのため、
関与したのが全支店の10%未満というのは、
実感としての割合と大きく乖離しているのが、
正直な感想です。
最終的には、商工中金の時のように、
関与した支店の割合は、
さらに大きくなっていく可能性もあると予想します。
◆スルガ銀行の何が問題なのか?
本来、投資は自己責任である以上、
融資をした銀行には非は無いように思います。
スマートデイズ(旧スマートライフ)や、
仲介した販社に非があることは言うまでもないですが、
かぼちゃの馬車オーナーをはじめとして、
投資したオーナー側に非があるのは確かです。
では、スルガ銀行の何が問題だったのでしょうか?
融資をしたことでしょうか?
不正を見逃したことでしょうか?
長くなったので次回に続きます。