昨年9月、驚愕な記事が出ていました。
首都圏の賃貸アパート、賃貸マンションの19%~30%が、
経営難に陥っているというのです。
つまり、東京、埼玉、神奈川、千葉の賃貸物件の、
5棟~3棟に1棟が経営難ではないか!?
という記事なのです。
~ 記事引用 ~
首都圏の経営難物件が19~30%
不動産市場データを提供するタス(東京都中央区)は8月31日、2017年6月期の賃貸住宅市場レポートを発表した。今回は総務省発表の住宅・土地統計調査から、全賃貸住宅ストック(在庫)に占める「経営難等物件」の割合を推定。首都圏の19~30%の賃貸住宅が「経営難等物件データ」となっている可能性があることがわかった。
「経営難等物件データ」とは、資金難などにより管理会社に管理を委託できず、仲介手数料さえ払えない経営状態の家主の賃貸住宅のことを指す。そうなると、不動産会社の顧客ではなくなるので、レインズなどのデータから抜け落ちることとなる。
(引用:全国賃貸住宅新聞 2017年09月08日)
~ ここまで ~
全国賃貸住宅新聞の記事の引用元である、
タス「賃貸住宅レポート2017年8月」によると、
賃貸住宅のデータを次のように分類しています。
1.満室稼働データ
2.空室中募集データ
3.経営難等物件データ
そして、サブリース業者や管理会社の顧客データに
登録されている物件のうち、
満室の物件と入居募集中の物件を正常な「経営物件データ」。
サブリース業者や管理会社の顧客データから外れ、
SUMOなどで入居者募集も行っておらず、
総務省が5年毎に実施している住宅・土地統計調査に、
出てくる物件を「経営難等物件データ」としています。
つまり、「経営難等物件データ」とは、
資金難などにより管理会社に管理を委託できず、
仲介手数料さえ払えない経営状態だとしているのです。
たしかに売却されている物件の中には、
大家がやる気を無くし、管理も入居募集もせず、
放置されている物件も多々あります。
仮にこの「経営難等物件データ」の
平均的な空室率を50%と仮定したすると、
・東京23区:19%が経営難物件
・東京都市部:24%が経営難物件
・神奈川:23%が経営難物件
・埼玉:27%が経営難物件
・千葉:30%が経営難物件
という驚愕のデータが浮かび上がってくるのです。
ただし、このレポートでは触れられていませんが、
自主管理で満室で、どこにも募集をかけていない物件も、
「経営難等物件データ」に含まれる可能性もありそうです。
空室率を「50%」とざっくりと仮定しているため、
実態と異なる可能性もあります。
また、過去の比較データが無いため、
検証することが難しいところもあります。
しかし、肌感覚としても、
経営難等物件が増えていると感じます。
私の家(東京都市部)の回りにも、
空き家で放置されたアパートが、
いたるところにあるからです。
先日の記事「突然の家賃保証(サブリース)の解除通告・・・」
でも書きましたが、
一方的にサブリースを突然切られることがあります。
首都圏の物件ですら、
思い描いていたシュミレーション通りにいかないことは、
十分に考えられます。
心構えも何も準備していなかった大家(投資家)が、
突然赤字に転落し、資金難になる。。。
そんな経営難物件が増えているのでしょう。
長期間物件を維持することの難しさを、
あらためて感じた次第です。
と同時に、こうした経営難物件をいち早く見つけて、
安く購入するチャンスが広がっているのだとも言えそうです。
そのため、こうした物件が流れる先をおさえること。
決して楽待や健美家には流れてこない情報を、
いち早くおさえていきましょう!
◆追伸
今から約30年前、バブルが弾けた時に、
銀行の不良債権が問題になりました。
不良債権とは「回収不能(あるいは困難)になった貸付金」のこと。
つまり、金を貸した相手が法律上の倒産整理の段階にある(=破綻先)、
倒産はしていないが事実上経営破綻の状態にある(=実質破綻先)、
今後破綻する可能性が高い(=破綻懸念先)、などへの貸付金です。
実は今、サラリーマン投資家に貸し付けた、
不動産投資融資が、結構な数で、
密かに不良債権化しているのではないか!?
収益物件の不良債権が広がっているのでは!?
そんな風に感じている次第です。
表面上には出てきてはいないものの、
毎月の不動産等shの赤字を給与から補填し、
何とか返済だけはしている。
もしくは、ちょっとしたこと(空室上昇、家賃下落など)で、
あっという間に赤字に転落する可能性がある。
そんなサラリーマン投資家の不良債権が、
増えているのではないかと感じている次第です。
万が一このような不良債権が表面化したらどうなる?
バブル崩壊時の顛末を考えると、
本当に恐ろしくなります。