前回の記事で、
これからサラリーマン不動産投資は成熟期に入り、
一気に下りエスカレーターになっていくことをお伝えしました。
そして、成熟期では「淘汰」が始まります。
※記事「かばちゃの馬車破綻をきっかけに、これから不動産投資はどうなっていく?」
では、淘汰された物件はどうなっていくでしょうか?
どのように競売に流れて行くのでしょうか?
当初見込んだ通りに収益を得ることができず、
銀行への返済ができなくなった仮想の人物Aさんの、
ストーリーを描いてみたいと思います。
※細かくはケースバイケースで違う流れになることもあります。
◆返済停止1ヶ月目
Aさんは、とうとう銀行返済ができなくなりました。
銀行は、預金から返済に回そうとしますが、
すでに口座の預金はゼロになっています。
融資を受ける時に作らされた自動積立の定期預金の口座も、
すでに引き出しておりゼロ。
家賃収入などの入金もその口座にはなく、
銀行は抑えることができません。
自己破産しようにも、
弁護士にお願いする費用も残っておらず、
自己破産することすらできません。
銀行の担当者からAさんの携帯に連絡が来ます。
銀行「必ず31日までに入金してください。大変な問題になりますよ。」
◆返済停止2ヶ月目
銀行担当者に上司加わって、Aさんの携帯に連絡が来ます。
銀行「今後協力ができなくなります。」
銀行「とにかく金利分だけでも入金するようにしてください。」
◆返済停止3ヶ月目
銀行からの連絡は続きます。
督促のトーンが強くなっていきます。
銀行「自宅も所有不動産が競売になりますよ。」
◆返済停止4ヶ月目
返済停止から3ヶ月が経過すると、
支店は本部に事故届けを出さければなりません。
銀行担当者は、回収の督促経緯と事故届けを作り、
上司と支店長の印鑑を押して、本部へ提出します。
この頃から、銀行担当者からの催促は一切来なくなります。
Aさんの債権は、銀行本部の管理へと移行していきます。
AさんとAさんの保証人さんのもとには、
「期限の利益喪失」により全額を一括で支払えと通知が届きます。
「毎月の返済ができないのに、一括返済なんて無理でしょ!?」
などとAさんは思います。
◆返済停止5ヶ月目
銀行はAさんからの返済が無いため、
融資を受ける時に契約した保証会社に、
Aさんの代わりに債権を請求します。
この段階で、保証会社の方に、
Aさんの債権は移ります。
銀行から見ると、Aさんの処理はこれでお終いです。
※保証会社が入っていない場合は、
「債権回収会社(サービサー)」に債権が譲渡されます。
今度は、債権の譲渡を受けた保証会社が、
Aさんに対して、債権が譲渡された旨を通知します。
銀行の代わりに、返済するように求めてきます。
通知を受け取ったAさんは、
何のことやら分かりませんが、
いずれにしても返済はできません。
◆返済停止6ヶ月目
保証会社は、Aさんに対して訴訟を起こし、
Aさんの所有不動産を差し押さえにきます。
Aさんは、勝てる見込みは無いため、
裁判に出廷することはしません。
保証会社は勝訴となり、
Aさんの所有不動産が差し押さえられ、
競売(or 任売)に流れていくことになります。
◆返済停止7ヶ月目以降
以上のような流れで、
Aさんの所有不動産は、
競売へ流れていくことなります。
この後は約3ヶ月の期間をかけて、
現況の調査や売却価格が決定されていき、
不動産競売物件情報サイト(BIT)へ掲載され、
私たち不動産投資家の目にも触れるようになります。
「不動産競売物件情報サイト(BIT)」
このような流れを経て、
私たち不動産投資家が目にするのが競売物件です。
◆シェアハウス物件も競売に流れてきている
かぼちゃの馬車と同様のスキームで販売され、
破綻してしまったシェアハウス物件が競売に流れていました。
一部の不動産投資家の間で話題になっており、
ネットでご覧になられている方もいるかと思います。
予想以上に高値で個人が落札しており、
私自身はとても驚きましたが、
今後はシェアハウス物件だけでなく、
サブリース付きのアパートなども流れてくるでしょう。
住宅ローンで破綻した戸建てやマンションも、
増えてきたように感じます。
◆競売で落札するという意味
不動産に詳しく無い人と、
競売の話しをしたりすると、
「人の不幸を食い物にしているみたいだ」
といった、直接的でないにしろ、
そのようなニュアンスで考えている人もいて、
驚くことがあります。
たしかに、競売に流すことになってしまった、
元所有者さんのことを考えると同情します。
私も大失敗をしていますから。。。
しかし、競売に出てくる物件の多くは、
元所有者がお金が無いため、
放置されている建物です。
そこに住んでいる入居者さんも放置されて、
建物に不具合があっても、
大家さんに訴えることすらできません。
可哀想な状態になっているのです。
そんな「物件や入居者たちを助けてあげる」のが、
競売で落札する意味なんだと、私は考えています。
◆競売に流れてきた物件を、どうやって手にするのか?
それでは、このような競売に流れてきた物件を、
どうやって手にすればいいのでしょうか?
繰り返しになりますが、
不動産競売は「不動産の卸問屋」のようなものです。
最近は落札価格が上がってきたとはいえ、
今だに市場では絶対に買えないような価格で、
落札できるチャンスがあります。
私もRC1棟マンションを、
利回り47%(2年ちょっとで資金を回収)という、
金額で入手することができました。
ましてや、これから淘汰される物件が急増し、
競売に流れてくる物件が増えてきます。
当然、落札価格も下がります。
そのため、この段階で競売について詳しく知っておくことは、
不動産投資で成功したいと考える投資家にとっては、
必須な内容となっています。
そこで、3月24日(土)基礎から学ぶ不動産投資予備校では、
競売のプロである不動産屋さんから、
「競売」と「任売」で物件を入手する方法について、
レクチャーを受ける予定となっております。
かなり秘匿性の高い内容も含まれているため、
今回は20名ほどの少人数で開催する予定です。
広い会場に変更することもありません。
ブログでご案内するとあっという間に満席となる可能性もあるため、
メルマガのみで募集となります。
※このような案内が煩わしい方は、
登録しないようにオススメします。
◆編集後記
今日の記事は、まさに当事者の方で、
気分を害された方もいるかもしれません。
不安を感じてしまった方もいるかもしれません。