かぼちゃの馬車関連で、
またまた驚きのニュースが飛び込んできました。
スルガ銀行が、かぼちゃの馬車オーナーに対して、
3月1日からの支払いを一時停止することを決めたと報じています。
~ 記事一部引用 ~
スルガ銀への返済一時停止 シェアハウス投資の80人
シェアハウスの投資トラブルをめぐり、約束された賃料がもらえずに毎月の銀行への借金返済が難しくなった物件オーナー約80人が27日、物件購入のために融資を受けた地方銀行のスルガ銀行(静岡県沼津市)に、3月からの借金返済の一時停止を通知した。
物件オーナー約10人や支援する弁護士らがスルガ銀行横浜東口支店(横浜市西区)を訪れて支店長と面談。約80人分の「返済停止通知書」を手渡した。同行した弁護士によると、スルガ銀側は「当面は(物件や給与の)差し押さえなどはしない。個別に話し合って解決したい」などと答えたという。
(朝日新聞 2018年2月27日)
~ ここまで ~
以下、朝日新聞の続報記事です。
~ 記事一部抜粋 ~
スルガ銀、事実上の返済猶予 シェアハウス投資
地方銀行のスルガ銀行(静岡県沼津市)が、オーナーへの法的手段を当面控える方針を明らかにした。同行は融資実態を調べており、しばらくは事実上の返済猶予をする形となる。
こうした事態を受け、多くのオーナーに融資するスルガ銀は先週末、実態調査を開始。オーナーにアンケート用紙を発送した。その中で、調査期間中は「延滞などが生じても法的手段をとらない」とオーナーらに伝えた。
3月から約80人分の借金返済を一時停止すると通知した。オーナーに同行した弁護士によると、スルガ銀側は「当面は(物件や給与などの)差し押さえなどはしない。個別に話し合って解決したい」などと答えたという。
(朝日新聞 2018年2月27日)
~ ここまで ~
また、同様の記事が日経でも報じられています。
~ 記事一部引用 ~
スルガ銀、返済を一時猶予 シェアハウス問題で
女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への投資を巡るトラブルで、大半の所有者に物件の取得資金を貸していたスルガ銀行が一時的に返済を猶予することがわかった。返済原資となる運営会社からの家賃の支払いが止まり、返済が滞る所有者が相次いでいるためだ。スルガ銀は自行の融資の妥当性を調べており、少なくとも調査中は事実上返済を猶予する考えだ。
(日本経済新聞 2018年2月27日)
~ ここまで ~
不動産投資専門のポートルサイト楽待では、
この件に関してさらに詳しく報じています。
~ 記事一部引用 ~
かぼちゃの馬車オーナー76人、スルガ銀行に返済停止を通知
首都圏を中心に女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を展開するスマートデイズ(東京都)がサブリース賃料の支払い停止を発表した問題で、毎月100万円前後のローン返済がのしかかっているオーナーら76人が27日、融資を受けたスルガ銀行に対して3月からの返済停止を通知した。
スルガ銀行側は「返済が止まっても当面は差し押さえなどを行わない」と明言し、オーナーとの個別交渉に前向きな姿勢を示した。オーナーらで構成する「スマートデイズ被害者の会」は今後、集団訴訟も視野にスルガ銀行の過剰融資責任を追及していく姿勢を示している。
(楽待新聞 2018年2月27日 )
~ ここまで ~
そして、この様子は、
2月28日のテレビ東京の番組「モーニングサテライト」にも、
放送されました。
これらの記事を読み、
私なりにポイントをまとめてみました。
◆報道のポイント①「横浜東口支店」
今回、かぼちゃの馬車オーナーや弁護士が訪れ、
「返済停止通知書」を提出した先は、
静岡県沼津市にある本社ではなく「横浜東口支店」でした。
これはどういう意味があるのでしょうか?
かぼちゃの馬車への融資は、
ほぼ横浜東口支店が一手に引き受けて、
融資を出していました。
初期の頃はスルガ銀行の中でも、
渋谷支店など他の支店も融資をしていたのですが、
件数は多くありません。
そして、後期になればなるほど、
横浜東口支店しか融資をしなくなっていきます。
かぼちゃの馬車オーナーから直接聞いている限りでも、
ほぼ横浜東口支店からの融資です。
このように考えると、
横浜東口支店が、他の支店と同様に、
早い段階で融資をストップをしていれば、
ここまで傷口は広がらなかった可能性があるのです。
スルガ銀行の中でも、
とりわけ「横浜東口支店」の責任は重いと言えます。
オーナーや弁護士が横浜東口支店を訪れたのには、
そのような意図があると思われます。
◆報道のポイント②「返済停止通知書」
それでは、スルガ銀行横浜東口支店に提出されたとする、
「返済停止通知書」とは、どのようなものでしょうか?
返済停止通知書とは、
NPO法人 日本住宅性能検査協会(日住検)が監修のもと、
かぼちゃの馬車オーナーが自らが立ち上げた
「スマートデイズ被害者の会」の顧問弁護団が作成した書類です。
「日住検監修 スマートデイズ被害者の会」とは?
