◆これから競売流れの物件がどんどん出てくるのではないか?
かぼちゃの馬車の破綻が社会問題となっていますが、
その他にも次々にシェアハウス投資が破綻してきています。
その数、ざっと試算すると、
シェアハウス物件だけで、おおよそ1000棟です。
シェアハウス物件だけでですよ・・・(汗)
1000棟のうち、仮に30%が破産となっただけでも、
300棟が競売に流れることになります。
◆危険度の高い狭小アパート
さらに、シェアハウス投資以外にも、
危険度が高いのが狭小の新築アパートです。
ここ5年で、主に神奈川エリアを中心に、
フルローン、オーバーローン融資を受けて、
1部屋15平米にも満たない狭小の新築アパートを、
サラリーマン投資家が買っているのを良く聞きます。
利回りを高く見せるために、
入居需要や資産性を無視した土地に、
安い建築コストで建てて高い金額で売っていますので、
「蓋を開けてみたらとんでもない事になっていた・・・」
といったような問題が、
一気に噴出してくる可能性があると思っています。
サブリース付きや家賃保証付きの物件も多く、
投資家自身が危険性を認識していないのですが、
かぼちゃの馬車事件のように、
突然サブリース家賃を減額→解除となり、
慌てる投資家が大勢出てくるのではないでしょうか。
まだ問題が表面化していないため、
私も相談を受けたのは数件程度ではありますが、
かなりの数の物件が破綻すると考えています。
◆神奈川だけでも相当な数が破綻の危険!?
神奈川県の新築アパートの着工件数を調べると、
1年間でおおよそ25000棟となっています。
5年間で合計12万棟以上が新築されています。
そのうち、このスキームで建った狭小アパートの割合が、
たった5%だとしても、神奈川県で6000棟にものぼります。
この6000棟のうち、仮に30%が破産するとなると、
1800棟が競売に流れてくることなります。
30%という割合が適当かどうかは分かりませんが、
相談を受けた内容を考えると、
この割合はもっと大きいのではないかと感じています。
参考記事「首都圏の賃貸アパート3棟に1棟が経営難?」
いずれにしても、この先5年のうちに、
販売会社の無理矢理なスキームで建てられた、
狭小の新築アパートが一斉に破綻する危険性があるのです。
◆危険度の高い物件を所有する投資家はどうしたらいい?
こうした危険度の高い物件を掴んでしまった投資家は、
どうしたらいいでしょうか?
今でしたら、まだ対策はあります。
1.売却する
2.借り換えする
3.サブリース付きであれば、
入居状況を把握しておき、
いつ解除されてもいいように備える
4.サブリース付きであれば、
サブリース業者に満室に向けて、
常に葉っぱをかけて監視する
5.買い増しして家賃収入を増やし、
体力をつけておく
6.独自の入居募集ルートを作っておく
7.共同住宅以外の転用を考えておく
ざっと挙げただけですが、
早ければ早いほど対策が取りやすくなります。
これが、4月以降にアパートローンが、
一層厳しくなったらアウトです。
銀行融資が厳しくなるということは、
借換え先も売却先も無くなることを意味します。
不動産業者もバタバタ倒れることでしょう。
同じように破産する物件が続々と出てきますので、
危険度が加速度的に増えることになるのです。
◆首都圏の方が注意が必要
以上を踏まえると、物件を買う立場になって考えると、
これから首都圏で物件を買うには、
特に注意が必要だということが分かります。
こうした破産物件が次々出てきたら、
もろに競争に巻き込まれる可能性が高いからです。
そこに加えて生産緑地の指定解除を控えていますので、
首都圏エリアは大荒れになる可能性があります。
安易に首都圏だから賃貸需要があって安心と思わずに、
5年先、10年先の時代の流れを読み、
エリアマーケティングを行い、投資することをオススメします。
◆編集後記
最近、危機を煽るような記事が続き、
少し申し訳無く感じています。
不動産投資で人生を自由に描くことができた私としては、
本来は、不動産投資の素晴らしさを伝えたいからです。
昨日はセミナーに参加してくださった50代の男性と、
1時間の面談を行いました。
その方は、すでに十数棟の物件を持ち、
家賃収入も1億円を超えていました。
物件ごとのおおよその概要を見せて頂いたのですが、
こんなに綺麗な収支は久しぶりに見ました。
しっかり利益を出されています。
昨年末に外資系サラリーマンを辞め、
「これから何をすればいいか悩んでいまして・・・」
「勉強のために不動産会社に就職するか・・・」
アドバイスを求められたのですが、
私は正直迷いました。
これだけの経済的な基盤が確立できていれば、
いかようにもこれからの人生を描けます。
100年ライフと考えたら50代はまだ人生半ば。
引退するには早いですし、
まだまだいろいろなことに挑戦できる年齢です。
少しゆっくりしたら、
新しい事業を起こすも良し。
国内の不動産よりも、
海外の不動産以外の投資や事業に目を向けるのもいいのでは?
もし国内の不動産にこだわるのであれば、
収益店舗系の不動産投資に進むのが良いのではないか?
「私もサラリーマンを辞めて、これから何をするか?」
を2年じっくり考えたので、
楽しみながらこれからの人生を描いてください!
とアドバイスをさせていただきました。
こういう不動産投資のゴールが、
1つの理想だなと感じた次第です。