◆淘汰が始まる・・・
かぼちゃの馬車事件をきっかけに、
サラリーマン不動産投資は、
成長期から成熟期に大きく転換しました。
ここからは一気に下りエスカレーターになります。
この辺の詳細は、不特定多数の方が読めるブログではなく、
私が好き勝手書けるメルマガで書いています。
ブログではどうしても書きにくいところも出てしまいますので。
成熟期の大きな特徴として、
「淘汰(とうた)」があります。
これから不動産投資においては、
「勝ち」「負け」がはっきりしてくるんですね。
◆不動産投資の怖いところ
不動産投資の怖いところとして、
物件を購入した直後では、
勝ち負けが良く分からないというところです。
かぼちゃの馬車もそうでした。
かぼちゃの馬車を、
早い時期に買っていれば買っている人ほど、
「こんなうまい話が本当にあるんだ!?」
「これは大成功だ!」
と思ってしまったことでしょう。
1棟買えば、毎月約20万円ほどのお金が、
自分の口座に振り込まれてきます。
かぼちゃの馬車ブランドがスタートとした、
2014年ごろに購入した人は、
4年間もの間、安定してお金が入ってきたのです。
何もせずに。。。
楽待の記事にもありますが、
「(物件が)あればあるだけ買いたい!」
という気持ちも分からないでもありません。
~ 記事一部抜粋 ~
異様な熱気の中で
セミナーに参加したオーナーは「奥さんや子供を連れてくる人もいて、異様な熱気でした」と振り返る。「終了後に受講者へマイソクが配られるんですが、すごい勢いで奪い合いになるんです。現地も見ず、その場で数億の投資を即決する人が続出したので驚きました」
(楽待新聞2018.1.26「700人から1000億円をむしり取った「魔法の言葉」」より)
~ ここまで ~
かぼちゃの馬車のような物件を購入できた方たちは、
お会いしたのは数人ですが、
頭が良くて優秀な方ばかりだという印象です。
「これから購入しようとしている物件が、
ほんとうに良い物件なのかどうか?」
私のような失敗を経験し、何でも穿った目で見る、
ひねくれた不動産投資家に相談なんて、
なかなかできないかもしれません(笑)
実際に、購入前に2名の方から相談を受けて、
全力で止めたのですが、
1名は購入してしまったようです。
その人は今頃どうしているのでしょうか・・・。
一度「Yes」という結論を出してしまうと、
一貫性の原理が効いてしまうのです。
※一貫性の原理・・・
人は自身の行動、発言、態度、信念などに対して
”一貫したい”という心理が働く。
なかなか自分の投資を見直したり、
アドバイスを聞くことは難しかったのでしょう。
◆敗戦が色濃くなり、競売に流れていく
ということで、
かぼちゃの馬車をはじめとして、
これから淘汰が始まっていきます。
以前の記事「蓋を開けてみたらとんでもない事に・・・」
でも書きましたが、
潜在的に危険な物件がたくさんあります。
何となく儲かりそうで買った物件が、
これからどんどん敗戦、色濃くなっていきます。
そんな物件は、毎月の赤字幅が大きくなり、
やがて返済がきつくなっていきます。
何とか給与からまかなえていた人ですら、
給与ダウンとともに苦しくなっていきます。
多くの場合が債務超過物件ですから、
スルガ銀行のような属性で融資する銀行が、
融資をしなくなるということは、
売却先もなくなるということになっていきます。
損切りもできなくなります。
やがて銀行への返済ができなくなり、
競売へと流れていくわけです。
◆競売とは?
ところで、「不動産競売」という言葉を、
聞いたことがありますでしょうか?
このブログを読んでくださっている方は、
勉強熱心な方が多いので、ご存知の方も多いでしょう。
「競売」を、
「きょうばい」と読むか、「けいばい」と読むかですが、
答えとしてはどちらでもいいようです。
一般の人に馴染みがあるのは「きょうばい」だと思いますが、
実際に不動産競売に挑戦したことがある人には、
「けいばい」の方が馴染みがあります。
競売は、簡単に言ってしまえば、
「不動産が安く買える卸問屋」のようなものです。
不動産投資で成功するための大きなポイント1つは、
「安く物件を買うこと」です。
私も利回り47%のRCマンションを、
競売で落札したのが不動産投資の始まりです。
卸値で物件を買える不動産競売は、
安く物件を買うためには、
絶対に知っておきたい手段の1つです。
最近は落札価格が上がってしまっていますが、
それでも安く買えるチャンスは今でもあります。
そして、淘汰の時代には、
多くの物件が、競売に流れてくることでしょう。
それでは、所有する物件は、
どのような流れで競売に流れていくのでしょうか?
長くなってしまったので、
次回に続きたいと思います。
◆編集後記
私には裁判所で働く職員さんの知り合いが、
何人かいます。
先日、一緒にマラソン大会に出場した時に、
いろいろと最近の競売事情について聞きました。
不動産競売の3点セットである
「現況調査報告書」の「執行官の意見」を、
書いたことのある人にも、色々とお話しを聞けました。
裁判所の数ある部署の中でも、
不動産競売の部門は人気部署だそうです。
その方の話によると、
確かに数年前に比べて、
入札価格は上がっているそうです。
市場価格と変わらない金額だったり、
それ以上の価格で落札されているそうです。
ただ、数年ごとに大きな波があるそうで、
最近は住宅ローン破産者の自宅が、
競売で増えてきているそうです。
離婚をきっかけに住宅ローンが払えなくなり、
破産をしてしまった私の友人もいます。
この友人にも家を買うことに全力で反対したのですが、
やはり止められませんでした。
一貫性の原理を崩すのは本当に難しい。。。