現在はさまざまな被害者の会が立ち上がる中で、
会の活動の方向性は議論の余地がありますが、
信頼できる会の1つだと私は考えています。
スマートデイズ被害者の会の顧問弁護団は、
以下のように結論付けています。
~ 抜粋 ~
本件はスルガ銀行の深い関与が疑われる事案であり、少なくとも、スマートデイズから賃料が支払われない状況下では、スルガ銀行への返済を停止するのは、やむを得ない対応である。
「日住検監修 スマートデイズ被害者の会」顧問弁護団
~ ここまで ~
そして、かぼちゃの馬車オーナーへ、
一定期間「返済停止通知書」提出の協力を求めていました。
その呼びかけに応じたオーナー76名と弁護士とともに、
提出をした格好となります。
◆報道のポイント③「1/10」
今回、「返済停止通知書」を提出したのは、
かぼちゃ馬車オーナー76人とあります。
全体でオーナー約700人ですので、
約1/10となり、大きな割合ではありません。
それでも、このインパクトですから、
今回の事件の大きさを物語っています。
報道をよく読むと、返済を一時停止するのは、
この76人であり、他のオーナーに関しては、
個別に対応するとしています。
残りのオーナーもいち早くこの会に合流して、
返済を一時停止した方が良いのか?
かというと、
「一概にそうとは言えない」、
と私は考えています。
私が当事者であれば、
恐らく一時停止はしないでしょう。
とはいえ、
「自分ではどうしたらいいのか分からない・・・」
「誰にも相談できる人がいない・・・」
というようなオーナーは、
いち速くこの会に合流した方が良いとも思います。
◆報道のポイント④「当面」
また、これらの報道で重要なところで、
どのくらい返済猶予をするのかというところですが、
「当面は差し押さえなどの法的手段は取らない」
「オーナーの信用情報をブラックリストに登録することはしない」
とスルガ銀行が明言したとあります。
※遅延損害金の発生については、
「本部に確認して回答する」としています。
「ブラックリストに登録はされない」というのは、
非常に大きな言質だと思います。
一方で、この「当面」というのが、
どのくらいなのかが重要になってきます。
報道では、「調査期間中」としてていますが、
果たしてどのくらいの期間になるのでしょうか。
続報が待たられるところです。
また、重要なところではありますが、
「今後賃料が入るようになった段階で一部なりとも返済に対応する」
と「返済停止通知書」には書かれています。
つまり、賃料が入るようになれば、
「スルガ銀行への返済を再開する意思をみせなければいけない」
ということになるでしょう。
◆報道のポイント⑤「ゴール」
今回の一連の報道では、
一時的な返済を逃れることはできましたが、
最終的なゴール(落とし所)が見えてきません。
問題を先送りしただけでは、
あまり意味がありません。
どこに最終的なゴール(落とし所)があるのでしょうか?
上記で紹介した日住検サブリース問題解決センター長の大谷昭二氏は、
以下のような陳情を、2月22日に金融庁に提出しています。
~ ここから ~
- 緊急に銀行への大幅利下げ、元本返済棚上げ、債務免除の対応指導。
- スマートデイズ社、代理店である販社、及びスルガ銀行の本件スキーム組み立ての密接な関連性また詐欺行為へ銀行が加担していたことへの速やかな調査実証のお願い。
- 本件融資返済一時停止に伴う関係債務者全ての個人信用情報がグレー情報及びブラック情報に登録されないよう銀行への指示。
- 銀行による杜撰な担保評価と個人資産水増し不正行為、杜撰な融資姿勢によって行われる破綻スキームに対する過剰融資禁止と類似融資に関する全国金融機関に対する徹底調査と指導。本来社会に貢献するはずの銀行に二度とこのような大量の被害者を作らせないように是非指導を行って頂くこと。
(日住検監修 スマートデイズ被害者の会より)
~ ここまで ~
今回は、上記の3について、
スルガ銀行に陳情した形になります。
そして、今後については、
私は3つのシナリオがあると考えています。
1.最高シナリオ
2.最低限シナリオ
3.最悪シナリオ
長くなってしまったので、
次回に続きたいと思います。
◆編集後記
明日から3月。
2018年に入ってかぼちゃの馬車事件が起こり、
あっという間の2ヶ月間でした。
気が付いたらオリンピックも、
ほとんど観ずに終わってしまいました。
たまたま見ていたフィギュアスケートの、
インタビューが印象的だったので、
ちょっとシェアしたいと思います。
フィギュアスケート4位の宮原知子さんに、
某局のアナウンサーが、
「メダルが取れなくて残念な結果でしたね」
と感想を求めるインタビューがあり、
少し悲しそうな顔をしたのが強く印象に残りました。
順位こそ4位でしたが、
ショートもフリーも自己ベストです。
決して”残念な結果”などではありません。
「他人と比べるのではなく、1年前の自分と比べよう」
という有名な言葉があります。
どうしても人と比べられる世界にいますので、
仕方がない部分はあります。
それでも、人から自信を奪う言葉ではなく、
人を成長させる言葉を使っていきたいなと、
感じた次第です。
成長を実感できる、ポジティブな比較をしましょう!